火の鳥 鳳凰編
上映時間:60分


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
ファンタジー
ドラマ
我王:堀勝之祐
茜丸:古川登志夫
速魚:麻上洋子
ブチ:小山茉美
吉備真備:大塚周夫
ナレーション:城達也
火の鳥:池田昌子
原作
手塚治虫
監督
りんたろう




 片目片腕を出生して間もなく失った我王は、平然と人殺しができる醜い盗人となり、 住んでいた村を追われる。鳳凰を探し求めて旅を続ける彫物師・茜丸は、山中で野宿している 最中に我王と接触。右腕を斬られてしまう。しかし、茜丸は必死に修業に励み、彫物師として 大成する。
 大仏建立の責任者となり、順風満帆の人生を送る茜丸。ある日、吉備真備の推薦で天皇に 献上する彫物を彫る候補者となる。だが、候補者にもう1人推薦された人物がいた。 茜丸の右腕を斬りつけた人物、我王であった。


† アニメ 作品レビュー †
 「You carry us on your silver wings to the for reaches of the universe 愛したら火の鳥、 時を超えて巡り逢う〜♪」テーマソングは素晴らしくて、今でも耳に残っている。
 肝心な本編は、非常に密度が薄い。アニメ鑑賞後に壮大な漫画原作にもう1度触れてみて 改めて思ったものだが、原作の長大かつ濃密なストーリーが、何と薄っぺらにしてしまったことか。 なぜ残忍な盗人の我王が堕落し、速魚の死を契機に素晴らしい仏師になったのか、 なぜ理想に燃える茜丸が非道な人間になってしまったのか、原作の肝心な要素が ほとんど省略されており、人間ドラマが全然描ききれていない。原作の大幅劣化と言っても 過言ではない。本来主人公は我王であるが、アニメの主人公は茜丸になってしまっている。 しかも、昔の角川アニメの悪い特徴だが、カットの迫力や美麗さばかりに力を投入してしまい、 情景描写が多くて退屈。京の都の情景をぐるぐる表現したり、野宿している茜丸がおむすびを ほうばってるだけの場面で5分とか、短時間で済ませられるシーンが長い。前半は特にうんざり。
 原作の漫画が素晴らしいだけに、アニメは余計見ていて辛い。かろうじて良かったと言えるのは、 先に挙げた主題歌、茜丸VS我王の彫物対決、最後の茜丸が天に召されるクライマックスシーン ぐらい...。
評価 執筆者 カンガルー【04/08/11掲載】


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