† アニメ 作品紹介 † |
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ジャンル | 登場キャラクタ :声優 | |
ファンタジー |
モンテ・クリスト伯爵:中田譲治 アルベール・ド・モルセール:福山潤 フェルナン:小杉十郎太 メルセデス:井上喜久子 フランツ・デピネー:平川大輔 ユージェニー:中村千絵 ペッポ:中原麻衣 ヴァランティーヌ:三浦純子 エデ:矢島晶子 バティスタン:飛田展男 ベルッチオ:石井康嗣 リュシアン・ドプレー:土門仁 ボーシャン:白鳥哲 マクシミリアン・モレル:稲田徹 ラウル・ド・シャトー:MIKI ダングラール:辻親八 ヴィルフォール:秋元羊介 ビクトリア:松井菜桜子 エロイーズ:渡辺久美子 エドワール:鬼頭典子 |
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原作 | ||
アレクサンドル・デュマ 「モンテ・クリスト伯」より |
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脚本 | ||
高橋ナツコ 山下友弘 |
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監督 | ||
前田真宏 |
ス ト | リ | |
近未来。 パリの名門貴族の家に生まれたアルベールは、好奇心旺盛な15才の青年であった。彼は退屈な日々に嫌気が 差し、刺激を求めて親友のフランツと月面都市ルナに赴く。その頃、ルナの社交界では東方宇宙出身の謎の 紳士モンテ・クリスト伯爵の話題で持ちきりだった。オペラ座でモンテ・クリスト伯を目にし、その後伯爵の 邸宅に招待されたアルベールは、伯爵の圧倒的な存在感と優雅な立ち振る舞いに心酔する。その後、 アルベールは山賊に誘拐される災難に見舞われるが、見事伯爵に命を救われる。 感激したアルベールは、モンテ・クリスト伯自身の頼みもあり、パリの社交界に伯爵を紹介する。それに乗じ、 伯爵は持ち前の財力を存分に駆使してパリの人々を虜にしていく。次期大統領の地位を狙うアルベールの父・ フェルナン、金融界の大物・ダングラール、...。 アルベールの親友フランツは伯爵の行動に不審を抱くが、アルベールは全く耳を貸さない。やがて、 モンテ・クリスト伯は徐々に真の目的を明らかにしていく。かつて、自分を陥れた3人の男達への復讐。 そして、アルベールもその復讐劇に巻き込まれていくことに...。 |
† アニメ 作品レビュー † |
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1 |
世紀の名作であるアレクサンドル・デュマ原作「モンテ・クリスト伯」(岩波文庫、全7巻)を近未来的に
アレンジしたファンタジーアニメ。原作ではモンテ・クリスト伯自身が主人公だが、本作では復讐される側の
子供達の視点で物語が進行し、主人公・アルベールはその1人に相当する。 原作のモンテ・クリスト伯側のドラマを簡略化しておき、それにオリジナル要素をたくさん プラスして巧くブラッシュアップしていると思う。テクスチャを駆使した独特な作画のため、 雰囲気が幻想的でミステリアス。優雅でいてどこか怪しい伯爵が徐々に危険な本性を現していき、 謎が少しずつ明らかにされていく展開は目が離せない。 主人公アルベールは、そんな伯爵の挙動に翻弄されていく。敬意、怒り、絶望、...アルベールに もたらされた苦悩や悲しみは、実は伯爵の過去に対応する。伯爵も遠い昔、信頼する友が居て、愛する女性が 居て、裏切られ、絶望し、復讐に身を任せた。しかし、アルベールは伯爵の絶望や苦悩を理解した上で なお、復讐の是非に関してはは別の道をとり始める。それは、「復讐に絡め取られてはならない」という 命を懸けて忠告を遺してくれた存在があったが故に。伯爵とアルベールの葛藤のコントラスト、それが 原作の復讐劇とは違った味わいを作り出している。それ以外にも、原作既読の視聴者でも飽きさせない 巧みなアレンジが随所にあり、製作者のセンスの高さを感じさせる。 | |||
評価 | A | 執筆者 | カンガルー【09/01/24掲載】 |