老人Z(英題:Roujin-Z)


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
コメディ 高沢喜十郎:松村彦次郎
三橋晴子:横山智佐
寺田卓:小川真司
長谷川良彦:近石真介
前田満:辻谷耕史
大江信子:佐藤智恵
佐藤知枝:松本梨香
原作/脚本
大友克洋
監督
北久保弘之




 芙蓉看護学院に通う女子大生・三橋春子は、ボランティアで高沢老人の介護を行っていた。
 ある日、厚生省が高齢者社会を解決すべく、新事業「Zプロジェクト」を企画する。開発された 最新型介護ロボット「Z-001号機」は食事、着替え、入浴、排泄は言うまでもなく、テレビ、 ラジオ、電話まで完備する画期的な介護ベッドであった。そのモニターとして、春子が担当 していた高沢氏が選ばれ、突如高沢氏は「Zプロジェクト」のスタッフに連れ去られてしまう。
 高沢氏を見舞った春子は、機械に弄ばれているようにしか見えない高沢氏を気の毒に思い、 連れ出そうとするが、厚生省のスタッフに阻止されて失敗。その後、実習先で知り合った 老人ハッカー3人組に助けを求めるのだが...。


† アニメ 作品レビュー †
 SFで老人介護問題を扱った奇抜なコメディアニメ。
 妻に先立たれ、寝たきりとなった高沢老人の痴呆が進んだ頭に残っていたものは、 「鎌倉へ行きたい」という純朴な願い。彼の願いを叶えようと、高性能な自動介護ベットが 暴走が巻き起こす一騒動を、80分という短時間で面白くまとめていると思う。少子高齢化 社会となり、老人の割合が確実に増えていく日本は、この問題をどうにかしなければならない。 時代を先取りしたテーマもさることながら、展開がスピーディで引き込まれる。所々の細かい 描写に拘りも感じられる。機械に拘束された気の毒な老人を救おうと、献身的な介護学院学生・ 春子や、暇を持て余す老人ハッカー3人組が痛快に活躍し、感情移入し易い。また、厚生省の 寺田のように官僚の立場から真剣に老人介護を考えようとしているキャラも配されていて、 物語に深みを与えている。
 最近こういった、大作ではないけど丹念に作り込まれたオリジナルの秀作ショート アニメが出なくなってきた気がして少し寂しい。
評価 執筆者 カンガルー【08/12/10掲載】


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