∀ガンダム(ターンAガンダム)


† アニメ画 作品紹介 †
ジャンル登場キャラクタ :声優
SF ロラン・セアック:朴路美
ディアナ・ソレル/キエル・ハイム:高橋理恵子
ソシエ・ハイム:村田秋乃
グエン・サード・ラインフォード:青羽剛
ハリー・オード:稲田徹
フラン・ドール:渡辺久美子
キース・レジェ:福山潤
シド・ムンザ:野島昭生
ジョゼフ・ヨット:佐藤せつじ
リリ・ボルジャーノ:小林愛
ブルーノ:田中一成
ヤコップ:宇垣秀成
ギム・ギンガナム:子安武人
メリーベル・ガジェット:夏樹リオ
ポゥ・エイジ少尉:中西裕美子
ミラン・レックス:曽我部和恭
コレン・ナンダー:川津泰彦
ミハエル・ゲルン大佐:金尾哲夫
ヤーニ・オピュス:桐本琢也
テテス・ハレ/リンダ・ハレ:冬馬由美
マリガン中佐/アグリッパ・メンテナ:石丸博也
原作
手塚治虫
監督
手塚治虫




 核戦争の末に文明が滅んだ未来世界。生き残った人々は興廃した地上で文明を再建するが、一部の 人々は月へ移住して難を逃れた。月の人々・ムーンレイスはいつの日か地球に戻ることを願い、冬眠と 覚醒を繰り返し、長い年月が過ぎた。
 ムーンレイスでありながら偵察のために地球に派遣された少年ロラン・セアックは、旅の途中、 川で溺れたところをキエル・ハイムとソシエ・ハイムの姉妹に助けられる。そのまま鉱山を経営する 名門ハイム家にドライバとして雇われ、地上人に溶け込んで生活を始めた。
 それから2年。地球の地方領主グレン・ラインフォードは、ムーンレイスとの交渉を行っていた。 ムーンレイスは地球へ帰還したいという2年間にわたる秘密交渉は決裂し、月の女王軍・ディアナ ・カウンターは武力行使を断行する。人型ロボット・モビルスーツの圧倒的な兵器の力の前に、 地上の人々はなすすべなく蹂躙されていく。そんな折り、成人の祭りに参加していたロランは ホワイトドールと呼ばれ崇められていた銅像の中からモビルスーツ・∀ガンダム(ターンAガンダム)を 発見する。ムーンレイスでありながら月側の暴挙を見過ごせず、ロランは地上の人々を守るために ∀ガンダムを駆る。


† アニメ 作品レビュー †
 他のガンダムシリーズに比べると、バトルシーンが控えめで人間ドラマにかなり比重が置かれて いると感じた。外国人デザイナによる∀ガンダムの珍妙なデザインが未だに不満(それが理由で、 視聴するのをずっと敬遠していた)だが、世界名作劇場っぽい牧歌的な世界観と、そこで描かれる 人々の営みが温か味にあふれていていい。

 圧倒的な科学技術で侵略してくるムーンレイスを、産業革命レベルまで発展した地上の人々が 旧世紀の遺産を発掘して迎え撃つ。地上に帰還したいムーンレイスと、住んでいた場所を奪われたく ない地上の人々による対立を如何に解消し、平和共存を実現するか。主人公ロラン、ムーン レイスの女王ディアナ、名門貴族のキエルの3人を中心に、自分が出来ることを自問自答しながら この難しい政治課題に挑んでいく。その過程で、融和する者達、共闘する者達も現れ、テクノロジーの 差は縮小していくのだが...。
 過去のガンダムシリーズ全てを『黒歴史』という言葉で同一時間軸上の出来事として定義した上で 過去シリーズの名残を垣間見せたり、ディアナとキエルを入れ替え相手の陣営についての考察を させたりと、面白い試みが幾つもあった。また、自分なりの正義感や信念が絡み合う複雑な人間模様を 展開して、信念を貫くことの難しさ、人がなかなか分かり合えない苛立たしさ、心の弱さを克服する 清々しさなど、巧みに描写してみせた。ガンダムシリーズ屈指の名作だと思う。
評価 執筆者 カンガルー【09/01/18掲載】

戻る