機動戦士ガンダム0083 〜Stardust Memory〜(英題:Mobile Suit Gundam 0083 STARDUST MEMORY)


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
SF
ロボット
コウ・ウラキ:堀川亮
ニナ・パープルトン:佐久間レイ
チャック・キース:山田義晴
アナベル・ガトー:大塚明夫
モーラ・バシット:伊倉一恵
サウス・バニング:菅原正志
ベルナルド・モンシア:茶風林
アルファ・A・ベイト:戸谷公次
チャップ・アデル:幹本雄之
エイバー・シナプス:大塚周夫
シーマ・ガラハウ:真柴摩利
ケリィ・レズナー:玄田哲章
エギーユ・デラーズ:小林清志
グリーン・ワイアット:田中秀幸
ハマーン・カーン:榊原良子
バスク・オム:郷里大輔
ナレーション:小林清志
予告編:佐久間レイ
原作
矢立肇

富野由悠季
監督
加藤充子

今西隆志




 宇宙世紀0079〜0080。後に一年戦争と呼ばれたこの戦いは、要塞ア・バウア・クーでの激戦を最後に幕を下ろす。 地球連邦政府とジオン共和国は終戦協定び、宇宙に平和が訪れたかに見えた。だがそれは、新たな戦いの始まりを 意味していた。
 宇宙世紀0083、一年戦争から三年の月日が流れた。地球連邦のモビルスーツ・テストパイロットの1人、 コウ・ウラキは、オーストラリアの連邦軍基地で訓練に明け暮れる。そのオーストラリア基地に、月のアナハイム社から 2機の試作ガンダムが送られていた。1号機と2号機、新型ガンダムに興味津々のコウ。その彼の眼前で、突如2号機はジオンの 残党に奪取されてしまう。2号機は核弾頭を搭載した特性のモビルスーツであった。直ちに2号機奪還の命令を受けた コウ達は、戦艦アルビオンに搭乗してジオン軍を追跡する。2号機を奪った者は、1年戦争で「ソロモンの悪夢」と いう異名で恐れられたジオンのエースパイロット、アナベル・ガトーであった。ガトーはアルビオン側の追跡を一旦 振り切ると、2号機を宇宙に持ち帰るため打ち上げシャトルの準備を進める。2号機を見失ってしまったアルビオン陣営は、 手詰まり状態に追い込まれてしまうが・・・。


† アニメ 作品レビュー †
 機動戦士Zガンダムや機動戦士ガンダムZZ(ダブルゼータ)が放映を終えた頃に製作されたOVA。Zのラスト 辺りから、ニュータイプ(宇宙に適応した新人類)が単なる超能力者になってしまい、ガンダムの本来持っていた リアリスティックな良さが無くなってしまった。それを払拭するかのように本作は製作された。 本作にニュータイプは一切登場せず、主人公も従来のガンダム作品の中では最年長。主人公の仲間も渋い中年や 威厳ある高齢者などが多い。主人公を愛情を込めて殴ってくれる上司がいる(・・・っていう体育会系の話が 自分は好き)。本来戦場にいるはずの無い子供もいっさい登場しない(・・・というか、それが当たり前で、 少年少女が軍人をやっている他のガンダム作品がおかしいのだが。)。ガンダムの生みの親である富野由悠季は 「ガンダムは子供が見るもの。子供の視点で語られる物語。」という位置付けで製作しているが、往年のガンダム ファンでそれに不満や違和感を持つ者も多い(※自分もそう)。そういった意味で、本作は数あるガンダム作品の 中で異色めいている。モビルスーツ(ガンダムに登場する戦闘ロボット)のデザインや描写も力が入っている。 特に終盤で登場するガンダム3号機デンドロビウムのデザインは鳥肌モノ。ストーリーや世界観、戦闘、メカ デザインなど、どれをとっても軍事オタクやマニアに受けるような泥臭い造りになっている。それらは、自分の 好みに非常にマッチしていた。
 ただ、受け入れ難い部分も多い。例えば主人公とヒロイン。2人の恋愛話が単調でうざったかった。そして、 クライマックス付近で敵の士官の元へ走ったヒロイン・・・。しかもラストでどのツラ下げて主人公の元に帰って くるのか・・・?主人公も呑気に笑顔を返している場合じゃない。歴代ガンダムの中で、最悪のヒロインである ことは間違いなさそう。敵であるデラーズフリートやガトーの目的は結局地球にコロニーを落とすことだったって のも萎えさせてくれる。それのどこが「スペースノイドの開放に繋がる!」のか、さっぱり分からなかった。 信念のために散っていく彼らは確かに美しくはあったが・・・。このコロニー落としが、後の機動戦士Zガンダムで スペースノイドを迫害するエリート連邦部隊ティターンズ設立の口実になってしまうのは何とも皮肉的だ。
 改めて思うのだが、他のガンダム作品にも言えることだが、もう少しスペースノイド(宇宙に追いやられた人々)が 搾取する側であるアースノイド(地球に残った人々)に如何に迫害されたかの描写を少し入れて欲しい。ココが全く 語られていないのが、ガンダムを初心者お断り的なアニメにしていると思うので・・・。
評価 執筆者 カンガルー【05/07/24掲載】


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