雲のむこう、約束の場所
(英題:The Place Promised in Our Early Days)
上映時間:91分


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
SF
ドラマ
藤沢浩紀:吉岡秀隆
白川拓也:萩原聖人
沢渡佐由理:南里侑香
岡部:石塚運昇
富澤常夫:井上和彦
笠原真希:水野理紗
有坂:木内秀信
原作
新海誠
監督
新海誠




 その世界の日本は、1996年に戦争で米軍統治下と連合(ユニオン)統治下による南北に分断されてしまっていた。
 米軍統治下の青森県で暮らす中学三年生、藤沢浩紀と白川拓也は親友同士。そして、同級生の沢渡佐由理に 恋心を抱いていた。そんな2人は海の向こうに聳(そび)え立つ巨大な塔に憧れを持ち、いつの日か自作飛行機を 作り上げ、塔を目指して飛んでいこうという夢を抱いていた。夢を実現すべく、2人はアルバイトで資金を稼ぎ、 軍の廃品を利用して飛行機・ヴェラシーラ(白い翼の意)を少しずつ組み立てていく。更に沢渡にも自分達の 夢を打ち明け、一緒に塔を目指して飛んでみようという夢を共有する。
 ところが、沢渡は突然何の連絡もないままに2人の前から忽然と姿を消す。あれほど飛行機作りに情熱を注いでいた 2人は、これを機に飛行機作りをやめてしまう。浩紀は東京の高校に進学し、拓也は勉学に励む。
 それから3年後の1999年、米軍と連合(ユニオン)の緊張は高まり、いよいよ戦争に突入しようとしていた。 そんな折、別々の道を歩いていた2人は、沢渡の行方を知ることになったのだが・・・。


† アニメ 作品レビュー †
 青臭いスクールライフ、不思議な存在感をかもし出す巨塔が聳える世界が好印象。 独特な映像美や世界観、演出など、視覚的には素晴らしかった。しかしながら、ストーリー展開に 必然性が感じられないのが非常に痛い。名シーンっぽいパーツを並べただけのパッチワーク作品で、 プロット構成が滅茶苦茶。
 永い眠りについているヒロインは、平行世界による現実世界の侵食を食い止めている。 そのSF的な設定からは面白い展開を期待できそうなのに、なかなかカタルシスに繋がっていかない。 ヒロインの数々の謎については、ほとんど説明されない。なぜ世界の存亡をかけてまでヒロインを 助けに行くのか・・・、主人公に感情移入できるわけでもない。盛り上がり所も特になく、最後まで 「面白くなりそう」という予感止まり。ラストシーンのヒロインの反応も意味不明で、 作品を通じてどんなことを訴えたいのかも全然分からない。
 斬新なアイディアのSFは好きだが、曖昧でハッタリだらけのSFというのは好きになれない。 映像美の追求には十二分なまでに力が入っていたが、イメージ先行に捉われることなくストーリーを 構築して欲しかった。
評価 執筆者 カンガルー【06/09/02掲載】


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