「朝〜朝だよ〜」
祐一「………」
「朝ご飯食べて学校行くよ〜」
祐一(今日は日曜だろ…学校なんかないって)
「朝〜朝だよ〜」
祐一「………」
「朝ご飯食べて…」
プチッ
祐一「……ったくなんでせっかくの日曜日なのにこんな早起きしなきゃなんねーんだ」
祐一「おはようございます…」
秋子「あら、祐一さん。おはようございます。今日は早いですね」
あゆ「うぐぅ〜…秋子さーん。これどうやってやるの?」
秋子「はいはい」
祐一「なんだ?」
あゆ「あ、祐一君。おはよう!」
祐一「何をしている?」
あゆ「何って、朝ご飯作ってるんだよ」
祐一「ほう…で、その朝飯ってなんだ?」
あゆ「もちろん、鯛焼きっ!」
祐一「おやすみ」
あゆ「うぐぅ〜…祐一君のイジワル」
祐一「なんでこんな朝っぱらから鯛焼き食わなきゃならねえんだ」
あゆ「だって、どうしても食べたかったから」
祐一「そもそもお前、鯛焼きなんか作れるのか?」
あゆ「大丈夫だよっ。秋子さんに教わりながら作るから」
祐一「お前、この前もそんな事言って、クッキーが碁石になってたよな」
あゆ「うぐぅ〜…あれはたまたまだよ」
祐一「たまたまが3度も続けばそれは立派な必然だ」
あゆ「…祐一君、ボクのこと嫌いなんだよね」
祐一「そんなことないぞ?俺はあゆの料理が嫌いなだけだ」
あゆ「うぐぅ〜…そんなにはっきり言わなくても」
秋子「まあまあ、祐一さん、今日のところは食べてあげてください」
祐一「秋子さんまで…わかりました」
あゆ「うん。ボクがんばって作るよ」
祐一「あゆ…なんだこれは?」
あゆ「…鯛焼き」
祐一「俺には炭の塊にしか見えないが?」
あゆ「うぐぅ〜…鯛焼きだもん。ちょっと黒くなっただけだもん」
祐一「ちょっとじゃないだろ。相当だろ」
名雪「おはようございまふ〜…」
秋子「あら、名雪。おはよう」
名雪「わっ。祐一…バーベキューなら外でやらないと」
祐一「見ろ、あの寝起きの悪い名雪でさえ瞬時にこれを炭と認識したぞ」
あゆ「うぐぅ〜…名雪さんまで」
名雪「違うの?」
祐一「名雪、見た目で判断してはダメだ。見かけはこんなのでも実は美味しいんだ」
あゆ「こんなのは余計だよっ」
祐一「と、言うわけで食べてみろ」
名雪「うん。食べてみる」
ガキッ
あゆ「ど、どうかな?」
祐一「だから今の音を聞いて真っ先に味を聞くな」
名雪「固い…」
祐一「ほらみろ。やっぱりそうじゃないか」
名雪「祐一…もしかして私で試した?」
祐一「さて、もう一眠りするか」
名雪「祐一…誤魔化してる?」
あゆ「うぐぅ〜…今度はちゃんと作るよ」
祐一「言っておくが次からは自分で食べろよ」
あゆ「うぐぅ〜…祐一君のイジワル…」
名雪「祐一〜…誤魔化してるでしょ」
祐一「なんだ、あゆ。まだやってるのか?」
あゆ「だってどうしても鯛焼き食べたいんだもん」
祐一「秋子さんと名雪はどうした?」
あゆ「お夕飯の買い物」
祐一「そうか。それにしてもいつになく真剣だな」
あゆ「ボクはいつだって真剣だよっ」
祐一「はっきり言って似合わないぞ」
あゆ「うぐぅ…祐一君に言われたくないよ」
祐一「…あゆ、そんなに急ぐ必要は無いんじゃないか?」
あゆ「え?」
祐一「その、何だ。時間はたくさんあるんだし。ゆっくりゆっくり覚えていけばいいんじゃないか?」
あゆ「そうだね…もうボクはボクなんだよね。一人ぼっちじゃないんだよね」
祐一「ああ、そうだ。名雪や秋子さんだっている」
あゆ「祐一君もね」
祐一「俺は何も教えてやれないけどな」
あゆ「そんな事ないよ、祐一君と一緒にいられるだけでボクは幸せだもん」
祐一「おいっ!あゆ。焦げてるぞ!」
あゆ「え?あっ!うぐぅ〜…また焦げてる〜…」
祐一「進歩のない奴…でも、お前らしいよ…」
☆後書き☆
さて、2作目はあゆを軸に書いてみました。ちなみに設定はあゆED後という設定で書いてます。
あゆが夢にまで見た日常。それが今現実となってこうして流れていきます。
時間なんてたくさんあるんだし、いつの日かきっと祐一を納得させる料理が作れることでしょう
そう、二人の時間はたくさんあるのだから…