ウィンダリア(英題:Windaria)
上映時間:101分


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
ファンタジー
ドラマ
イズー:古谷徹
マーリン:神田和佳
ジル:井上和彦
アーナス:松井菜桜子
ランスロ:柴田秀勝
カイル:若本紀昭
ギネビア:斉藤昌
クンドリー:吉田理保子
ドルイド:高島雅羅
ピラール:永井一郎
コッポ:藤本譲
ハロール:徳丸完
イシス:片岡富枝
トレル:矢尾一樹
キール:佐藤正治
シャレム:木下由美
クラッキ:大滝進矢
兵士:小林通孝
市民:小野健一
市民:中井雅之
原作
藤川桂介
脚本
藤川桂介
監督
湯山邦彦




 「雨月物語」の「浅茅が宿」をモチーフにした戦史ファンタジー。
 国境を接す海の国イサと山の国パロは、長きに亘って不可侵条約で結ばれていた。 しかし、パロの王ランスロはイサへ領土的野心を抱き、工作員を送り込んで 水門を開き、イサの水没を試みる。しかし、辺境の村サキの青年イズーの 活躍で水没の危機からイサは救われた。水門を開いた犯人はイサの王女アーナスに よって取り押さえられ、この事件を皮切りにイサとパロ両国の不信は 深まっていく。
 密かに愛し合うイサの王女・アーナスとパロの王子・ジルは事態の深刻さを憂う。 一方、イサの国を救ったイズーは戦争への予感に心を躍らせる。そんな彼の身を 心配する愛妻マーリンは、サキの村にそびえ立つ巨木ウィンダリアのもと、 1つの約束を交わす。
 そして、遂に戦争の火蓋は切って落とされる。強大な軍事力でイサを圧倒するパロ。 サキの村も戦火の渦に巻き込まれていく。


† アニメ 作品レビュー †
 小説版「ウィンダリア〜童話めいた戦史〜」を読んだのは遥か昔のこと。なかなかアニメ版を 手に出来ず、アニメ版の存在に懐疑的ですらあったのだが、最近ようやく手に入れ視聴することが できた。

 作品のテーマは「約束を守ることの大切さ」ということなのだろう。国と国との約束、夫と妻との 約束、恋人同士の約束、いろいろな約束がストーリーに絡んでいて、そこから次々と悲劇が 生み落とされていく。約束を安易に破棄にした結果も、それを止められなかった運命も、そして 約束を命懸けで守りぬいた結末も、あまりにも切なく、もたらされた後悔は大き過ぎた。

 主人公は夢を追うあまりに人の道を外れていく。その彼を止めることができるはずであったのが、 掛け買いのない妻の願いだった。欲望に駆られて約束を忘却し、興廃したサキの村で絶望する主人公から 悲痛な思いがひしひしと伝わってくる。信じることの大切さを絶妙に表現できた映画ではなかろうか。

 同年、アニメ最高傑作という最大公約数的評価を得ている「天空の城ラピュタ」が上映されている。 この威光を前にしては、日陰に追いやられてしまうのも無理からぬこと。作画やBGMに古めかしさが あり、それにも関わらず好感の持てる内容だと感じたものの、低い知名度が悔やまれてならない...。
評価 執筆者 カンガルー【08/03/23掲載】


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