導入編
3月1日金曜日夕方、ANA389便は無事大分空港に着陸しました。全国でも珍しい(のかな?)ホーバークラフトで大分市に上陸するのが一般的だそうです。旅なれた私は、当然ながら習わしに従いました。
スクールの打合せ会場に行く道々、宮崎さんに「悪い知らせが…」と切り出されて、今回の遠征物語がスタートしました。
今年の大野川は、昨シーズンまでとは、禁漁期中の放流状況が違うということと、玉来川上流部のダム建設に関する工事の影響という2つの問題があるそうです。つまり、解禁の状況が、従来と違って、全然魚っ気がないよ、ということでした。
本編
3月2日(土) 天気 曇のち雨のち曇
まあ取り合えず一つの目的である都町<みやこまち>探索(成果はフローティングピューパ2種)を終えて、明くる朝。大分市から1時間30分車で移動して竹田市の大野川に集合しました。ハッチはあるがライズ見えない川には投網の人の姿が…。たまらず、玉ライズ、ということで可能性のある玉来川に移動して実釣をはじめることにしました。
「九州の人達はみんないい人である。」
これが私の感想です。始終、ゲストでもないのに物好きにのこのこやってきた者にさえも、とても気遣いをしてくれました。
超一級ポイント(通称ババアポイントの下流)に入らせてくれて、
ライズを教えてくれる。
励ましてくれて、同情してくれる。
焼けた肉を譲ってくれて、うどんをおごってくれる。
うまい店に案内してくれて、「クラッシュ」までつきあってくれる。
暇つぶしにつきあってくれて、見送ってくれる。
数多くの恩を受けました。釣れようが釣れまいが関係無いほどの心の充足を受けたように思います。
ということがらを釣果の原因に結び付けようとしているわけではありません。
3月2日(土)の釣果 0匹
いいわけ:
雨が降って寒くて、単発ライズがたまにあるだけだった。
エノハが下手なので、フライを悔い損ねた。
ライズに向って下流にフィーディングしていくと、せこせこライン(1/2カット)はバッキングになってしまった。
フッキングさせた後、ラインを手繰る時に弛んで、ばれてしまった。
ライゼリングリフトを知らなかった。
その夜は第2の目的である「竹ホル」に行き、ロース肉を「鼻から肉」になるまで食べました。
3月3日(日)天気 晴
「ウジバラ」「バレニッキ」
今回の遠征直前に、エル・セリートから新しい竿が届きました。シーズンが始まるまでに、という気遣いを感じさせるマリオの憎い演出に違いありません。222V3、7フィート3インチの3番のロッドです。
「この竿で大野川のエノハ(ヤマメ)を釣ることが、この竿に魂が入ることになる…」という雰囲気がなんとなく(勝手に)できあがってしまっていました。
そこへもってきて、この厳しい状況の中のばらしの実績。横浜のT大先生からは「ウジバラ」であるとか、「バレニッキ」という命名をしていただきそうになりました。
10時30分、ライズがないのでババア上流の瀬を叩いていると、ガボッという音と共にフッキング成功。竿をひん曲げるなかなかの大物です。「これで魂が、」と思って、なおかつ釣っているんだぜ、ということを誇示しようと、上手にいた真子ちゃんに「マコチャ〜ン、」と声をかけました。見事に、真子ちゃんが見ている中、fishはgoneとなりました。
…やはりウジバラか…
お昼過ぎ、みなさんがタイイングデモを見学にいった時にもみなさんが気を遣ってくれて、釣りの時間をとってくれて、ポイントを変えたりしてみました。魚は何度か出ましたが、フライを食わえることはありませんでした。
もとのところに戻って一人で釣りをしていると、
やはり腕ですな。見事な大大大大泣き尺のエノハを引きづり出すことができました。
この魚を釣ったことには、お話があるのです。つまりお話つきエノハ、ということで、価値が高いのです。
この魚を釣る前に、フライが石に引っ掛かりました。この辺りの石には、丸藻がよくついているので、ラインがはさまって、ピックアップの時に引っ掛かることが多いのです。このときもそのように思い、ラインを強くピックアップすると、フライの先に何かついていました。藻がついたか、と思ってよく見ると、それはなんとヒラタのニンフでした。
生ニンフのついたまま流すと…
なんて思った人ははずれです。ニンフをフライから外して川面を見た時に、はたはたと、エルモン(多分)が飛んでいくのが見えました。「これは、お告げに違いない。」そう感じた誠実な私は、フライをエルモンに換えたところ、一流し目にガバッときた、というわけです。
バレニッキとはならず、見事ウジニッキには魂が入れられて、めでたしめでたしのエンディングを迎えることになりました。
本当はヒゲナガの時間までやったのですが、何も起こらなかったので、省略です。
終末編
大分市内にもどって、伊佐美、邪馬美人、関さば、とり天と九州の味を堪能し、最高な気分でシーズンオープニングの遠征を締めることができました。
この旅でお世話になりました、宮崎さん、真子ちゃんを始め、BIG ONEの関係者の皆様、本当にありがとうございました。このウェブ上をお借りして、厚く御礼申し上げます。
静岡にお越しの際は、お気軽に声をおかけください。
完