アメリカ文学のページ

 


O・ヘンリー短編集 (一) O・ヘンリ 大久保 康雄訳

1969年3月5日発行 1974年11月30日10刷発行 新潮文庫

言わずと知れた英語の教科書にも取り上げられることの多い、アメリカの古典的な短編作家の

作品集。全3巻で、第2巻には「20年後」が、そして第3巻には「最後の一葉」が収められている。

若い頃は、あまり熱心には読まなかったが、今読み返すと、彼独特のユーモアとペーソス、

そしてヒューマニズムにあふれていることに、新鮮な感動を覚える。

電子出版のパピレスで、簡単に手にすることができるので、お試しあれ。

電子出版パピレスへはここをクリック

 

 


老人と海 ヘミングウェイ 福田 恆存訳

1966年6月15日発行 1973年2月20日21刷発行 新潮文庫

インディアン部落・不敗の男 他11編 谷口 陸男訳

1972年11月16日第1刷発行 岩波文庫

ヘミングウェイの「老人と海」にえらく感動して、大学1年の夏休みには、毎日、手こぎボートで

釣りに繰り出していたことを懐かしく思い出す。もちろん格闘するほどの大物の魚には出くわしは

しなかったが.....

 

 

 


怒りのぶどう 上下 ジョン・スタインベック 石 一郎訳

1968年5月30日初版発行 1973年3月30日 改版6版発行 角川文庫

二十日鼠と人間 大門 一男訳

1953年10月10日発行 1973年9月30日32刷発行 新潮文庫

大恐慌時代のアメリカの農民が、資本主義の論理に飲み込まれていくありさまを描いた

社会的な抗議の内容は、人々の感動を呼び、1940年ピュリッツァー賞を受賞している。

無垢なアメリカを描いた短編集にも、光るものが多々ある。

 

 

 


さよなら コロンバス フィリップ・ロス 佐伯 彰一訳

1969年8月30日初版 1974年10月30日7版発行 集英社

ニューヨークの高級住宅街に住む女子大生と下町に下宿する貧しい青年の恋物語。

おそらく彼の自画像が、作品の中にくっきりと残されていて、当時の自分の環境と

オーバーラップして、切なさがこみ上げてきたのだろう。

 

なぜか、文庫本も整理したら出てきたりした。

 

 

 


ポートノイの不満 フィリップ・ロス 宮本 陽吉訳

1971年7月30日印刷 1971年8月20日発行 集英社

ユダヤ系作家であるロスは、この作品でポートノイと呼ばれるどこにでもいるユダヤ系アメリカ人の家庭を

内面から描くことに見事に成功している。

アメリカ文学は、彼をはじめとした多数の優秀なユダヤ系作家によって、日本の私小説の様に

心の内面の問題を描くことを始めた。

 

 

 

 


乳房になった男 フィリップ・ロス 大津 栄一郎訳

1974年2月28日初版 1976年2月25日 2版 集英社

ある日、目がさめると、自分が巨大な芋虫に変身していることに気がついたのは、

有名なカフカの「変身」であるが、こちらは、突然、巨大な乳房になってしまった男が

陥る混迷の世界を描いている。

フィリップ・ロスの作品には、以前から性的に固執する部分が、随所で描かれていたので

あながち、奇想天外というわけでもないのだが、願望のなせる技というには、あまりに

大胆な、お話である。

 

 


欲望という名の電車 T・ウィリアムズ 田島 博・山下 修譯訳

1956年8月30日発行 1973年6月25日24刷発行 新潮文庫

1947年に発表されたこの芝居は、アメリカ人作家による最高傑作とまで賞賛され、

1952年の映画化でも、大成功を収め、ピュリッツァー演劇部門を獲得した。

他に「熱いトタン屋根の上の猫」舞台1955年・映画1958年・「ガラスの動物園」舞台1944年・映画1950年も

含めて彼の3大傑作と言われ、日本でも舞台化として、取り上げられることの多い作品である。

 

 

 

 


宙ぶらりんの男 ソール・ベロー 太田 稔訳

1971年10月30日発行 1973年5月10日 3刷発行 新潮文庫

フィリップ・ロスと同じく戦後アメリカの代表的なユダヤ系作家の代表作。

シカゴ育ちの27才の青年が、アメリカ陸軍の徴募に応じるが、カナダ国籍であるために

手続きがおくれて、下宿で入隊通知書の到着を7ヶ月もの間待ちつづけることになる。

勤務先は退職してしまっているし、再就職するわけにもいかず、文字通り「宙ぶらりんの生活」を

送ることになってしまう。

他に

この日をつかめ 大浦 暁生訳 1971年3月30日発行 1974年4月15日6刷 新潮文庫等がある。

 


ライ麦畑でつかまえて J.D.サリンジャー 野崎 孝訳

1964年12月20日第1刷発行 1974年8月25日第29刷発行 白水社

戦後アメリカの代表的青春文学のベストセラー。

主人公ホールデンの誇張に満ちた言葉遣いは、大人社会に対する、純粋な子供の感覚が反応する

アレルギー反応のようなものであり、当時十代だった自分の感情が、読むたびにカタルシスを覚えたのを

思い起こす。

おそらく、今でも版を重ねて、青年らに、読み継がれていることであろう。

 

 

 


フラニーとズーイ J.D.サリンジャー 鈴木 武樹訳

1969年10月10日 初版発行 1973年7月30日 9版発行 角川文庫

フラニーとズーイは1961年にアメリカでひとつのタイトルとして発表されているが、

もともとは、別の時期に別の形で発表されたものらしい。

「ライ麦」の続編を期待すると、かなり趣を異にするので、戸惑ってしまう。

これらは、ナインストーリーも含めて、聡明で過敏なグラース家の7人兄弟の心の問題をひとつずつ

取り上げているのである。

繊細で、デリケートな精神の持ち主である著者は、家に閉じこもりがちな生活を続けており、

そういった彼固有の問題と現代のユダヤ人の抱える民族的な問題が複雑に錯綜しているのだろうか。

 


ナイン・ストーリーズ サリンジャー 野崎 孝訳

1974年12月15日印刷 1974年12月20日発行 新潮文庫

この作品は、1953年4月に、著者がそれまでに発表した作品の中から9つを選び、

時系列で並べた短編集ということだが、それぞれに、作者の敏感で繊細な感性が光る、

デリケートな精密細工のような作品集となっている。

 

 

 

 

 


ティファニーで朝食を カポーティ 龍口 直太郎訳

1968年7月30日発行 1973年12月10日10刷発行 新潮文庫

オードリーヘップバーン主演の映画化であまりに有名になった作品。

「遠い声・遠い部屋」でデビューしたカポーティは、シュールリアリズムの影響を受けて、

無意識の世界における人間性の開放をテーマとした、女性ホリーの物語をみごとに描いて見せた。

 

 

 

 

 


遠い声・遠い部屋 カポーティ 河野 一郎訳

 

カポーティのデビュー作は、1948年の発表と同時に話題をさらった。

内容が、同性愛に目覚めた少年の話であったこともあるが、確かな文章力に支えられた

観察眼の鋭さに、文壇がこぞって天才作家現るとばかりに、一斉に賞賛を送ったのである。

他に

おじいさんの思い出 村上 春樹訳/山本 容子銅版画

1988年3月15日第1刷 1988年11月10日第8刷発行 文芸春秋

これは40年間未発表のまま埋もれていた、最も初期の段階の短編を村上春樹が翻訳したものである。

 


アシスタント マラマッド 加島 祥造訳

1972年9月25日印刷 9月30日発行 新潮文庫

主人公のフランク・アルパインは、西部で孤児として育ち、ニューヨークに流れて来た時には、仲間と

小さな食料品店に強盗に押し込むまでになっていた。

ところが、押し込み強盗をした店の娘に心惹かれ、ついには、その店の住み込み店員となり、

波乱万丈の末、娘と結婚して、その店を継ぐことになる。

ストーリーは、いかにもアメリカ文学という感じではあるが、ユダヤ系作家独特の手法で

主人公の青年の心の内面の葛藤をしっかりと描ききっているところに、マラマッドの持ち味が

ある。

 


グレート・ギャッツビー フィツジェラルド 野崎 孝訳

1974年6月30日発行 1974年8月15日3刷発行 新潮文庫

アメリカのロストジェネレーションの代表する作家の代表作。

後にロバートレッドフォード主演で映画化されて、一躍有名になった。

アメリカンドリームの追求と崩壊を描いた寓話的な作品で、発表当時は、まるで評価されず、

おかげで、私生活は崩壊の一途をたどったということだ。

まったく人生とは、皮肉なものだ。

 

 

 


走れウサギ ジョン・アップダイク 宮本 陽吉訳

1964年11月20日第1刷発行 1974年10月25日13刷発行 白水社

ハーバード大学を卒業し、ニューヨーカーのライティングスタッフを経験しただけあって、

洗練した都会的な文体で、中流階級の悩みを巧みに描いている。

「走れウサギ」は、束縛された日常生活に嫌気をさしたウサギというあだなの青年が、遁走を

繰り返す物語である。このウサギシリーズは、後に「帰ってきたウサギ」「ウサギはお金持ち」

「休息するウサギ」と時代変貌に応じて、シチュエーションを変えて書き続けられていく。

 

