機動戦士ガンダムI (英題:Mobile Suit Gundam)
上映時間:137分

機動戦士ガンダムII 哀・戦士編(英題:Mobile Suit Gundam II)
上映時間:134分

機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙篇(英題:Mobile Suit Gundam III)
上映時間:141分


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
SF

ロボット
アムロ・レイ:古谷徹
フラウ・ボウ/レツ・コ・ファン:鵜飼るみ子
ブライト・ノア:鈴置洋孝
リュウ・ホセイ:飯塚昭三
カイ・シデン:古川登志夫
ハヤト・コバヤシ:鈴木清信
シャア・アズナブル:池田秀一
ガルマ・ザビ:森功至
ギレン・ザビ:田中崇
デギン・ザビ:柴田秀勝
ドズル・ザビ:玄田哲章
ワッケイン司令:曽我部和恭
ランバ・ラル:広瀬正志
マチルダ・アジャン:戸田恵子
セイラ・マス/キッカ・キタモト:井上瑤
ミライ・ヤシマ/カツ・ハウイン:白石冬美
ミハル・ラトキエ:間嶋里美
マ・クベ:塩沢兼人
マチルダ・アジャン:戸田恵子
スレッガー・ロウ中尉:井上真樹夫
ウラガン中尉:佐藤正治
ナレーション:永井一郎
原作
富野喜幸
監督
富野喜幸




 人類は、増え過ぎた人口の半数を月軌道周辺のラグランジュポイントに浮かぶスペースコロニーに移民させた。
 宇宙世紀0079、地球から最も遠いコロニー群サイド3は、突如ジオン公国を名乗り、宇宙移民(スペースノイド)の独立を 宣言。人型機動兵器モビルスーツの開発が成功すると、地球連邦政府に対して宣戦を布告した。開戦後わずか一週間あまりに して、双方の陣営は総人口の半分を死に至らしめた。
 ジオン公国のモビルスーツに苦戦を強いられた地球連邦は、これに対抗すべく新型のモビルスーツ開発に着手する。それを 察知したジオン軍は、新型モビルスーツがあるとされるサイド7の調査を敢行。かくして新型モビルスーツの存在はジオン公国の 察知するところとなり、サイド7は戦場と化す。
 一方、サイド7に住む機械好きの少年アムロ・レイは、戦禍に巻き込まれ、偶然にも連邦の新型もビルスーツ・ガンダムに 乗り込む。ガンダムの性能とアムロの天賦の才が発揮され、ジオン公国のモビルスーツは撃退される。地球連邦の最新鋭艦 は正規の搭乗員をほとんど失ったため、アムロはそのまま正式なガンダムのパイロットとして採用される。
 ホワイトベースはサイド7で発生した避難民を満載してサイド7を脱出、安全地帯に向かう。しかし、宇宙では既に、 「赤い彗星」との異名を持つジオン軍エースパイロット、シャア・アズナブルが彼等を待ち構えていた。


† アニメ 作品レビュー †
 テレビ版機動戦士ガンダム(全13巻)の総集編である映画3部作。
 それまでにも人型ロボットアニメは数多くあったが、「悪の○○軍団を倒す!」といった 従来の勧善懲悪なスーパーロボット路線とは異なり、リアルな戦争を扱ったリアルロボット 路線の先駆けとなったロボットアニメの金字塔。今でこそ映像が古臭いが、リアリティに 富んだ人間ドラマが秀逸。研ぎ澄まされたかのような名台詞も潤沢に散りばめられており、 時代が変遷した今でもその魅力は色褪せていないと思う。
 モビルスーツの卓越したパイロットである主人公アムロ・レイは、まだ人間として 未完成の少年に過ぎない。戦場で鬼神の如き活躍を披露しようとも、大規模な戦争で人一人の力の 及ぶ範囲など微々たるものに過ぎない。甘えの許されない軍の規律に憤り、自尊心を傷付けられ、 母を心ならずも悲しませ、母艦ホワイトベースの仲間を戦場で失い、壮絶な敵将校の散り際を目の 当たりにする・・・などなど、世の中の不条理や理不尽の数々が容赦なく彼を打ちのめしていき、 それが彼を精神的に成長させていく。そこには命懸けの戦場だからこそ語れる熱い人間ドラマと、 数多くの哲学が詰め込まれている。
 そして最高潮となる、要塞ア・バウア・クーでラストバトル。首と片腕を失った 満身創痍のガンダムが起死回生のビームライフルをぶっ放すシーンはたまらない。瓦解 していく要塞、沈み行くホワイトベース、今までの苦難の日々が走馬灯のように脳裏を横切る。 そして、人類が宇宙にテリトリーを広げたことによる革新の一端を垣間見せ、アムロはクルー達に 迎え入れられる。長く壮絶な戦いが終わりを告げた余韻をこれほどまでに清々しく残した作品は 稀有ではなかろうか。

 本来はジオン公国の本拠サイド3で決着するはずだったが、TV版の初回放映時が低視聴率だった ため要塞ア・バウア・クー会戦で完結することに。そういった事情がありながらこの完成度は奇跡的。 ガンダムシリーズは今後も何作か出ているが、このファースト・ガンダムが最も優れているという評価は 自分の中では不動。
評価 執筆者 カンガルー【04/05/19掲載】