プリ・ミックスVFOのページ

プリ・ミックスVFOの混合部(2005年2月21日)

プリ・ミックスVFOの混合部について製作を始めます。まず最初に回路図と定数一覧表を考えてみました。
回路定数については、実際に製作及び調整してみて変更するかも知れません。

混合部のプリント基板パターン(2005年2月24日)

 方眼紙に書いたプリント・パターンです。

 上から10m〜160mです。

 30m帯はVFOの出力(2.1MHz〜2.2MHz)を
 そのまま使用するので、混合部はスルーします。 
 そのため、30m用のRFCには1mHを使います。

アルト電子のクリスタル(2005年3月4日)

 1月下旬にアルト電子さんにお願いした
 クリスタル8個が今日届きました。

 水晶発振子の製作過程を解説した
 資料なども同封されていてFBです。

混合部プリント基板完成(2005年3月5日)

 プリ・ミックスVFO混合部のプリント基板が
 1週間かかり、ようやく完成しました。

 基板の大きさは、100mm x 150mmです。

混合部製作開始(2005年3月7日)

 混合部の製作を始めました。

 最初に30m用のスルー回路(基板中央下)を作り
 スイッチング・ダイオード1SS53に流す電流値の確認です。
 計ってみると2.7kΩで3mA弱でした。
 このままでも良いのですが、2.2kΩに変更して3.2mAとしました。
 
 次に10m用の回路(一番上)を作り、不具合がないか確認したところで
 時間切れでした。今日はこれで終わりです。hi

 まだVFOを製作していないので、SGから2.1MHzを
 入力して10m用の出力(20MHz)を見てみました。
 
 中心周波数:20MHz
 スパン:2MHz

混合部製作終了(2005年3月9日)

 今日は休みが取れたので、混合部を一気に製作
 してしまいました。

 調整時に違うバンドのトリマーコンデンサーや
 コイルなどをうっかり回さないように
 バンド表示のテプラを張りましたが
 テープの色が白というのはイマイチですね。hi hi

 基板の表は比較的きれいですが
 裏側には、穴の開け忘れやパターンの都合などにより
 9個のパスコンがハンダ付けされています。hi

 ジャンパー線も間違い防止のため、バンド別に色分けしました。
 抵抗などのカラーコードと同じにしようと思ったのですが
 灰色(8)が入手出来ず、黒色に変更しました。
 

VFO部の回路図(2005年3月16日)

今日はVFO部の回路図を書いてみました。回路自体は以前製作した14MHz用SSBトランシーバーと同じで
デュアル・アナログVFOです。今回はVFOの切替にスイッチング・ダイオードを採用してみました。
回路定数については、製作後、混合部と組み合わせた総合調整で変更するかもしれません。

VFO部のプリント基板パターン(2005年4月4日)

 基板パターンを方眼紙に書きました。
 VFO(A)とVFO(B)の二つ分です。

 それぞれの基板の大きさは
 50mmx70mmです。

 基板の配置の都合で、「VFO out」の端子は
 VFO(B)に設けました。

VFO部のプリント基板製作(2005年4月18日)

 ようやくVFO基板2枚製作しました。

 上がVFO(A)用で、下がVFO(B)用です。
 フラックスを塗って直ぐに撮影したため
 テカテカしています。

 ちょっと厚く塗りすぎですね。hi hi

デュアル・アナログVFOの製作(2005年5月5日)

 今日は連休最後の日。朝早くからハンダ付け開始です。
 
 さっそく、VFO基板2枚製作しました。
 上はメインVFO(A)用、下はサブVFO(B)用です。
 
 写真は周波数の可変範囲の調整中の所なのですが
 ウッカリしてコイルの巻き数を間違えてしまいました。

 本来、巻き直すべきなのですが、横着をして
 可変範囲の下限を希望周波数まで下げるため
 12pFのスチコンを基板のウラに追加しました。

 また今回コイルのボイルにより周波数安定度が
 本当に向上するかどうかテストする事にしました。

 メインVFOには巻線後ボイルしたコイル(赤ドット付)を
 サブVFOには巻線後何もしないコイルを使用して
 データを取ってみます。

 結果がどうなるか楽しみです。

デュアル・アナログVFOの周波数安定度(2005年5月13日)

