藤沢秀行名誉棋聖に学ぶ

名言抄(「秀行の創造」より)

 

7.中の碁

 

地に走る、といいます。隅や辺の確定地にものをいわせようという打ち方です。そしてこれと対照的に、中央の模様で対抗する中の碁という考え方があります。

 

中の碁の基本には厚味、勢力の働きがあります。隅の定石を例に取ると、隅と辺に分かれることよりも、隅や辺の地と、中央への勢力や厚味に分かれることが多く、部分的な一つの隅ですでに中央志向、中の碁への戦いが起こっていると考えないといけません。そして、地と勢力が部分的に互角とされる定石には、勢力の将来性を含んだ上での互角という判断があります。

 

つまり、部分の定石が戦いの方向に指針を与えています。いわば、”碁の石の流れ”といってよいでしょう。もし、この石の流れに逆らうと、互角の定石が不利な分れになるでしょう。

 

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