 

 


カップルズ 上下 アップダイク 宮本 陽吉訳

1975年9月25日印刷 9月30日発行 新潮文庫

アメリカ中産階級の10組の夫婦が織り成す、時代背景の中での政治との乖離した私生活の記録で

ある。その一方で、今まで衝撃的かタブー視するしかなかった性を自然に美しく描くことに成功している。

他に

同じ一つのドア 宮本陽吉訳 1972年10月30日発行 1974年6月30日4刷発行 新潮文庫

 

 

 

 


結婚しよう アップダイク 岩本 巌訳

1988年8月15日印刷 8月25日発行 新潮文庫

都会的に洗練された美しい文体で、現代のアメリカ中産階級の生活を緻密に描きつづける

貴重な作家の私小説的なロマン小説。かなりの大作でよみごたえがある。

他に

美術館と女たち 宮崎 陽吉訳

1980年1月20日印刷 1980年1月25日発行 新潮社

 

 

 


ぼくの副作用 ウディ・アレン短編集 堤 雅久・芹沢 のえ訳

1981年8月5日発行 CBS・ソニー出版

ダイアン・キートンとのコンビで機知とユーモアにあふれた映画で一世を風靡したウディ・アレンの

短編集。

彼の映画で言えば、「アニー・ホール」1977年・「インテリア」1978年・「マンハッタン」1979年を世に出していた

油の乗り切った頃に「ニューヨーカー」等の雑誌に発表された短編を集めたものである。

 

 

 

 


偉大なるデスリフ C・D・B・ブライアン 村上 春樹訳

1987年11月5日発行 1987年12月15日第2冊発行 新潮社

言わずと知れたフィツジェラルドの「グレート・ギャツビー」をもじったタイトルに惹かれて

しかも、村上 春樹が訳しているので、思わず買ってしまった。

「ギャツビー」を読んでおくと対比して楽しさがより増すが、単独の小説としても、まあ

それはそれで、楽しめる。

 

 

 

 


響きと怒り フォークナー 高橋 正雄訳

1972年9月15日第1刷発行 1974年1月28日 第2刷発行 講談社文庫

1929年に「サートリス」に引き続いて出版されたコンプソン家の悲劇的没落を描いた長編小説。

3人の人物それぞれの独白で実験的に綴られた作品は、アメリカのみならず20世紀の世界文学の

最高傑作の一つに数えられている。ジョイス・プルーストと共にかなり意識を研ぎ澄まさないと

内容を理解するのが難しい小説の一つである。

 

 

 

 


愛のゆくえ ブローティガン 青木 日出男訳

1975年3月30日発行 1975年5月10日 第2刷発行 新潮文庫

ストーリーは、主人公の図書館員のところに、ヴァイダという若くて美しい女がやってくるところから始まる。

二人は、お互い似たもの同士であることを感じて、同棲することになるが、瞬く間に彼女は妊娠してしまう。

仕方なく堕胎することに決め、メキシコに行き堕胎をうける。すべてが、平坦な文体で延々と描かれており

ヒーローもヒロインもいないし、ドラマ仕立ての何かがおこるわけでもない。

彼の作風の根底に流れているのは、現代物質文明に対する強烈な否定である。

まるで、新しい、それでいて柔らかい文学である。

 

 


芝生の復習 リチャード・ブローティガン 藤本 和子訳

1976年3月20日印刷 1976年3月25日発行 晶文社

1962年から1970年までに書かれた著者の短編のすべてが収められている。

「アメリカの鱒釣り」以上に自伝的性格の強い作品集なので、作者を理解するための貴重な手がかりが

得られる。形式も文体もばらばらな62編のかなり短い作品がちりばめられている。

文学発生のアトリエのような内容で、なかなか面白い。

1977年8月にどこかの古本市で見つけた貴重な一冊である。

 

 

 


アメリカの鱒釣り リチャード・ブローティガン 藤本 和子訳

1975年1月20日初版 1975年8月20日第4刷発行 晶文社

「アメリカの鱒釣り」は、本当に奇妙なファンタジーの世界を繰り広げてくれる。

わかりにくいからといって、難解で実験的な小説かと言えば、そうではなく、そんなに肩肘張ったものではない。

ストーリーがあるわけでもない47の短編というには、簡潔していないエピソードをばらばらに散らかしたような

内容。

しかし、この1冊で彼は、アメリカの若い世代の英雄になったことだけは確かである。

 

 

 


