機神咆吼デモンベイン(英題:Kishin Houkou DemonBane)


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
SF
ロボット
大十字九郎:伊藤健太郎
アル・アジフ:神田理江
覇道瑠璃:麻見順子
ウィンフィールド:子安武人
ライカ:黒河奈美
ドクターウェスト:山崎たくみ
エルザ:佐藤美佳子
ナイア:折笠愛
ネス警部:中田和宏
ストーン:川村拓央
マスターテリオン:緑川光
アウグストゥス:若本規夫
ウェスパシアヌス:広瀬正志
ティベリウス:矢尾一樹
ティトゥス:中田譲治
カリグラ:郷里大輔
クラウディウス:川上とも子
エセルドレーダ:神田理江
ネロ(エンネア):成瀬未亜
原作
ニトロプラス
脚本
鋼屋ジン
黒田洋介
監督
増尾昭一




 科学と魔術理論が発展した世界。覇道財団によって管理された巨大都市『アーカムシティ』は、 犯罪結社『ブラックロッジ』に脅かされていた。ブラックロッジは首領である大導師・マスター テリオンと6人の幹部・アンチクロス達に率いられ、アーカムシティに破壊と混乱を振りまく。
 覇道財団はブラックロッジに対抗する手段として、魔術理論の粋を結集した巨大ロボ・デモンベインを 開発する。しかし、デモンベインを起動する為には、強力な魔導書が必要であった。覇道財団 総帥・覇道瑠璃は、ブラックロッジに殺された亡き祖父覇道権造の遺志を継ぎ、密かに魔導書の 探索を行う。そして魔術師の資格を持つ貧乏探偵・大十字九郎を探し当てる。大十字九郎は 魔導の力にトラウマを持っており、最初は難色を示したが、高額の報酬を提示されたことで 喜び勇んで魔導書探索の依頼を引き受けることとなる。
 魔導書探索の折、大十字九郎は、ブラックロッジに追われている少女アル・アジフに出会う。 彼女の正体は魔導書『アル・アジフ』に宿る精霊であった。術者を得たことで力を発揮できる ようになったアル・アジフは、偽神デモンベインを呼び出し、大十字九郎と協力してブラック ロッジに逆襲していくのだが・・・。


† アニメ 作品レビュー †
 原作ゲームの良さが全然生きていなくてがっくし。元々全15話だった原作も1話当たりが2時間 くらい(アニメの5話分くらい?)だと思ったが、それを全12話のアニメに圧縮して製作したのは 無理があり過ぎたか。全12話(1クール)しか用意できないなら、最近よくある1クールを2回に 分けて人気があれば2クール目を製作するとかして欲しかった。・・・観てからだから言える ことだけど。

 原作も情景描写や掛け合いがくどいので、ある程度の描写カットは必要だったと思っていた ものの、蓋を開けてみると物語が辛うじて成り立つ必要最低限だけが残され、重要なイベントは軒並み カットされまくり。原作だと壮絶な逆転劇だったものが、ピンチにならずに敵を倒してしまったり、 意外な展開を見せるシーンもなぜそうなったかの説明が削られたことでご都合主義的展開となって しまっていることが多い。原作では、主人公が孤児院の子供達や如何にアーカムシティを如何に 大切に思っていたか、アンチクロスの暴虐に如何に憤慨したか等がしっかり描写されていたが、 それらがアニメ化に伴い酷く大雑把に。また、原作だとバトルシーンの迫力溢れる描写が テキスト文で熱く語られていたが、アニメ版は原作のテキスト文通りとは言い難い。デウス・マキナの アクションに迫力が伴っておらず、声優の熱演との乖離が著しくて激しい違和感が拭えない。原作の 熱気は悲惨なまでにアニメからは感じられない。

 クトゥルフ神話のミステリアスな雰囲気がアニメ版では希薄になってしまっていることも痛い。 例えば復活したクトゥルーはとてつもなく巨大であり、軽く声をあげただけで気が弱い人間が 自殺を始めてしまうような絶望的な存在だったし、ヨグソトースの門をくぐった後に主人公達を 待っていたのは人智や時空を超越した世界で、人の理性を狂わせてしまう混沌だった...。 それがアニメ化により、クトゥルフは凄い力があるというだけの単純な存在となり、ヨグソトースの 門は唯の時空移動とタイムトラベルの道具に成り下がってしまった。他にもラグクラフトの構築した 折角のコズミックホラーの魅力がほとんど描写できていない。同じニトロプラス原作の 『Phantom Of Inferno』同様、酷い原作レイプだと思う。
評価 執筆者 カンガルー【08/05/11掲載】


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