六神合体ゴッドマーズ


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
アクション マーズ(明神タケル):水島裕允
マーグ:三ツ矢雄二
伊集院ナオト:鈴置洋孝
日向ミカ:川浪葉子
飛鳥ケンジ:石丸博也
明神静子:前田敏子
木曽アキラ:塩屋翼
大塚長官:富田耕生
ロゼ:鵜飼るみ子
フローレ:榊原良子
アイーダ:平井道子
ナミダ:山田栄子
ズール大帝:納谷悟朗
ギロン:小林修
ガッシュ:野島昭生
ナレーター&ワール:蟹江栄司
原作
横山光輝
脚本
藤川桂介
監督
今沢哲男




 ズール皇帝指揮の元、ギシン星の地球侵略が始った。地球防衛軍の精鋭部隊 コスモクラッシャー隊メンバーの一人・明神タケルは、実はズール皇帝により 地球破壊用ロボット「ガイアー」と共に地球に送り込まれた異性人マーズで あった。ズールより「ガイアー」による地球破壊命令が下され、苦悩する マーズ。更に追い討ちをかける様な周囲からの迫害。
 しかし地球を愛するマーズの心はやがて苦悩を脱す。遂にはズールの 地球破壊命令に反駁し、実の父が製作した6体のロボットを駆使して地球を 守る為に戦い抜くことを誓う...。


† アニメ 作品レビュー †
 子供の頃、このTV放映を熱中して見ていた記憶があり、改めて最近再見。
 首魁ズール皇帝の元で狂人を装って暮らす主人公の兄マーグ、自分が死ぬと戦闘 メカ・ガイアに搭載された核弾頭が爆発して地球が消滅してしまうため、迫害される主人公。 そんな悲劇を、仲間や義母の愛情で乗り越えていく。ロボットヒーローモノの 王道的ストーリーで、原作「マーズ」にない別の魅力を引き出せていたと思う。
 当時ファン達(特に女性ファンが凄かったらしい)によって主人公の兄マーグの葬式が 実際に行われた。それほどまでに主人公の兄の悲劇が印象的だった気がしたが、大人に なってから見ると、何でそこまで熱くなれたのから分からなくなる。

 ロボットアニメと言えば戦闘シーンの出来が肝となるが、ガンダムとかと比べるとロボットの 動きは悲しいほど手抜き。毎週の放映を見ていた子供の頃は気付かなかったが、戦闘シーンが 毎回酷似している。

敵メカ出現→主人公が戦闘ロボ・ガイアーを呼び出して搭乗→ガイアー、何もできずに いきなりピンチ→主人公が6体のロボットを呼び出して六神(6体のロボット)合体→いきなり 必殺技「ファイナルゴッドマーーーズ!」→敵メカ、何もできずに戦闘終了。

9割以上がこのパターンだったような・・・。合体シーンがやたら長く、同じ台詞とカットが 使い回し。主人公を支えるクラッシャー隊は戦闘では役立たずで、居ても居なくても変わらない。 当時はこれでも通用していたんだなぁとしみじみ再認識。

 あと、全般的に敵も味方も台詞が陳腐なものばかりなのも気になった。ノスタルジーのある人は ともかく、今の目の肥えた人達には退屈で受け入れ難いような気もする。

 この作品の原作は横山光輝の名作漫画「マーズ」だが、原作とアニメ版との対比してみるのも 面白い。原作「マーズ」では主人公マーズは人類を精一杯守り抜く。やがて最終話で、地球人達の 横暴を目の当たりにし、暴徒と化した群集の制裁に晒されてしまう。その時宇宙人としての 記憶が甦り、「何という醜い姿だ。これが人間か・・・。どうして僕はこの動物を 守ろうとした・・・」と豹変し、地球を一瞬で滅ぼしてしまう。最近ではこういった ちゃぶ台返しのような破滅的ストーリーは、なかなかお目にかかれない。あまりにも唐突で 衝撃的なラストは、漫画「デビルマン」の結末を髣髴とさせる。これに対して「ゴッドマーズ」 主人公マーズ(タケル)は生い立ちこそ原作と似ているが、周囲の仲間や母の愛情に育まれることで 精神的に救われていく。原作とは全く別の作品となっており、同時に原作「マーズ」のifに なっている。
評価 執筆者 カンガルー【04/06/04掲載】


戻る