時をかける少女(英題:The Girl Who Leapt Through Time)
上映時間:98分


† アニメ 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
ファンタジー 紺野真琴:仲里依紗
間宮千昭:石田卓也
津田功介:板倉光隆
早川友梨:垣内彩未
藤谷果穂:谷村美月
紺野美雪:関戸優希
福島先生:立木文彦
坂のおばさん:山本圭子
加藤:反田孝幸
高瀬宋次郎:松田洋治
老守衛:中村正(声優)
芳山和子:原沙知絵
原作
筒井康隆
 「時をかける少女」より
脚本
奥寺佐渡子
監督
細田守




 筒井康隆の同名小説「時をかける少女」の続編的作品。
 舞台は2006年の東京。
 女子高校生2年の紺野真琴は、ブレーキが故障した自転車で踏切事故を起こす。それをきっかけに、現在から 過去に遡る能力を持ってしまう。叔母の芳山和子に相談すると、その特殊能力は「タイムリープ」と呼ばれ、 年頃の女の子にはよくあることなのだと説明される。とても信じられないことであったが、その能力を 自由に使いこなせるようになると、毎日が楽しくて仕方が無い。ここ数日経験してきた様々なトラブルも、 何度でも時間を巻き戻して解決していく。そんな彼女には、特に親しいクラスメート・間宮千昭と津田功介が いた。3人は野球をやるのを日課とし、真琴はこのほのぼのとした友達関係を居心地良く感じていた。
 ある日、間宮千昭から突然告白されてしまった真琴は、「タイムリープ」能力を発動させて強引に 告白の事実そのものを無くしてしまう。何度かタイムリープを繰り返してどうにか間宮千昭の告白の事実を 起きないように無かったことにすると、今度は同級生の友梨が千昭に告白を。友梨と千昭は付き合うこととなり、 真琴の心中は複雑に。更に功介を慕う下級生・果穂の世話をやくことに・・・。


† アニメ 作品レビュー †
 興行的に振るわなかったようだが、同時期に上映されたアニメ映画「パプリカ」、「ゲド戦記」なんかより 断然いい。
 新しい「時をかける少女」は、黒板に書かれた落書き「Time waits for no one(゚Д゚)ハァ?」や携帯メールの 存在などの現代版を意識させる描写が幾つかあり、原作より更に親しめた。木漏れ日の校庭や穏やかな田舎町 などのシンプルで明るい作画が最初から最後まで爽やか。原作の主役をさり気なく登場させていたのも心憎い。
 大人への階段をのぼっている青春真っ只中の主人公・真琴は快活明朗で、原作以上に共感し易い。SF色や青春 ドラマの融合が自然で、真琴の喜怒哀楽を激変させるストーリー構成も巧み。真琴がタイムリープ能力を得てからは 物語が一気に加速。過ぎ去った時を何度もやり直せるというのは夢のある話だし、その代償がじわじわと現れることで 生まれる葛藤や、何気に続いていた幸せが突然終わってしまった絶望的展開、そして切ないけど未来に向かって希望を 感じさせるラストまで、全編通して飽きさせない。未来人の彼の背景がもう少し語られても良かったかな。
 Time waits for no one.時は誰も待ってくれない。人生は一度きり。しかし、誰にでも未来はある。まして 若い真琴には尚のこと。思う存分に変えてしまえる過去は楽しくてしょうがないが、愛しいと思った人に再び巡り合う という希望を胸に強く生きていくことにはより輝かしい価値があるのではないだろうか?視聴後に、そんな 感慨を抱いてしまった。
評価 執筆者 カンガルー【07/10/14掲載】


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