2つのVFOについて、周波数安定度を調べてみました。

VFO(A)には、巻線後、5分間ボイルしたコイル
VFO(B)には、巻線後、何もしないコイルを使用しています。

VFO(A)はコールド・スタート後25分で、プラス2Hz
VFO(B)はコールド・スタート後25分で、プラス11Hzの変化でした。

以上の結果だけを見ると、巻線後ボイルする方が良いように思われますが
実は、下のデータはVFO製作後、3回目の測定データでして
1回目と2回目は、ボイルしていないコイルを使用したVFO(B)の方が安定でした。

これは、どう理解すればよいのでしょうか? ウーム、難しい。
ボイルすれば劇的に安定度が増すという訳でもなさそうですね。

もう少し長い期間(半年or1年)かけて、比較した方がよさそうです。
と、いうことでVFOのコイルについては、このままの状態で
製作を進める事にしました。

グラフの縦軸、発振周波数の表示は下3ケタのみの表示です。

VFO(A)のスタート時の発振周波数は、2,096,594Hzで25分後は、2,096,596Hz
VFO(B)のスタート時の発振周波数は、2,095,924Hzで25分後は、2,095,935Hzでした。

最近、根気が無くなって来て、周波数カウンターを注視するのは30分が限界になりました。hi hi hi

VFO切替用ダイオード・スイッチのアイソレーション(2005年7月4日)

2つのVFOの切替にダイオード・スイッチを採用したのですが、アイソレーションが約28dBと悪く
悩んでしまいました。そこで困った時のインターネット頼み、hi。あれこれ、検索して
JA3XGS 広畑さんのホームページにたどり着きました。回路設計について、FBな情報が満載です。
ぜひ一度、ご覧になってみて下さい。

さて今回、私のVFO回路で一番問題なのは、回路のインピーダンスが高い事であることが分りました。
実は、後に続くミキサー用IC(SA612)の入力インピーダンスが1.5KΩのため、VFOの出力インピーダンスも
それに合わせてあるのです。XGSさんのホームページを拝見して、回路のインピーダンスを下げ、さらに
ダイオードを2個、直列接続して、その中点からコンデンサーでアースに落とす方法を試してみる事にしました。


 これはVFOの出力Z=1.5KΩの時です。

 ダイオードが1個の時のアイソレーションが約28dBと
 悪かった為、2個直列接続して接続点から
 390pFのコンデンサーでアースに落としています。

 VFO(A)出力 −23.1dBm
 VFO(B)出力 −74.9dBm(下の写真です)

 アイソレーションは約52dBですね。

 Z=1.5KΩ

 VFO(B) −74.9dBm


 VFOの出力Z=50Ωにしてみました。

 最初にダイオード1個の場合のアイソレーションを
 調べてみましょう。

 VFO(A)出力 −24.4dBm
 VFO(B)出力 −72.4dBm(下の写真です)

 アイソレーションは約48dBですね。

 回路のインピーダンスを下げたことにより
 アイソレーションは20dB良くなりました。

 Z=50Ω ダイオード1個の場合

 VFO(B) −72.4dBm


 VFOの出力Z=50Ω

 ダイオードを2個直列接続して、その接続点から
 100pFのコンデンサーでアースに落としました。

 VFO(A)出力 −24.8dBm
 VFO(B)出力 −80.5dBm(下の写真です)

 アイソレーションは約56dBですね。
 ダイオードを2個にして、コンデンサーでアースに
 落としたことにより、8dB良くなりました。

 目標の60dBまで後少しです。

 Z=50Ω ダイオード2個、100pFの場合

 VFO(B) −80.5dBm


 VFOの出力Z=50Ω

 コンデンサーを100pFから390pFに
 変更してみました。

 VFO(A)出力 −25.0dBm
 VFO(B)出力 −89.2dBm(下の写真です)

 アイソレーションは約64dBになりました。
 ようやく目標達成です。hi

 Z=50Ω ダイオード2個、390pFの場合
 
 VFO(B) −89.2dBm

VFO部の回路図(v1.2)です(2005年7月10日)

ようやくVFO部が完成しました。一応アイソレーションは目標の60dBになりましたが
なんとなく気になるので、切替スイッチでVFO(A)とVFO(B)の電源も切り替えることにしました。
省エネになりますし、普段の運用ではシングルVFOで十分ですね。
スプリットで運用するのは、DXの珍しい局を呼ぶ時くらいですから、滅多に有りません。hi hi
それでは下に回路図を掲載します。

VFO+混合部の総合テスト(2005年7月25日)

