第4日目
 今日のガイドはデイビット。「ヒロシは先に行け。後ろからついて行く。」と、何だか奇妙な感じ。

昨日ピーターに「明日はマボラレイクへ行くんだろ、」と言われたので、今日はいよいよ湖かぁ、と思っていました。けれども夜にデイビットから「ずっと同じ所もつまらないだろうから湖に行こうと思うんだがどうだ?」と選択の余地のある話があったので、「ずっと同じ川で構わない。何しろおもしろいから。」と答え、行き先は飽きもせずハミルトンバーン。初日午後に行った上流部に入ることになったのです。

スモールストリームなので慎重に魚を探しながら歩いていると、ライズを発見。あまり大きくなさそうだけれど、とりあえずなので狙うことにしました。
木の下で鱒の位置を確認して、キャストのポイントを検討していると、ライズは2匹の鱒がしていることが判明。どちらも45センチあるかないかくらいに見えます。
慎重にストーキングをし、大きい方の鱒を狙ってキャスト。思った位置にフライが入り、案の定鱒はゆっくりと近づき、フライをばっくりとくわえました。うひひ。
一呼吸置いてからのストライクでばっちりセットフック。・・と同時にものすごい勢いで上流のブッシュめがけて泳いでいきました。走られちゃったので、為す術なしです。
一気に20メートルのラインを引き出され、巻き付かれ、アウト。
「・・・・・?」
今のはどんな魚だったんでしょう。一発目から失敗とすると今日は・・・。

チュポッ

もう一匹のブラウンが、何事もなかったようにライズをしました。!!!!!
「ライズ、キターーーーッ!」という感じでしょうか。先ほどよりも岸際に移動してライズを繰り返します。慎重にストーキングして2投目、鱒の横30センチのレーンを流れるフライをくわえてくれました。 ん・セットフック。

先ほどの鱒ほど走りませんでしたが、なかなかのファイトを見せてよってきた魚は54センチ。そんなに大きくは見えなかったのですが、それではこれより大きく見えた先ほどの鱒は・・・。 逃がした魚はやっぱり大きいらしい。

「ストライクの瞬間が撮れたよ。フライフィッシャーマガジンものだ!」とデイビットが興奮していた。後ろからキャスティング、ドリフト、フッキング、ファイト、ランディングを眺めていて、一緒に釣っているような興奮だった、と嬉しそうに話してくれました。
クライアントを喜ばせるのがガイドのつとめですね。

クルージングしていた鱒を見失いスプークさせたり、昼食ポイントで巨大な鱒(推定65センチ!)の寝ていた鱒を釣り損なったりしたあと、本日のヤマ場を迎えました。(ちょっと数が少ないかな?)
バンクの上からデイビットが鱒を見て指示を出し、それを何となく相方が通訳し(直接聞いていてわかっていましたが。)それを狙って釣りをするという三位一体釣法を用いることになったのです。
「一番下の枝の奥にいる。」
「今出てきた。枝の外側50センチ」
「あ、ライズする。」
何て感じで。
 この三位一体釣法の成功でNZハミルトンバーンの釣りは終わりました。

(実はこのあともう少し上流でクルージング鱒すっぽ抜け×2をやっています。だって、こっちに向いて口を開けてきたから、待ちきれなかったんだもん。) 
註)釣り人の方に向かって口を開けてきた場合、いつものタイミングよりさらに一呼吸待たないとすっぽ抜けます。

おわり