8MHz 8素子 CW フィルター

はじめに(2003年10月8日)

   このページには、12MHz10素子SSBフィルター製作時と同様に、パソコンでシミュレーションして
   製作した、8MHz8素子CWフィルターについて記載します。

8MHz水晶10個(2003年10月8日)

   下の写真は水晶10個の発振周波数を調べている所です。

 水晶の後ろには、発振周波数を忘れずに
 記入しましょう。

   次に、発振周波数の低い方から、順番に並べてみます。
             7,998.985KHz       7,999.035KHz
             7,998.987KHz       7,999.054KHz
             7,999.003KHz       7,999.072KHz
             7,999.010KHz       7,999.100KHz
             7,999.032KHz       7,999.112KHz

   一番上と下で、127Hz差です。CWフィルターとして組む場合は
   偏差50Hz以内が望ましいのですが、今回は水晶が全部で10個しかありませんので
   チョット無理ですね。本当は水晶を100個位購入して選別したいのですが、予算がありません。HI。

   よって、7,999.003KHzから7,999.112KHzまでの8個で組んでみます。

   それでは、パソコンのシミュレーション前に水晶の各データを調べましょう。
   (方法は、12MHz10素子SSBフィルターのページをご覧下さい)
   測定結果は、
             Cm=16.3fF
             Lm=0.0243H
             Cp=5pF
             Q=148000

   となりました。尚、−3dB帯域幅は600Hz、入出力インピーダンスは470Ωでシミュレートします。    

シミュレート結果(2003年10月19日)

   下にシミュレートした回路定数を記載します。水晶は一番発振周波数の高い物を中心にして
   その両側に発振周波数の低い物を対照的に並べます。コンデンサーはセラコンを使用しましょう。
   値が半端ですから、2,3個のセラコンを組み合わせて回路定数に合わせます。

 左は完成したフィルターです。
 
 入出力には測定用にBNCコネクタと
 インピーダンスマッチング用に
 430Ωの抵抗が取り付けて
 あります。

 パソコンでのシミュレーション画面です。
 縦軸1目盛:10dB、横軸1目盛:500Hz

 パソコンでのシミュレーション画面です。

 縦軸1目盛:1dBで−10dBまで表示しています。
 横軸1目盛:50Hzです。

 画面から、挿入損失5.6dB
 −3dB帯域幅480Hz
 と読めますね。

 左はスペアナで見た特性。
 
 縦軸1目盛:10dB
 横軸1目盛:1KHz

 横軸1目盛:500Hz

 −6dB帯域幅は707Hzです。

 −60dB帯域幅は1.414KHz。
 
 これより、シェープ・ファクター
 (−60dB/−6dB)は
 2.0となります。

 最後に帯域内リップルを見るため
 横軸1目盛:200Hzにしました。

 極端なリップルは無くて
 キレイですね。

 右肩が少しなで肩ですが
 あまり気にしないように
 しましょう。HI。

 −3dB帯域幅は578Hzです。

ネットアナでの測定結果(2003年10月27日)

   ローカルのOMさんにフィルターの特性をアドバンテストのネットアナで測定していただきました。
   最新の校正された機器ですから、正確な測定結果です。

   画面の緑色は、入出力インピーダンスが300Ωの場合、黄色は470Ωの場合です。
   表示から
   中心周波数:7,997.04KHz
   挿入損失:6dB
   −3dB帯域幅:579Hz
   である事が読み取れますね。

   私のスペアナ(最近チョット調子が悪いので不安)の測定結果とほぼ同じなので、ホットしました。   

   横軸1目盛:1KHzでの測定結果です。
   帯域外は85dB以上減衰していますので、VY FBですね。
   それにしても、キレイだなーー。自画自賛。HI,HI。

おわりに(2003年10月30日)

   パソコンのシミュレーションのおかげで、希望通りのCWフィルターを製作できました。
   1個100円の水晶8個で、このように特性の良いフィルターが自作出来るのですから
   嬉しくなりますね。皆様もぜひ一度、お試しください。