フロント・エンドとは受信部の頭の部分、RF AMPとミキサーの部分の事です。最初はFETを使い
RF AMPを組込んでワッチしてみたのですが、14MHzはハイパワーの局が多くて混変しやすいようです。
そこで、思い切ってRF AMPはやめて、ミキサー(DBM IC,NE602)をトップに使うことにしました。
下はその回路図です。

SSBジェネレーターにフロントエンドの試作機をつなぎ、ここ10日間程ワッチしてみました。昼間は
国内QSOを快適に受信できるのですが、夜になるとノイズレベル(?)が上がるのか、ザワザワした
感じになります。最初は気にとめないでいたのですが、すこし注意して聞いてみると、ラジオ放送の
ように聞こえます。えーーー、まさか?ひょっとして?モニター用のトランシーバーのダイアルを12MHzに
合わせてビックリ仰天。な、なんと S9+60dBのAM放送が聞こえるではありませんか。
夜、バンド全体がザワザワしていたのは、放送波の通り抜けが原因と分かりました。一般的には
IF周波数を決める時は、強力な短波放送などが無い周波数を選ぶそうです。今回、まったく確認
しないまま12MHzを選んでしまったのは、私のミスですね。
本当はIF周波数を変更するのがベストなのですが、そうなると、SSBフィルターから作り直さなければ
ならないので、これは断念。そこで対策として、受信部の頭に放送波を取り除くトラップを取り付けること
にしました。下はその回路図です。

昨日、12MHz用のトラップを取付け、ワッチしてみて、その効果に大喜びです。これで一安心と思ったら
14.145MHzで北京放送(日本語)が聞こえてきました。さっそく、北京放送のホームページを捜しだし
番組表をみてみると、ありました。9.855MHzで18時30分から0時26分まで、毎日、放送しています。
9.855MHz + 2.145MHz(VFO) = 12MHz
14.145MHz − 2.145MHz(VFO) = 12MHz
ですから、あの強力な電波が聞こえてしまうようです。対策として、さらにトラップを追加する事にしました。

上は最終回路図(の予定)。下はスペアナで見た周波数特性です。

画面中央が14MHz、一目盛2MHzです。二つある谷の内、左は9.85MHz、右は12MHz用の
トラップによる減衰です。それぞれ、20dB以上減衰していますので、効果が期待できますね。
短波放送トラップのおかげで、夜間もかなりクリアーになりました。が、いまいちザワザワ感が残ります。
そこで、バンドパスフィルター(以下BPFと略す)を変更してみる事にしました。インターネットの検索
サイトでBPFをキーワードにして、あれこれ探すことしばし。JA1DWM 進藤OMのホームページに
たどり着きました。BPFのページには、JA1WEK 出雲OM作成のBPF設計支援ソフトによる
BPFの特性が掲載されていて、とてもFBです。さっそく、ソフトをダウンロードして試作してみました。
下の写真はその特性です。目盛は上の写真と同じで、中央が14MHz、一目盛2MHzです。
比べてみると、その違いが良くわかりますね。


上の回路図中、破線で囲ってあるのが、14MHz用のBPFです。BPFの入出力インピーダンスは50Ωです。
MIX用のIC, NE602の入力インピーダンスは1.5KΩなので、マッチングのためRFC 3.3μHと
コンデンサー 39pFを入れてあります。下に、テストポイント(TP)にFETプローブをつなぎ、スペアナで見た
特性を掲載します。

本当にFBなBPFですね。JA1DWM 進藤OMのホームページアドレスはリンク集に掲載しましたので
皆様もぜひ一度、お試しください。
JA1DWM 進藤OMから、e−mailでアドバイスをいただきました。内容は、
「シリアルアームの12pFと13pFをフィリップスの小型トリマーコンデンサーにすると
微調整が出来るのでFBですよ。」
との事です。ありがとうございます。さっそく、通販でフィリップス・トリマーの22pF(緑色)を購入して
生基板上に製作してみました。下はジャンクのシールドケースに入れた写真です。

基板の小片(ランド)を接着剤で生基板上に貼り付けて、組み立てています。MIX用のIC NE602は
さかさまに貼り付けてあります(中央右の黒い部品)。それでは、中心周波数14.1MHzで
トリマーコンデンサー調整後のテストポイントの周波数特性を見てみましょう。

本当にFBですね。12MHzでは−64dBです。最後に帯域幅を見てみましょう。

一目盛500KHzです。−3dB帯域幅は735KHzになりました。下記は最終回路図です。

いろいろと試行錯誤しましたが、進藤OMのアドバイスにより、大変FBなフロント・エンドに
なりました。素人考えですが、能動素子の手前で帯域外の強力な電波を阻止する事は
静かな(S/N比の良い)受信部を製作するためのキーポイントだと思います。