臨済禅師はまた、臨済録のなかで、「病は不自信の処にあり」と説かれています。病は気
からくるものです。心の持ちよう次第です、その心は、自由自在にのびのびと生きるとき、
ストレスはなくなるのです。現代病であるストレスは、しっかりと坐禅をすればふっとん
でしまうでしょう。
病というものは、身体的なものとともに「病は気から」というように人間の心の不健康
さから病気になります。禅師は、すべての人間が病人となっており、正しい生き方をして
いない。それというのも結局のところ、自分自身を信じていないからだと説いています。
人間は、自分自身に対して確たる自信がもてないから朝から晩まで、忙しくあちこち飛
び廻っているのです。「自由自在」という語の通り、自分の心のあるがままに自分自身の本
当の生き方ができないのが現実の姿です。忙しいというのは心のないことを意味していま
す。大切な心がお留守になっているというのが現代の病です。
とかく私たちの心は環境にコントロールされ、振り廻されています。私たちは余りにも
忙しく自分自身を見つめる時間がないのです。そこで、しっかりと自分自身を見つめ、
自分の本当の生き方をせよというのが禅の教えです。