聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
アクション


ファンタジー
天馬座(ぺガサス)星矢:古谷徹
龍座(ドラゴン)紫龍:鈴置洋考
白鳥座(キグナス氷河):橋本晃一
白鳥座(キグナス氷河)(少年期):井上富美子
アンドロメダ瞬:堀川亮
アンドロメダ瞬(少年期):冬馬由美
不死鳥座(フェニックス)一輝:堀秀行
城戸沙織(アテナ):潘惠子
牡羊座(アリエス)のムウ:山崎たくみ
牡羊座(アリエス)のシオン:飛田展男
双子座(ジェミニ)のサガ/カノン:置鮎龍太郎
水瓶座(アクエリアス)のカミュ:神奈延年
山羊座(カプリコーン)シュラ:草尾毅
蟹座(キャンサー)のデスマスク:田中亮一
魚座(ピスケス)アフロディーテ:難波圭一
一角獣座(ユニコーン)邪武:目黒裕一
鷲座(イーグル)の魔鈴:山本百合子
蛇使い座(オピュクス)のシャイナ:小山茉美
獅子座(レオ)のアイオリア/ナレーション:田中秀幸
乙女座(バルゴ)シャカ:三ツ矢雄二
蠍座(スコーピオン)のミロ:関俊彦
天秤座(ライブラ)の童虎(老体):矢田耕司
天秤座(ライブラ)の童虎:堀内賢雄
パンドラ:坂本真綾
天猛星 ワイバーンのラダマンティス:子安武人
地暴星 サイクロプスのギガント:江原正士
地妖星 パピヨンのミュー:私市淳
地奇星 フログのゼーロス:島田敏
辰巳:堀之紀
原作
車田正美
監督
山内重保




 神話の時代、ギリシアの女神アテナを守る少年達がいた。彼らは聖闘士(セイント)と 呼ばれ、地上の平和のため、歴史の影で活躍していた。その拳は空を切り裂き、 その蹴りは大地を割ったと言う。
 グラード財団・城戸光政は、女神(アテナ)の化身・沙織を守護する聖闘士を養成するために、 百人の孤児達を世界各地に派遣。見事戻った星矢達だが、最初は決して望んだ戦い ではなかった。しかし、聖闘士の本拠地で聖闘士を統括する教皇と対立する事態に 陥り、13年前に落命した1人の聖闘士の秘話に触れることで、アテナと星矢達に信頼関係が 構築されていく。星矢達の奮闘により、教皇の正体が真の教皇を13年前に 暗殺したサガという男であることが判明。数々の長い激闘の末、二重人格のサガは 善の心を取り戻し、自害して果て、聖域に真の平和が訪れた。
 しかし、星矢達の傷が癒えぬ状態で海神ポセイドンが復活。世界各地で洪水が勃発し、 人類は絶滅の危機に瀕す。ポセイドンを倒すべく海底神殿に乗り込んだ星矢達の前に、 ポセイドン配下の海将軍(マリーナ)達が立ち塞がる。マリーナを撃退していく内に、 ポセイドンを復活させたのがサガの弟、カノンであることが発覚。カノンは女神 アテナと海神ポセイドンを共倒れさせ、兄サガの挫折した地上支配を密かに目論んで いたのだった。しかし、カノンはアテナの慈悲によりかつてスニオン岬の岩牢で 自分が落命を免れていたことを知ると改心、遂にアテナの力でポセイドンは再び 眠りにつき、地上に平和が訪れた。

 しかしそれは束の間の平和であった。地上支配を企む冥王ハーデスが、243年ぶりに アテナの封印を解いて蘇った。ハーデスは配下の108人の冥闘士(スペクター)を駆使し、 聖闘士の本拠地・聖域(サンクチュアリ)のアテナ殺害を企てる。迎え撃つ聖闘士達。 しかし、スペクターの先兵としてやってきたのは、かつてサガの乱で命を落とした 実力者の黄金聖闘士(ゴールドセイント)達であった・・・。


† アニメ 作品レビュー †
 全13話だが、1話〜11話まではB、最後の12話、13話はE(逝ってよし)。よって総評C。
 聖闘士星矢の魅力である激しいバトルと目を引く急展開の数々は、放映終了から 10年たった現在でも健在。今回は黄金聖闘士が始めて味方として活躍する話でもあり、 圧倒的な強さを誇る彼らが調子にのった冥闘士達に圧勝する活躍は見応え抜群。 しかし痛い減点材料もある。この十二宮ハーデス編のアニメ化にあたり、 原作から2つの大きな変更点が加えられていることに関してだ。
 1つは、原作では星矢達青銅聖闘士(ブロンズセイント)がほとんど出てこないが、 出番が大幅に増やされている。それに伴って白銀聖闘士(シルバーセイント)が復活 して、青銅聖闘士に立ちはだかるというエピソードが加えられている。2つ目は、 ハーデス城に乗り込んだ黄金聖闘士達が原作では結界の力で本来の実力が発揮 できなくなるという設定だったのだが、この説明(というか結界が敷かれていた 事実そのもの?)がなくなってしまったことだ。
 1つ目だが、白銀聖闘士が復活したことで青銅聖闘士達の活躍の場が出来、 ファンには嬉しい。だが、白銀聖闘士は4話までに全員倒されてしまう。以降は 青銅聖闘士に活躍の場無し。たまに顔を出してどうでもいいような会話をされても テンポが悪くなるだけ。主人公の星矢に至っては、彼の倒す白銀聖闘士が用意 されていないため、本作では白星が一つも上げられていない。それどころか、 黄金聖闘士が活躍している場面でちょくちょく顔を出してはボコボコにされて 非常にうっとうしい。悲しいことに、主人公・星矢は引き立て役でしかない。 星矢が冥闘士ギガント如きに全く歯が立たないってのは 唖然とした。冥闘士パピヨンに及ばないのはともかく、星矢はもっと強いだろ? 後に冥闘士カロン、冥闘士バレンタインなどを一瞬で倒しているくらいだし。 青銅聖闘士達は、出番が増えても活躍の場が増えておらず、やられてばかりなので 改悪としか言いようがない。
 2つ目はハーデス城での決戦。原作以上にラダマンティスが強過ぎ。敵の活躍を 多くしてどうするのか?せめて、黄金聖闘士が実力を結界のせいで出し切れていない 説明があればまだ納得いくが。ラダマンティスは実力で勝っているわけでもないのに 勝ち誇るようなセコい性格じゃないことを考え合わせると、このアニメ版では結界など 敷かれていないということか・・・。ラダマンティスなんて、後の冥界編で黄金聖闘士の カノンに圧倒される展開が待っているので、それを考慮するとかなり不自然でストレスの たまる展開に感じてしまう。それと、原作ではラダマンティス直属配下の冥闘士が星矢達と 顔合わせするが、これが無くなった。キャストの問題もあるからしょうがないかもしれないが、 代わりにラダマンティスが一方的に青銅聖闘士を1話使って延々と延々と延々と ボコり続け、「俺は実力の100分の1も出していないぞ!」と言わしめる始末。 何を勘違いしてるんだ、製作者は!?星矢達の"やられっぷり"なんか繰り返し見せられても 面白くもなんともない。星矢達の"活躍"が見たいのだが。やられているだけの黄金聖闘士達。 やられているだけの星矢達。終盤までまあまあだが、ラストの2話が最悪過ぎだった・・・。 ファンは、最後の12, 13話は見ないで、想像力で補った方がいい。取り合えず、星矢達が しっかり活躍する続編の冥界ハーデス編を期待したい。
評価 執筆者 カンガルー【04/08/13掲載】


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