VFOと最初に製作した混合部をつなぎ、出力をスペアナで見てみると、スプリアスが多いことに気がつきました。
それが面白いことに、バンドによって、かなり違いがあります。160m、80m、17m用の出力では
スプリアスが少ないのです。悪いのは20m、10m用の出力で、VFOの発振周波数である2MHz分離れたところに
−30dB程のスプリアスがきれいに並んでいます。

原因はなんでしょうか? ・・・・・ 混合部の回路図を眺めていて思い出しました。
ミキサー後のBPF部のC3、C6の容量は、テキトウな値にしてあったのでした。
あらためてトロイダルコア活用百科を参考に計算してみると、BPFの帯域幅を狭くするためには
もっとC3、C6の容量を少なくする必要があるようです。

それでは、セラコンを交換してみようとパーツ・ボックスを見てみると、小容量の手持ちがほとんど有りません。
とりあえず、40mと20mについてC3,C6を変更して周波数特性を見てみることにしました。


 40m PMO (No.1)
 
 C3=5pF
 C6=5pF
 

 40m PMO (No.2)
 
 C3=1pF
 C6=1pF

 C3,C6を5pFから1pFに変更したことにより
 上のNo.1と比べて大幅にスプリアスが減少
 したのが良く分りますね。


 20m PMO (No.1)

 C3=10pF
 C6=1pF
 
 スプリアスは−34dB位でしょうか。
 あまり良くありませんね。

 20m PMO (No.2)

 C3=1pF
 C6=1pF

 スプリアスは−44dBくらいでしょうか。
 少し良くなりましたね。
 

 20m PMO (No.3)

 C3=1pF
 C6=0.5pF

 スプリアスは−46dB位でしょうか。
 もう少し改善したいのですが
 小容量のセラコンの手持ちが無くなったため
 今日はここで、終了です。

 明日、通信販売でセラコンを購入しなくっちゃ。
  

総合テスト(No.2)(2005年8月23日)

0.5pFなどの小容量セラコンを池田電子から通販で購入しました。少額の場合、切手での支払いが
出来るので大変助かります。

それでは、各バンド事に、定数変更前後のスプリアス特性を掲載します。
各バンド共、スプリアスは50dB以上減衰しましたので、目標達成です。


160m

 160m PMO (No.1)

 C1=150pF
 C2=150pF
 C3=3pF
 C6=1pF

 160m PMO (No.2)

 C1=250pF
 C2=250pF
 C3=0.5pF
 C6=1pF


80m

 80m PMO (No.1)

 C1=150pF
 C2=150pF
 C3=5pF
 C6=2pF

 80m PMO (No.2)

 C1=250pF
 C2=250pF
 C3=1pF
 C6=1pF


40m

 40m PMO (No.2)


20m

 20m PMO (No.4)

 C3=0.5pF
 C6=0.25pF


17m

 17m PMO (No.1)

 C1=150pF
 C2=150pF
 C3=3pF
 C6=1pF

 17m PMO (No.2)

 C1=250pF
 C2=250pF
 C3=1pF
 C6=1pF


15m

 15m PMO (No.1)

 C3=10pF
 C6=5pF

 15m PMO (No.2)

 C3=1pF
 C6=1pF


12m

 12m PMO (No.1)

 C3=10pF
 C6=2pF

 12m PMO (No.2)

 C3=1pF
 C6=1pF


10m

 10m PMO (No.1)

 C3=10pF
 C6=2pF

 10m PMO (No.2)

 C3=0.5pF
 C6=0.5pF

総合テスト(No.3)(2005年9月4日)

総合調整してみて、30m用のPMO出力が他バンドに比べて、極端に少ないことに気が付きました。
考えてみれば、30m用は、VFO出力をそのまま使用していますので、当然のことなのです。HI

他バンドと同じ出力レベルにするには、25dB程増幅すれば良いので、FET1個の簡単なアンプを
組み込むことにしました。それでは下記に混合部の最終回路図を掲載します。

尚、このページの最初に掲載した回路図の定数から、かなり変更してあります。

 混合部の写真。

 基板の切れ端にバラック作りでアンプを組み
 30m用のスペースへ縦に押し込みました。


←ここです。

 総合調整中です。

 PMO出力は全バンドで
 −13dBmから−10dBmと
 なりました。

おわりに(2005年9月4日)

7ヶ月程かかりましたが、「Sakura」の心臓部であるプリ・ミックスVFO部が完成しました。
次はいよいよ、メイン受信部です。