藤沢秀行名誉棋聖に学ぶ

名言抄(「秀行の創造」より)

 

9.中の手を考える

 

隅と辺は地を取りやすく、布石の初めは大場として争って打たれます。これに比べ中の手は、地になりにくい、着点がはっきりしないという理由から適切な判断で打つことが少ないようです。

 

中の手は模様や厚味と対比した時に重要な意味を持ちます。ただ、隅や辺が部分的な着手になりやすいのと比べ、全局的な判断がなければ打てません。この判断は碁の本質的な力になります。

 

地を取ってさえいれば負けない、という地にこだわった考え方でいると、戦いの本質を忘れてしまうでしょう。そして、最近の碁の傾向は地に片寄っているようです。原則は簡単です。相手が強い時は控える。味方が強い時は戦う。それだけのことをいつも身につけていれば大きな誤りは冒さないはずです。

 

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