![]() |
あらすじ 昭和20年6月、長崎医科大学物理的療法学科助教授永井は、閉じた目を開けておそるおそる透視版を見た。暗い大きな塊の影、脾臓が極端に肥大しているではないか。これはまぎれもなく白血病だ。同僚の内科医から余命三年と宣告され、絶望と怖れにも耐え、残された生命を放射線の研究に捧げる決意を新たにするのであった。八月九日、長崎に原爆投下。永井を隊長とする物理的療法学科第11医療隊は、全身傷つきながらも献身的に傷ついた大勢の人々の治療にあたった。永井は、こめかみにガラスが突き刺さり、頸動脈が断裂し何度も倒れるが屈せず先頭に立って指揮にあたった。三日後、家に帰ってみると辺り一帯は白い灰が広がっていた。台所に目をやると最愛の妻、緑は黒い塊の骨となっている。その腰には十字架のロザリオがまつわっていた そして、8月15日終戦。 |
やっと如己堂に、永井博士に出会う 最初の永井博士との出会いは、もう50年も前だろうか。長崎市内を巡る観光バスのガイドさんが、涙を浮かべて(いたように思う)切々と語りかける原爆の悲惨さ、その中に白血病に苦しみながらも献身的に救護に尽くした永井博士のことがあった。 |
|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |