イノセンス(英題:Innocence)
上映時間:99分


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
SF
アクション
バトー:大塚明夫
草薙素子:田中敦子
トグサ:山寺宏一
荒巻課長:大木民夫
イシカワ:仲野裕
ハラウェイ:榊原良子
謎の少女:武藤寿美
キム:竹中直人
原作
士郎正宗
脚本・監督
押井守




 劇場版「攻殻機動隊」の続編。
 舞台は2030年。インターネットが世界を覆い尽くし、人間の脳すら電脳化することで直接 インターネットに接続できるようになった近未来。
 突如、少女型アンドロイドが所有者を殺害し自壊する事件が多発。アンドロイドはロクス・ソルス社が 開発した愛玩用アンドロイド、タイプ2052・ハダリであった。なぜ、ゴースト(魂、精神のようなもの)を 持たないアンドロイドが暴走したのか?被害者の中に政府要人も含まれていたため、公安9課も捜査に 乗り出す。専従捜査として、課長は全身のほとんどを義体化したバトーと全身の義体化が少ないトグサの コンビに担当させる。
 バトーは3年前、同僚の少佐こと草薙素子が「2501。それ、再開の合言葉にしましょう。」という 言葉を最後にネットの海に消えて以来、深い孤独を抱えていた。課長はバトーが3年前に失踪した 少佐と同じ道を歩むのではと心配し、トグサに警戒させる。
 バトーとトグサはロクス・ソルス社の北方択捉経済特区へ飛ぶ。そこでバトーは、かつての 知人である凄腕ハッカー・キムの住居へ赴く。バトー達の来訪を予見していたキムは、バトーと トグサの電脳をハッキング。バトー達は同じ時間のループを彷徨い始めるが・・・。


† アニメ 作品レビュー †
 レンタルDVDには、本編を補足する前作のダイジェストやこの攻殻世界特有の用語の 解説が挿入されていた。元々一見さんお断りの難解な内容なので、こういった配慮は 嬉しい。

 多くの制作費が投じられているだけあり、監督の映像と音に対する拘りが如何なく発揮 されている。特に光の使い方に工夫が凝らされていて非常に美麗で荘厳。今まで見た アニメの中で、CGとセル画をこれほどうまく融合させた例はないんじゃなかろうか?

 バトーは肉体派的な外見とは裏腹にあらゆるところで達観していて、既に出ている自分の 自論を様々な諺を引用しながら表現していく。前作の主人公・草薙素子がひたすら考察し、 苦悩していたのに対し、悟りきってしまっているバトーに逡巡はない。回りくどい考察ではなく 結論を淡白に述べていく。難解な諺の乱用が無意味に分かりにくいものにしている。 格言集を映画化したかのようなこの手法は斬新といえば斬新なのだが、あまり楽しめるものでは なかった。前作は繰り返し見るほど理解が進んで興奮したものだが、今作は繰り返し見るほど 分けが分からなくなる...。
 クライマックス。バトーと守護天使の共闘だけは良かった。DVDやWikipediaで情報を 補足してストーリーラインをようやく理解し、悪い内容じゃないと悟りつつも、理解の過程で 生じた徒労感が大きい。ラストバトル以外をもう1度観たいという意欲が沸かない...。 それにしても、素子は何をしに出てきたんだろう?単なる気まぐれなのだろうか...?
評価 執筆者 カンガルー【06/09/19掲載】


戻る