聖闘士星矢 天界編序奏〜OVERTURE〜
上映時間:120分


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
アクション

ファンタジー
天馬座(ぺガサス)星矢:古谷徹
龍座(ドラゴン)紫龍:鈴置洋考
白鳥座(キグナス氷河):橋本晃一
アンドロメダ瞬:堀川亮
不死鳥座(フェニックス)一輝:堀秀行
城戸沙織(アテナ):潘惠子
牡羊座(アリエス)のシオン:飛田展男
天秤座(ライブラ)の童虎:堀内賢雄
一角獣座(ユニコーン)邪武:目黒裕一
海蛇座(ヒュドラ)市:小野坂昌也
鷲座(イーグル)の魔鈴:山本百合子
蛇使い座(オピュクス)のシャイナ:小山茉美
斗馬(イカロス):緑川光
斗馬(幼少期):井上富美子
アルテミス:日野由利加
テセウス:森川智之
オデッセウス:高橋広樹
アポロン:山路和弘
原作
車田正美
脚本
横手美智子

大和屋暁
監督
山内重保




 長い冥界での激闘の末、冥王ハーデスの剣をその身に受けた星矢。女神アテナは冥王ハーデスを 打ち破るが、現世に帰ってきた星矢は魂の宿らぬ抜け殻と成り果てていた。人知れぬ山荘で、 闘いから解放された星矢を看病するアテナ。そんな2人の元へ、アテナの姉にしてオリンポス十二神・ 月の女神アルテミスが刺客を放つ。アルテミスは神に刃向かった星矢を葬り去ろうと、神の使い・天闘士 (エンジェル)達を3名送り込んだ。姉の真意を知ったアテナは刺客の前に立ちはだかり、星矢の抹殺を 阻止する。更に星矢の助命を条件に、地上の支配権をアルテミスに返上する。
 地上世界の支配権を手にしたアルテミスは汚れた人類を滅ぼそうと画策、聖闘士を含め、聖域 (サンクチュアリ)を傘下に治める。これに対し、アテナは、自らの血を流して人類を守ろうとする。やがて、 アテナの危機を感じ、星矢は意識を取り戻すが、彼はなぜか小宇宙(コスモ)を燃え上がらせることが できずにいた。そんな彼の前に、青銅聖闘士の邪武、市、そして白銀聖闘士のシャイナが立ち塞がる。 かつての星矢の同志達はアルテミスの部下として、力を発揮できずにいる星矢に拳を向ける。
 一方、聖域に駆けつけた瞬、一輝、紫龍、氷河ら聖闘士の行く手に、天闘士達が立ち塞がろうとしていた。


† アニメ 作品レビュー †
 アニメ版・ハーデス編をなぜか完結させず、先にハーデス編の続編である天界編を作ってしまった模様。 サブタイトルが序奏〜Overture〜とあるので、更に続くんだろうけど。
 15年前、ハーデス編をもって完結した聖闘士星矢がアニメ版で再開された。ファンとしてこれほど 嬉しいことはない・・・はずだった(ノД`)。良かったところと言えば、以前から謎だった魔鈴の弟が 登場してストーリーに絡んできたことくらいか・・・。とにかく、あらゆる面で納得いかない所が多い。
 まず、アテナと星矢のラブストーリーになってしまっていること。星矢とアテナの関係は主従関係だと 思ったが、なんでこんな方向に進展してるのか?挙句の果てに、「星矢の命と引き換えに地上を明け渡す」 って、何言っとるんじゃ〜。必死に地上を守って散っていた黄金聖闘士達が浮かばれない。従来のアテナに あった強さと責任感が全くない。裏切り者の汚名を被り、血涙を流してまで地上の愛と平和のために闘った サガ達が気の毒過ぎる・・・。
 次に、「神に逆らった聖闘士達」って言う論法はおかしくないか?星矢達も黄金聖闘士達も、アテナの名の 元に闘っているのだし、ポセイドンやハーデスは人類抹殺を企てていたわけだし。ポセイドンやハーデスも、 配下の海将軍(マリーナ)達や冥闘士(スペクター)達を使役して女神アテナを殺そうとしていた。喧嘩を売って 来たのはポセイドンやハーデス達の方からだし。殺されかけた際に 正当防衛で返り討ちにし、そのことを咎めて「神に逆らったから殺す」ってのは、黙ってても殺されるし、 抵抗しても殺される。つまり、どっちにしても殺すってことだろう?まぁ、確かにギリシア神話の神々は 元々横暴で無茶苦茶な発言をする存在ではあるが・・・。
 戦闘シーンは、スローモーションが多い。高速どころか、マッハすら越えていないような・・・。昔は みんな光っていたのだが、今作ではパンチもキックも攻撃の軌跡が肉眼ではっきり見える。「その拳は 空を切り裂き、その蹴りは大地を割ったと言う。」が聖闘士じゃなかったっけ・・・? 登場していきなり紫龍と氷河はやられてるし、星矢もやられてばかり。毎度のことながら、あれだけやられて 死なないのは流石だが。瞬は一輝と共闘して活躍したのは良かったかな。新しい敵・天闘士(エンジェル)達は、 強いのか弱いのかよく分からない。やたら爆発シーンが多かったような?ドラゴンボールかっ!? 従来と異なり、必殺技の名前を叫ばないのも残念。
 そして面食らったのがラスト。

※↓ちょっと、ねたばれ(※読んでもかまわないという人は、マウスでドラッグして下さい)
 アテナは「星矢を殺します。」という巧言を弄してアルテミスを騙し、勝利の女神ニケ(アテナの黄金杖)を取り返し、 ニケで星矢の呪いを解く。星矢が小宇宙(コスモ)を燃やせないのは、ハーデスの呪いの賜物らしい。 呪いを解かれた星矢は従来の小宇宙(コスモ)を取り戻す。そんなことができるのなら、最初からやってくれ〜(ノД`)。 星矢と2人きりになるために、呪いを解かずに拉致監禁してたということか? そしてラストバトル。神・アポロンに、星矢&アテナが立ち向かう。なぜか2人は全裸に。意味不明、やめてくれ〜(ノД`)。
 クライマックス、アポロンの神っぽい凄い攻撃を星矢が受けてスタッフロール。まさかこれで終わりじゃないよな・・・と 思ってたら、続きはあった。スタッフロール後半で、星矢がアポロンに特攻。聖衣(クロス)が冥界編のラストに 登場した神聖衣(ゴッドクロス)っぽく変形して(といっても、完全に神聖衣ではない)アポロンに一撃食らわせるが、 聖衣(クロス)がバラバラに分解。なんだこりゃ・・・?よく分からん展開から、唐突に場面が切り替わる。星矢(と 沙織もか?)が記憶を失って地上で再開。「探している人がいるんです。」「探している人、見つかるといいですね?」 あまりにも強引な幕引き、そしてあまりにも説明不足。結局、最後は星矢が死ぬ瞬間見た夢なのか?アポロンの力か 気まぐれか?アイディアが無いのを誤魔化すために、視聴者を煙に巻くような製作者の自己満足的な終わらせ方・・・。
 従来の車田フォーマットをいろいろ打ち破ろうとして、見事にコケた。星矢もアテナも精神的に弱っちい。 あの痛快な勝ち方に拘ったハイテンション・バトルは何処へやら。改良じゃなくて改悪だ。今後、続編を出すなら 昔のノリに戻せっ。
評価 執筆者 カンガルー【04/09/24掲載】


戻る