† アニメ 作品紹介 † |
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ジャンル | 登場キャラクタ :声優 | |
SF ロボット ポリス |
篠原遊馬:古川登志夫 泉野明:冨永みーな 後藤喜一:大林隆介 南雲しのぶ:榊原良子 香貫花クランシー:井上瑤 太田功:池水通洋 進士幹泰:二又一成 山崎ひろみ:郷里大輔 シバシゲオ:千葉繁 榊清太郎:阪脩 実山:辻村真人 松井刑事:西村知道 佐久間:仲木隆司 ブチヤマ:立木文彦 進士多美子:安達忍 海法:小島敏彦 小寺:大森章督 荒川茂樹:竹中直人 |
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原作 | ||
ゆうきまさみ(原案) | ||
脚本 | ||
伊藤和典 | ||
監督 | ||
押井守 |
ス ト | リ | |
近未来、汎用人型機械・レイバーが一般使用されるようになったが、レイバー絡みの犯罪も急増。これに対処すべく、
警視庁は特殊車輌2課を創設、警察用のレイバー・通称パトレイバーを配備した。 PKO国連平和維持活動のため、カンボジアに派遣された柘植は激戦に巻き込まれ、部下全員を失う。そのまま 彼は消息を絶つ。数年後の2002年冬。突如、横浜ベイブリッジにミサイルが投下され、橋は真っ二つに。 マスコミはミサイル発射が自衛隊機によるものだと報道するが、該当する機体は自衛隊には存在しなかった。 これを機に、自衛隊の一部が蜂起。東京では戒厳令がしかれ、一転して緊迫した状況に。警視庁特殊車輌2課の 後藤隊長は事態収拾のため、別々の部署に配属されていた旧特車2課第2小隊のメンバーを呼び集める。更に、 後藤の元に防衛庁情報部の荒川が接近、一連の事件の黒幕に柘植の存在を示唆するのだが・・・。 |
† アニメ 作品レビュー † |
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1 |
この作品はロボットアニメとは言い難い。パトレイバーのほとんど出てこないパトレイバーなので、
もはやパトレイバーですらないかも。アニメでありながら、日本を舞台にしたテロのシミュレーションを
本格的にやってみせたことにただただ驚かされる。原作の漫画は子供向けだが、
この劇場版は完全に大人向け。主役はパトレイバーのパイロット・泉野明ではなく、それをサポート
する篠原遊馬でもない。彼らをあえて脇役に配し、かつてあまりにも頭が切れたことから「剃刀後藤」
と呼ばれた特殊車輌2課の後藤喜一隊長と、彼をサポートする南雲しのぶ、2人の視点で物語が展開。
華々しい活躍をするパイロット達の影で、上役には上役の熱いドラマがある。テロリストの目的は
何か?そして、本質的な問題に目を背け、迫り来る危機を甘く見ている警察機構に対し、組織の一員
として何を憂うか。更には、戦後日本の抱える本質的な問題にも切り込んでいく・・・。 「戦争が平和を生み、平和が戦争を生む」作中で語られるように、後藤や荒川が語る戦争論は 決して単純で薄っぺらな勧善懲悪ではない。紛争やテロリズムが日常になっている周辺諸国が ありながら、経済大国日本の平和に浸りきることの危うさ、偽りの平和であることの自覚の喚起、 などなどのメッセージが重厚で味わい深い。 日本は自国の良質な文化を正当に評価できない欠点がある。他の子供向けTVアニメと同列にされ がちだが、こういった作品が優れたエンターテイメントであるとの良識はわきまえたいと痛感する。 | |||
評価 | S | 執筆者 | カンガルー【04/09/27掲載】 |