2002/09/15 富山県T川水系

けーじ@とやま

 今年は季節の移り変わりが早い、と感じる。解禁、ユキシロ、猛暑、秋の訪れ、あっという間だった。魚たちは、どのように季節を感じ、行動しているのか興味を持ったのもそんなシーズンだったからだろう。

 

あいかわらずバタバタする休日だが、ほんの少し気持ちにゆとりが出来たので思い切ってプチ遠征を試みた。遠征といってもイブニングの場所をもう1つ上の集落へ移動しただけなのだが…。と、いうことで4年前の春に良い岩魚が釣れた瀬の下のプールに立った。

ユキシロのあとは、一度も釣りをしていなかったが、なんとも貧相な流れ。日頃から秋は生きている流れを探さなければ良い魚は釣れない、と思っているだけに少々ハズシタ気がして少し気落ちした。

しかし、遠征した分、日暮れまで30分と時間が少なくなった。釣りはせいぜい1時間、場所を替える時間はもう無く、ハッチを確認し水に手をつける。水面に見られるハッチはコカゲロウにヒラタ、ガガンボ、ブラックカディスなど散発。案外、水が冷たいので測ってみると15℃、意外に水は動いているようだ。

 薄暗くなるにつれてハッチが増えてゆく。特にガガンボとヒラタが目立つ。春のイブニングより暗い谷の中、視認性重視の#14薄く巻いたパラシュートを結ぶ。

 明らかにウグイのライズの中に幾分激しいスプラッシュライズ。多分、ヤマメだ。なるべく流芯を流さないとウグイ釣りに来たことになってしまう。

 ダウンクロスで本命のライズに流し込む、出ない!メンディングしてさらにナチュラルに流す。出た!しかし軽い。ウグイ?でもローリングしている。ヤマメなら顔がみたいものだ。

 慎重にランディングしたが、ネットを濡らしただけ。がっかり。チェッと舌打ちしてフライを替える。

 #12ヒラタを意識したパラスピナーがまたまた餌食になりかなり不機嫌になる。

 もうハッチを確認できないくらい暗くなってきた。

 溜息まじりに川面を見ると反転流の中でギラりと光る魚体が見えた!!すごい、本物だ。先週、下の流れで見たヒゲナガ?にすべてを賭け、流れの脇から反転流に乗せ少しウェイキングしたら...、バシュ、バシュっと大きな水柱が立ちなにやら暴れている様子。でも、竿には何も感触がない。(何せフッキングしようか迷う時間があったと感じるほどだったのだ。)すうっとラインの先に重みが増す感覚が最初に来てすぐにドンと手元にきた。

 無意識に送り込み遅れてフックセット!!すぐ頭を振って下流に魚が下る。

 今日こそバレケットを払拭したい。人竿一体の共同作業で無事取り込んだ。

 30.5cm。マイレコードの綺麗なヤマメ。禁漁になった今も体の中に残る興奮。

 こんどは、明るい内に釣りたい!また1つ来年の夢が増えた。

modoruga!