影武者
上映時間:180分


† 映画 作品紹介 †
ジャンルキャスト
時代劇 武田信玄/影武者:仲代達矢
武田信廉:山崎努
武田勝頼:萩原健一
馬場信春:室田日出男
田口刑部:志村喬
土屋宗八郎:根津甚八
山県昌景:大滝秀治
織田信長:隆大介
徳川家康:油井昌由樹
伝騎:矢吹二朗
医師:藤原釜足
雨宮善二郎:阿藤海
竹丸付き老女:音羽久米子
お津弥の方:桃井かおり
於ゆうの方:倍賞美津子
跡部大炊助:清水紘治
原甚五郎:島香裕
脚本
黒澤明
井手雅人
監督
黒澤明




 時は戦国の世。
 甲斐を治める武将・武田信玄は弟信廉から影武者としてうってつけの人物を推薦される。その男は窃盗の罪で処刑される はずであったが、信廉の計らいで助命されるのであった。当初は逃亡を企てたその男も、信玄の度量に感銘を受け、心から 心服して影武者の任務を引き受ける。
 それから間もなく、信玄は京都へ上洛を試みる。その折り、徳川家康の野田城攻めの際に、信玄は火縄銃による狙撃を受け、 重傷を負う。「我、死すとも三年はその喪を秘し、ゆめゆめ動くな」信玄はそう言い渡し、志し半ばにしてこの世を去る。 信廉を始めとする残された重臣一同は、信玄の遺言を守るべく影武者を駆使して主君の死を隠し通そうとする。信玄の死に 影武者は意気消沈するも、やがては奮起し、必死に信玄の影武者を務め上げようとするのだが...。


† 映画 作品レビュー †
 元盗人で、武田家の存続に無縁なはずの身分卑しい主人公は、信玄に対する畏敬の念と信玄の孫・竹丸への愛情から、 影武者の役割に生き甲斐を見出していく。しかし、信玄亡き以降の武田家の没落は歴史の必然であり、影武者もその 渦中に巻き込まれていく。四方を敵に囲まれていた信長は各個撃破を成功させ、家康は信長の力を背景に武田領を 牽制。崩れていく武田家を何とか支え、しかし時代の大波に抗しきれずに悲壮な結末を余儀なくされていくのは 切ない。
 とはいえ、初期の黒澤映画ほどの傑作度が感じられない。カラーになってからの黒澤映画は映像美が突き詰められていて 壮大なスケール感があるものの、全体的にインパクトのあるシーンが無くて寂しい。その上、上映時間180分という長尺。 クライマックスの長篠の戦いももう少し分かり易く展開して欲しかった。悪い映画というほどじゃないのだけれど。
評価 執筆者 カンガルー【08/08/24掲載】


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