受信部の製作を始めましょう。最初に生基板上にバラック作りして、不具合点を見つけます。
下に試作回路を掲載しますが、定数変更はもちろん、回路変更も多々出てくると思います。hi
IFアンプを1段組んで様子を見ている所です。
ところが、どういう訳かあまり利得がとれません。
この後、IFアンプを3段にしてみたのですが
利得が60dBも取れません。ウーーン、何か変???
それではと、4段目も組んでみると、変化あり。
4段目は利得が高いのです。
そこで各段のレベルを細かくチェックして犯人を見つけました。
原因はFCZモドキのIFTコイルです。
数年前に秋葉原で購入したのですが、店の親父さんに
「これFCZコイルと同じ?」と聞くと
曖昧な表情で首を少し傾けたのを思い出しました。
コイルにはバンド表示はありますが、[FCZ]の表示が
ありません。購入する時は気をつけましょう。
同調容量は同じですが、損失が大きいようです。
写真の左3個がモドキ・コイル、一番右が本物の
FCZコイルです。今回、4段目に本物を使用したため
わりと早く原因を特定できて、助かりました。hi
IFアンプの試作に、怪しげなIFTコイルを使ったため、少し時間をムダにしてしまいました。hi
さて、あれこれ考えて、IF段は3段にすることにしました。前回製作したSSBトランシーバーでは
ノイズの多さに悩んで2段にしましたが、(当然のことなのですが)AGCの制御が60dB程しか出来ません。
今回はCWトランシーバーですから、フィルターの帯域幅が狭いので、その分ノイズが減り、挿入損失が
増えますね。IFアンプ3段でもあまりノイズは気にならないのではと考えました。
それにAGCも90dB位の制御ができるかもしれませんね。
まーー、あまり考えすぎると、ますます、髪が薄くなりそうなのでやめました。hi
下に書き直した回路図を掲載します。今年中に、受信部が完成できればと思っていますが???
ようやく、プリント・パターンを書きました。
基板の大きさは、100x120mmです。
完成してから、改めて全体を眺めてみると
上部に比べて下部がかなり混みあっていますね。
「バランス悪いなーーー」と独り言。
正月のお酒がまだ残っているのかも。hi hi
今日は午後から基板作りです。
エッチングも上手くできて、快調と思ったら
穴あけ中に油断して、超鋼ドリルを2本も
折ってしまいました。hi
超鋼ドリルは本当に、横からの力に弱いですね。
皆さんもお気をつけください。
写真はフラックスを塗って直ぐに写したので
テカテカしています。
受信部の組立が終わりました。
左側の茶色(ベーク基板)の所が
8MHz8素子のCW用
ラダー・フィルタです。
IFTには手持ちパーツの
FCZ10S7を使いました。
受信部にVFO等を接続して、総合調整を始めました。
写真の左側がフロント・エンドBPF。中央上が受信部。中央下と右の基板がプリミックスVFOです。
まず電源を入れて、7MHzのアンテナをつないでみると・・・・オ、聞こえる、聞こえる。
和文モールスが聞こえてきました。音が出たので、一安心です。
次にSGから各バンドの信号を入力して、受信できるかどうかの確認です。・・・これもOK。
それでは、サイド・トーンはどうかな?と、KEY端子をアースに落としても音が出ません。???
おかしいなーーー。試作した時は上手く動作したのに。
後日、あらためて検討する事にして、今日はもう、寝ることにしました。
今日はAGC回路の調整です。昨年製作した、JA9TTT/1 加藤さんのWebで紹介されていたAGC調整用の
バースト・シグナル・アダプターを使用しました。
バースト・シグナル・アダプターの内部。
DBMには手持ち部品のTDK製CB303M4
水晶モジュールには60MHzの物を使用しました。
最初に、AGC回路に100μFを使用した場合
ピンボケでごめんなさい。
SGから56dBμの信号を入力しています。
上はAGCアンプのゲート入力波形
下はアダプターからの同期信号です。
横軸一目盛200msecです。
信号が入力してからAGC回路が動作して
IF出力が一定になるまで200msec以上かかっている
のが分かりますね。
これでは良くありません。
次に、100μFから22μFに変更した場合
SGからの入力レベルは上と同じです。
22μFに変更したので、出力が一定になるまでの時間が
短縮され、約100msecになりました。
もう少し良くしたいですね。
最後に、22μFから0.47μFに変更した場合
SGからの入力レベルは上と同じです。
0.47μFに変更して良くなりました。
信号が入力してすぐの所に、ヒゲのようなパルスが
見えますね。
そこで横軸一目盛5msecにして、観測して
みましょう。下にその写真を掲載します。
画面を眺めると、同期信号が出て信号が入力してから
IF出力が出るまで2msec掛かっているのが分かります。
その後、約2msec幅のパルスが出ますが
受信していてクリックのような音は
聞こえないので問題ないと思います。
AGC特性を調べて表にしてみました。最初にSG出力とIFアンプのFET、3SK131のG2電圧の関係です。
SG出力30dBμV位からAGC回路が動作し始めて、G2電圧が減り始めます。そして、35dBμVから
115dBμVまで、ほぼ直線的にG2電圧が減少していきます。これにより、IFアンプの利得は、ほぼ直線的に
減少します。AGCレンジは約80dB取れました。
次に、SG出力と検波出力(AFボリュームの入力)との関係です。
信号レベルS9以上では検波出力は、ほぼ一定になっています。
サイド・トーン回路の不具合は、KEY端子への接続部の間違いが原因でした。アブナイ、アブナイ。
さっそく、回路を少し変更してOKとなりました。それから、トーンの音量が小さいので
サイド・トーンの出力をAFアンプIC LM386の入力部に接続することにしました。
これにより、送信時にLM386をミュートする回路を省略することが出来ました。
IFアンプ部が少し発振気味なので、IFTにQダンプ用の抵抗(5.1k)を追加しました。
さらに念のため、AGCラインの配線にフェライト・ビーズ(FB101)を追加しました。
これで、ようやく受信部の完成です。下に回路図(たぶん最終hi)を掲載しますが、実際に運用してみて
定数の変更等があると思います。
プリント・パターンには注意したつもりでしたが、IFアンプが発振気味なのには参りました。hi hi
電源ラインとAGCラインのデカップリング強化、そしてIFTのQダンプで逃げましたが、なかなか難しいですね。
さて受信部の調整ポイントは、DBM用のIC SA612のTP1とTP3です。
オシロを接続して、入力レベルが300mVp−p以下になるように、SA612の6ピンにつながる4pFを
増減して調整します。
TP2はAGC電圧の確認用です。無信号時に3.0Vになるように、AGCアンプ部の半固定抵抗10kΩを
調整します。さらに、IFアンプのFET 3SK131のG1電圧が、1.8Vであることも確認してみましょう。
もし、違っていたらG1につながる30kΩを増減してみてください。