ヘルシング(英題:Hellsing)


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
SF アクション
ホラー
アーカード:中田譲治
インテグラ(インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング):榊原良子
インテグラ(少女時代):水橋かおり
セラス・ヴィクトリア:折笠富美子
アレクサンド・アンデルセン:野沢那智
ウォルター・C・ドルネーズ:清川元夢
エンリコ・マクスウェル:田中秀幸
ルーク:子安武人
ヤン:中井和哉
ピーター・ファーガスン:石塚運昇
ヘルシング卿:大塚周夫
リチャード:若本規夫
ハリー・アンダーズ:谷口節
ヘレナ:平松晶子
ローラ:土井美加
刑事部長:中田和宏
インコグニート:山崎たくみ
原作
平野耕太
脚本
黒田洋介
倉田英之
監督
ところともかず




 「我々に化せられた任務は唯一つ、Search & Destroy!!」
 人間の手に負えないフリークス(化け物)を始末するために秘密裏に活躍する女王陛下直属の特務機関、 それは王立国教騎士団『ヘルシング』と呼ばれた。ヘルシングの盟主はヘルシング家直径の子孫であり、 由緒正しき貴族である若きサー・インテグラル・ウィンゲーツ・ヘルシング、そして彼女の切り札とも 言える存在が対吸血鬼のために長年にわたってヘルシング機関で研究された史上最強の吸血鬼 (ノスフェラトゥ)・アーカードであった。
 チェダース村の住人を食人鬼(グール)にしてしまった吸血鬼が出現、ヘルシングの部隊が化け物鎮圧に 乗り出す。現場では先行していた警察部隊がほぼ壊滅しており、彼らも人肉をむさぼるグールに変貌して いた。唯一生き伸びた一介の婦警セラス・ヴィクトリアであったが、神父を装った吸血鬼に捕まり絶体 絶命のピンチに。そこに現れたアーカードは彼女もろとも吸血鬼を銃殺。彼女に生か死かの選択をさせ、彼女は 生き伸びることを選択する。アーカードの手によって、セラスはこの日を境に女吸血鬼(ドラキュリーナ)として 生きていくことになった(戸籍上は殉職)。
 セラスはヘルシングの一員に編入され、特殊部隊の一員や執事ウォルターと共に大英帝国に敵対する 勢力と戦う。ヘルシングは最近頻発する人口吸血鬼達の鎮圧に奔走するが、そこにプロテスタント (ヘルシング機関)と対立するカトリックの過激派・特務局第13局イスカリオテ機関が現れる。更に・・・。


† アニメ 作品レビュー †
 アニメ版を見る前に原作(現時点で、完結しておらず)も読んでみたが、双方には幾つか違いが見受け られる。どちらが良いかと敢えて言えば、アニメ版の方が少々劣るようなき気がする。決してアニメ版が 悪い出来だと思ったわけではないのだが・・・。
 狂気に満ちた世界観や緊迫した雰囲気は、アニメになっても上手く再現されていると思う。原作のコメディチックな 部分は抑えられ、シリアスな話が多い。そして大きな変更点と言えるのが、ヘルシング機関の軍隊の活躍が 丁寧に描写されていること。原作はヘルシング機関といっても、アーカード、セラス、ウォルターの3人 ばかりが活躍してその他のメンバーは単なるやられ役に過ぎなかったが、アニメ版では軍隊の人間達も そこそこ活躍している。原作ではセラスはアーカードやウォルターと銃(?)アクションを演じていたが、 アニメでは部隊の一員として地味な活躍をする。確かに特務機関「ヘルシング」の実行部隊が実質3人と いうのは不自然・・・な気がする。そういった変更点は良かったのだが、問題はストーリー構成。どうも 曖昧模糊というか、伏線の張り方が手抜きだし、説明不足が多い。セラスが完全な吸血鬼になることを 拒み、苦しみながら血を飲むことを拒絶する場面が前半は印象的だったが、後半はどうでも良くなってるのは どういうこと?アーカードのライバルであるアンデルセン神父は、いったい何のために出てきたのでしょうか? そしてラストは本気を出したアーカードがあっさり敵の大将を倒してしまう。セラスにあてがわれた 敵もあっけない・・・。原作が未完で元作品が未だに謎が多いということも確かにあるし、 オリジナルの話を後半に入れたことも分からなくはないのだが、後半はどうも盛り上がりきれなかった。
 原作者・平野耕太もアニメ版に対して不評をもらしているのだとか。原作の後半はナチスの残した ミレニアム部隊とヘルシングの対決であったものが、アニメ化に際してオリジナルの展開に置換されて しまった。アニメ版は海外にも輸出・配給されることから、ナチスの話は自粛してしまったらしい。 このナチスVSヘルシングの対決はなかなか見物なのだが、未決の内容をアニメ化するのはやはり 無理だったのか。原作のイメージを少々破壊しているのも含めて残念ではあるが、狂気じみた台詞や 各キャラの格好良さなどはアニメ版でも原作に負けていない。一部原作ファンに不評のようだが、 及第点に達している作品ではないだろうか。
評価 執筆者 カンガルー【05/07/17掲載】


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