本当の貼箱とは一般に貼箱の品質を言う場合、寸法、精度、印刷ズレ、色調、曲り、汚れなど計量化できる品質を言うのであって、計量化しにくく、客観的な評価のできにくい、 いわゆる風合いのレベルの品質は問題にされない上、クレームの対象にものらない。 しかし、フロッピーディスクやジグソーパズル、コンパクトディスク、ゴルフボールなど シビアな販売競争の世界を生きている流通包装の世界では、 寸法、精度がよく、反り、ウキがなく、印刷もキレイというのは、 当然のこととみなされ、なおその上に、肌の良さとか、風合いとかのレベルの品質を要求されるのである。 貼箱は、ハイテクどころか、ローテクの最たるものだから、 ただ単にボール紙に上貼に紙を貼っただけの箱は、誰にだってできる。 しかし、(本当の貼箱)を作ろうと思ったら、かなりの知識とノウハウが必要とされるのだ。 現状に安住していたら、菓子箱くらいにしか使い途のない貼箱しかできないのである。 貼箱の品質レベルを点数で表わしてみよう。 全てがカバーされていれば100点だが、ただ寸法精度が良いだけでは合格点ギリギリである。 寸法精度、貼紙の位置がずれていない。 60点 反り、ウキ、フクレ、のりの汚れ、印刷の汚れがない。 70点 デザイン、意匠がすぐれている。 80点 上貼紙の色艶が死んでいず、地肌がキレイ。 90点 風合いがよく、生地の厚みのバランスがよい。 100点 このような100点満点をつけられる箱をつくるために、余計に手間がかかる、コストがかかるというわけではなく、 基本的には、膠(ニカワ)の正しい使い方、即ち最適条件でのアプリケーション によって可能であり、 これさえおさえてあけば誰にでもできることなのである。 どうせ作るなら100点の箱を作るのがプロフェッショナルのプライドであり、モラルである。 ****貼函製造の基礎知識 篠崎貞雄著 より******* 良い膠(ニカワ)の選び方糊のページ(クリック!!)
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また、ストークスニュースNo.5 ニカワの選び方・使い方 No.6 ニカワの選び方・使い方 反りの原因反りの原因は、ウキも含め上記参考文献にもあるように、膠を始めとする糊の使い方に問題があると思われます。 特に水分の多い糊を使用した場合、反るのは当然です。 (下の写真参照) ※この説明の意図は、あくまでも糊に着目しての解説で、 チップボールの水分とは、論点は相違いたします。 要は、水分の多いでんぶん系の糊は、きれいな貼箱を作るのには適さないと言うことです。 |