25.Dec.2005
今日はクリスマス。クリスマスブレックファストをとってから釣りに行くぞ、ということで朝7時に出発
した。レストランだと思ってたら、ベブの娘さんの家でした。4人のお孫さんとともにプレゼント開けには
しゃぐ西洋のクリスマスの朝、というものを見ることができ、一つお勉強。
ハミルトンバーンに着いたのは11時過ぎ。さあいよいよ釣りですな。
「この辺は魚がいるポイントだから、ブラインドでビートルを流してみて。」
日本人はブラインドフィッシングが得意だと、クライアントのほとんどが日本人のデイビットは思ってい
るみたい。まあ、魚がいそうな所にはフライを流してみたいとつい思ってしまうのは事実ですが。
タックルはNZの鱒に使ってみたかったtroutmanrod
6’6”#4にCFO2+ブッシュマスターライン。
フライは昨夜巻いたインスタントビートル。
始めのポイントでは反応がなかったのですが次に入ったところでは、3流し目にバイト。ウィローツリ
ーの下流側。
「小さいなあ、日本のサイズだな、」とライズした姿から判断したけれども、なかなか上がってこない
元気者で、40センチちょっとのナイスコンディションブラウン。
「川の真ん中を上がって両側を狙え」という指示だったので少し遡ると、ライズ発見。
しばらく待って、鱒の姿を確認してから、上流側にディアヘアのブラウンビートルを落とす。ゆっくり
と鱒がフライに寄っていき、大きな頭な頭が上下したのを確認してセットフック。
これはでかい・・はず。鱒は右に左に上に下に暴れるが、竿を大きくしならせながらいなす。けれども
5Xのティペットは普通にしていれば切れることはないが、魚を無理に止めることはできません。そうこ
うしているうちにさっきのウィローツリーの下へ入られてしまった。
これはまずいですね。動かなくなってしまったようです。今まで、このようなパターンでは、鱒が木に
変身することが多かったですから。半分あきらめながらもラインをたぐってみると、ぐんぐんと動く生命
反応が有るじゃありませんか。まだ望みがある、ということ。引っ張ったりゆるめたりしながらなんとか
木の下から引っ張り出したブラウンは、56センチの私の中では大物だった。
そのあともなかなかサイズを追加して、次のポイントへ。1カ所で3匹とはなかなか幸先がいいなあ。
「ここのバンクにはいい魚が着いているから、ブラインドで下から探っていくといいよ。ミキを上流
に連れて行くから・・・」デイビットは私に指示をして上流へ。
今まで、ガイドと離れるとのびのびするからなのか、いい成果が上がっている。じゃあ、ガイド要ら
ないじゃん、というとそうでもない。根が控えめな人間なので、ここで釣りをしていいのかどうか、と
いうことのプレッシャーに弱いので、釣り場案内はしてもらわないと行けないのだ。だから、2人でガ
イドを頼むと非常に都合が良く、相方にガイドが付いている状態がベストな状態な訳で。
ブラウンはバンク際に着く習性があります。(あるようです。)川岸が切り立っている部分をバンク
といいますが、そんなところにはブラウンが良く着いているのです。
しばらくブラインドでフライを流すが、反応はさっぱり。ここはやはりNZスタイルで、と思い眼を
凝らして鱒を探した。「あれは違うだろうなあ、」とバンクぎりぎりに見える魚ほどの大きさの影のよ
うなものを見つけ、しばらく見ていたら、尾びれが動くのが確認できた。鱒であることがわかってから
ビートルを流すも反応なし。寝てるかな?とも思いながら、実はビートルを見たことがなかったこと、
今日は風が吹いていないこと、この場所では何匹かのカディスを見たことからフライをカディスに交換
した。
鱒がいない?!さっきの場所に鱒の姿がなくなっていた。スプークさせたかな?しばらくじっとして
いると、先ほどの場所の手前の流れの中でゆらゆらと動くひれをみつけることができた。少し移動した
だけだったようで、CDCカディスを流す。
あっけないほど簡単に加えたブラウンは45センチほど。普通にこれくらいのがいるんだねえ。
このあと反対側のバンクについている鱒、上流の木の下で右に左に餌をとっている鱒を見つけキャッ
チ、ブラインドで出たやつには逃げられたが、カディスにいい反応があった。ちなみに木の下でフィー
ディングしていたブラウンはたくさんのウィローグラブとカディス、メイフライを捕食してた。
川の畔でベブお手製のサンドウィッチを食べていると、大きなブラウンがこっちにクルージングして
くるのを見つけた。じっとしていると目が合い、くるりと反転してあわてて戻っていった。動かなくて
も、人間だとわかるんだなあ。
遅いお昼の後、上流部へ移動した。
「ここはさっきの所に比べて魚は少ないが、大きいんだ。今は魚が見えないからブラインドでやってく
れ。」と言い残し、今日もバラシ街道をばく進してるという相方を釣れて上流へ行った。敗因は鱒がフ
ライを加えるのが待てないらしい。まあだれでも
でっかい鱒が口を開けて自分のフライを飲み込もうとしているところを見たら興奮して合わせてしまう
からね。口を閉じて下を向くまで我慢できるかどうか、だよ、なんて偉そうにアドバイスしたりする。
魚を見つけるか、ライズを見つけるNZスタイルで釣りをし始めている私は、ブラインドではなかな
かフライを投げなくなった。集中力を持続させる、というねらいもあるけど、日本人だってそんなガツ
ガツしていないんだぜ、ということを自分にアピールしていたから。魚を見い出す練習をして、ガイド
になれる修行をしないと、なんて魂胆もちらり。
「チュッ」大型のブラウンがライズをするときこんな音がする。鯉が餌をとるときとは少し違うが、
自然の中では独特な大人ので、ライズリングを見落としても、鱒がいることがわかる。
そのブラウン・キッス音がしたので目を移すと、大きな鱒が餌を探しながらクルージングしていた。
鱒の横30センチにフライを落とすと、そいつはすーっと寄ってきて、1秒ほど見つめてからパクリ。
「ん」の間を開けてセットフック。我ながら完璧だ、とほくそ笑んで突っ走るブラウンに合わせて手許
のラインを繰り出したらなんと手首に巻き付いてしまった。竿が大きく曲がった後、止めるまもなくあ
っさりとティペットを切られてしまった。突っ走る大物は5Xでは止まりません。リールは偉大ですね。
突然激しく雨が降り始め、クリスマスディナーがあるというので、本日の釣りは終了。ドライフライ、
できて良かったぁ。
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