攻殻機動隊 Stand Alone Complex 2nd GIG


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
SF ドラマ 草薙素子:田中敦子
バトー:大塚明夫
トグサ:山寺宏一
イシカワ:仲野裕
サイトー:大川透
パズ:小野塚貴志
ボーマ:山口太郎
タチコマ:玉川紗己子
荒巻大輔:阪脩
茅葺首相:榊原良子
高倉官房長官:武藤与志則
クゼ(久世英雄):小山力也
ゴーダ(合田一人(ゴーダ・カズンド)):西川健
プロト:杉山大
原作
士郎正宗
脚本
櫻井圭記 菅正太郎 佐藤大 藤咲淳一 神山健治 松家雄一郎
監督
神山健治




 攻殻機動隊Stand Alone Complexの続編。前作と同じく全26話。
 日本は安価な労働力として多量の難民を受け入れており、それが社会問題となっていた。そんな最中、 中国大使館を「個別の11人」と名乗るテロ組織が占拠。特定のリーダーが不在の彼らの要求は、アジア 難民受け入れの即時撤廃と、招慰難民居住区の完全閉鎖。
 元公安9課のリーダー荒巻は、初の女性の首相として着任したばかりの茅葺(かやぶき)首相と交渉し、 公安9課の再興を条件に難民の鎮圧をする約束を取り付ける。解散させられていた旧公安9課のメンバーは、 勇んで出動。彼らに与えられた時間はたった15分。警官隊が乗り込む前に犠牲者を出さずに、公安9課は 事態を解決しなければならない・・・。


† アニメ 作品レビュー †
 前作は、再発した「笑い男」事件をベースに、ネット社会で影響されあう個々の個の巻き起こす現象を描いていた。 2ndは第3次、第4次世界大戦後に復興を果たした日本の招慰難民問題をベースに、内閣情報局ゴーダの暗躍、 革命家クゼ、主人公・草薙素子の活躍を描いている。草薙素子やバズ、サイトーなどの脇役の 過去エピソードも取り上げられ、より深い攻殻ワールドが展開。その他いろいろあるが、全体的に重い話が多い。 1stは終盤以外無敵の公安9課であったが、今回はそうはいかない。「個別11人(同じ目的をもった個々の集まり。 グループではない。なので、Stand Alone Complex...)」と名乗るテロリストの事件に9課が 介入していくが、9課の敵は分かり易い武装集団だけでない。テロリストや英雄をプロデュースし、時代を動かそうと 画策する政府の役人を何とかしなければならない。。敵は見えているが倒すのが容易ではなく、常に9課の先手を 取ってくるやっかいな代物だ。痛快さという点では、前作よりパワーダウンしてしまった感は否めないが、テーマは より奥深い。
 物語のラストで提示された命題も興味深い。人々の意思や記憶をバックアップして多くの人をサルベージした時に、 彼らはネットの世界で行き続けるということになるのか?それとも、タチコマが疑問を呈していたように、それに ゴーストが宿っているのか?そもそも意思のない単なる記憶の集合体はゴーストではないという定義だったはず。 バックアップした記憶を活用することと、記憶の宿った肉体が生き続けることとの違いは何なのか・・・。バトーや 他の9課のメンバーであれば、ネットの上部構造に人々を導こうとするクゼの革命理論に耳を傾けることなどなかったで あろう。だが、個別の自我に興味を抱いた素子は違うようだ。寡黙になってしまった素子の瞳が見つめる先は何か? 元々、このSACシリーズは映画Ghost In The Shellとは並行的なパラレルワールドなのだが、結果として映画で現実に 悲観し自己の存在に自信を持てずにいた素子に近づいてしまったような気がする。
 クゼとゴーダの最期があまりにあっさりだったのが拍子抜け。もう少し盛り上がりのある 結末にして欲しかった。お約束かもしれんが、タチコマ(人工知能を積んだ4速歩行ロボット達)がまたもや 最終話で活躍してくれたのは嬉しい。攻殻3rdは出るのだろうか・・・。
評価 執筆者 カンガルー【05/05/03掲載】


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