夏服を着た女たち アーウィン・ショー 常盤 新平訳

1979年5月18日第1刷発行 1980年11月26日第8刷発行 講談社

しゃれていて洗練されている、「ニューヨーカー」という雑誌のために生まれてきた作家。

マイクルが五番街で、美しい女に見とれているのを、連れ添って歩いているフランセスが

「とにかく、彼女、そんなに綺麗じゃないわ。あなたが見とれて首の骨を折りかねないほど

綺麗じゃなくてよ」と諭すあたりは、一度でもそんな風に言われてみたいものだ思ってしまう。

他に

ニューヨークは闇につつまれて 常盤 新平訳 1987年6月15日第1刷発行 講談社文庫

夏の日の声 常盤 新平訳 1990年8月15日第1刷発行 講談社文庫

 


ぼくが電話をかけている場所 レイモンド・カーヴァー 村上 春樹訳

1986年1月10日初版 1986年3月15日第3版発行 中公文庫

今や希少価値となってしまった短編専門のアメリカ作家の作品集を

村上 春樹が訳している。

 

 

 

 

 

 


ニューヨーカー短編集 青木 日出男編

1973年2月10日初版発行 1973年7月30日第3版発行 角川文庫

「ニューヨーカー」誌は、1925年ハロルド・ロスによって創刊され、都会的で洗練された雑誌として

3四半世紀脈々と生きつづけて、アメリカ文壇の中心となってきたわけである。

内容は単なる文芸誌というわけではなく、演劇・映画・音楽などの情報を満載してニューヨークの

ひいてはアメリカの文化のリード役として果たした役割は大きい。

そのニューヨーカーに掲載された短編小説を選りすぐって短編集にしたものが本編である。

マラマッド・ソールベロー・ナボコフ・フィリップロス・アーウィンショウ・アップダイク

等のそうそうたる作家が名を連ねている。

 


たんぽぽのお酒 レイ・ブラッドベリ 北山 克彦訳

1971年6月30日初版 1978年2月20日第27刷発行 晶文社

アメリカのSF作家ブラッドベリが現代の子供と大人のためのファンタジーを

たんほぽお酒のビンに詰めて私たちにもたらしてくれたのでした。

 

 

 

 

 

 


とうに夜半を過ぎて レイ・ブラッドベリ 小笠原 豊樹訳

1978年6月25日初版 1978年8月20日第2版発行 集英社

SF作家ブラッドベリの幻想的な短編集

作者独特の幻想と耽美と恐怖小説が20篇ちりばめられている。


空飛び猫 アーシュラ・K・ル・グウィン 村上 春樹 訳

1996年 4月15日 第1刷発行 講談社文庫

翼をはやして生まれてきた4匹の仲良し兄弟猫の
心温まる冒険物語を村上春樹が自然な日本語に訳しています。
美しい挿絵がたくさんちりばめられていて、思わず
ほのぼのとしてしまうのです。


十二番目の天使  オグ・マンディーノ 坂本 貢一 訳

2001年4月16日 初版 2001年4月29日 第4刷 求龍堂

大企業の社長となり故郷に凱旋帰郷した途端に交通事故で最愛の妻子を失うという不運から
自殺を図ろうとする主人公が、地元のリトルリーグの監督を引き受けることになる。
そのチームにいる、プレーはへたくそだが決してあきらめない真摯な12番目の小さな選手が
みんなの感動を呼んで、チームをリーグ優勝に導くのだか......
いかにもアメリカ的な感動ストーリーではあるが、歳と共に涙腺の緩みつつある私には、
ティッシュが何枚あっても足りないのでした。


ギークス ビル・ゲイツの子供たち

ジョン・カッツ著 松田和也 訳 2001年4月20日 第1刷発行 飛鳥新社

「ギーク」とはコンピュータが興味の中心にある新手のオタクのことを言う。
高校時代は体育会系の生徒から爪弾きにされていた2人の「ギーク」少年が、アイダホの
片田舎で暮らしているところをジャーリストのカッツが取材を兼ねて接触するところから
話が始まる。ジェシーとエリックは、カッツのすすめで、アイダホを後にして、シカゴに飛び出して
自分たちのコンピュータ技術だけて、高収入を得て、やがて成功を納める。
しかしながら、それだけでは満足しないジェシーは、再度学問に目覚め難関シカゴ大学の入学選抜
に望むのだが、既成社会の壁は厚く、なかなかコンピュータを操る様には、いかない。
I/T革命に揺れるアメリカ経済界で働く若い野心家の「人」に焦点を当てたドキュメンタリー作品。
最後には、奇跡がおこり、ジェシーがシカゴ大学入学者選抜に合格するあたりは、アメリカの教育機構の
懐の深さを感じて、別の面で感動した。


文学のページに戻る