火の鳥 ヤマト編


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
ファンタジー ドラマ オグナ:井上和彦
カジカ:鶴ひろみ
川上タケル:屋良有作
火の鳥:池田昌子
原作
手塚治虫
脚本
高屋敷英夫 金春智子
監督
平田敏夫




 父の命令でクマソの王・川上タケルを暗殺しにやってきたヤマトの王子オグナは、狩りを 楽しんでいた川上タケルの妹カジカと出会う。誤ってカジカに射られたオグナはカジカの 手当てを受けるためにクマソに留まるが、やがて2人は恋に落ちる。しかし、カジカから クマソが1ヵ月後にヤマトに攻め上ることをオグナは告げられ、川上タケルはその指揮を タケルに任せようとしていた。カジカとの恋と裏切れない故郷の狭間で苦悩するオグナの 前に、彼の笛の音に聞きほれてたクマソの守り神・火の鳥が現れる。オグナは火の鳥に 悩みを打ち明けると、火の鳥はヤマトの方角に飛んでいく。それはヤマトに帰れという 火の鳥の助言だった。
 決心したオグナは祭礼の場で川上タケルを暗殺。敬愛する兄を失い怒り心頭のカジカは、 手勢を引き連れてタケルを追う。タケルは包囲されて絶望的な危機に陥るが、突如彼と クマソの軍勢の間に炎の壁が立ちはだかる。彼を救ったのは、あの火の鳥であった・・・。


† アニメ 作品レビュー †
 鳳凰編と同様に原作が結構端折られているが、原作の重要エピソードはアニメに最低限 反映されているし、テンポもひどくはない。命の尊厳の大切さや、悔いの無い人生を如何に 生きるか、といったテーマも抑えられている。アニメ化の技量は、鳳凰編よりもこちらの方が 上手だと感じる。
 前半はオグナやカジカの恋愛と葛藤、後半は因習に抵抗する主人公の悲劇的人間ドラマが 丁寧に描かれている。原作では古墳に生き埋めにされた人々が合唱するが、アニメ版では 美しい笛の音が無慈悲な指導者達の心を苛む。お互い励ましあって生き延び、永遠の愛を 誓って眠りに着く2人の姿が美しく、そして切ない。
評価 執筆者 カンガルー【04/08/11掲載】


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