† 映画 作品紹介 † |
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ジャンル | キャスト | |
時代劇 |
椿三十郎:三船敏郎 室戸半兵衛:仲代達矢 井坂伊織:加山雄三 見張りの侍・木村:小林桂樹 次席家老・黒藤:志村喬 保川邦衛:田中邦衛 大目付・菊井:清水将夫 竹林・国許用人:藤原釜足 寺田文治:平田昭彦 守島隼人:久保明 広瀬俊平:土屋嘉男 竹林:藤原釜足 河原晋:太刀川寛 関口信伍:江原達怡 足軽:堺左千夫 足軽:堤康久 千鳥:団令子 家老睦田の奥方:入江たか子 城代家老・睦田:伊藤雄之助 |
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原作 | ||
山本周五郎 「日々平安」より |
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脚本 | ||
小国英雄 菊島隆三 黒澤明 |
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監督 | ||
黒澤明 |
ス ト | リ | |
寂れた神社の社に、9人の若侍が密談していた。それは、城内に贈収賄がはびこっているのを
知った井坂伊織らが、悪事を一掃しようと決起したものだった。井坂の話によると、伯父の
城代家老・睦田に9人の意見書を提出したが、睦田は「汚職の黒幕は俺かもしれない。」
「人は見かけによらない。」「悪い奴はとんでもない所にいる。」と一笑に付して、意見書を
破り捨てたと言う。その後、井坂は大目付の菊井の元に赴くと、最初はいい顔をしなかったが、
睦田の台詞を紹介すると、「若い人達と共に立ち上がりましょう。」と快諾。更に、菊井は
仲間を集めて欲しいと井坂に依頼したと言う。 全員が菊井が協力してくれるという展開に喝采する中、社の奥から薄汚れた侍・三十郎が姿を 現した。密談を聞いていた彼は9人若侍を嗜め、睦田ではなく菊井の方が黒幕だろうと推察し、 理路整然と自論を述べる。案の定、社は多数の菊井の手勢によって包囲され、若侍は一網打尽に されようとした。しかし、三十郎が電光石火の剣劇と舌先三寸で取り巻きの侍達を追い返す。 9人の若侍は三十郎に感謝しつつ、捕まってしまった城代・睦田を救い出そうと決意。 「われわれ9人で・・・」そこで三十郎も口を挟む。「10人だ!お前達のやることは 危なっかしくて見てられねえ!」権謀に疎い彼らを見かねて、三十郎も加勢を決意。 果たして・・・? |
† 映画 作品レビュー † |
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1 |
『用心棒』の続編だが、こちらも非常に面白い。引き立て役の若侍達、絶大な
スター性を誇る主人公役・三船敏郎の冴え渡る智謀と疾風迅雷の殺陣の格好良さ、
さり気なく挿入される椿や鶯の風情、奥方や人質などの脇役達のユーモア溢れる
振る舞い、最後の1VS1の私闘、もうオール・パーフェクト。無駄なシーンが
一切なく、各登場人物の早い台詞回し、展開の早い切り替わり、工夫された
見せ方が、見る者の目をぐいぐい引き付けて離さない。 家老睦田の奥方の、「あなた、抜き身ね。」「いい刀はちゃんと鞘に入ってる ものですよ。」というさり気ない台詞が、ラストに生きてくる。息づかいの聞こえて きそうな30秒もの対峙を経て、抜き放たれた2つの白刃の交差。宙を舞う夥しい鮮血。 「お前らは鞘に納まっていろよっ。」「あばよっ。」 相変わらず、字幕無しでは辛い。台詞が聞き取りにくいし、難しい言葉も多いのだが、 そんな欠点は気にするな。と言うか、字幕があれば気にならないのだっ。国宝級の出来。 | |||
評価 | S | 執筆者 | カンガルー【04/08/14掲載】 |
2 |
面白い!! 開始5分で「これは面白い展開になってきた!」と思わせるのは流石。次々と起こるピンチを策略で切り抜ける 展開に一気に引き込まれました。ストーリーも単純明快、無駄と思えるシーンもなくサクサク進んでいくので大 変見やすかったです。黒澤作品.白黒映画を倦厭している人にお勧めしたい一作。演技がいかにも芝居じみてリ アリティに欠けるのですが、その分娯楽面に徹しているので気になりませんでした。 冒頭で若侍達の「こうなったら死ぬも生きるも我々9人!」という台詞に対し「10人だ!てめぇらのやる事は危 なくて見ちゃいられねぇ!」と椿三十郎が味方になるシーンは最高にかっこいい。椿三十郎が去った後、さりげ なく若侍達の突っ込み役を担ってくれる押入れの侍もいい。椿屋敷が舞台なのでカラーだったらさぞ綺麗だろう と思いつつ、ストーリーの鍵となる椿がいかにも作り物っぽいので白黒で良かったかも。椿が川を流れるシーン は、それまでの殺伐とした空気を変えてくれるような美しさでした。そしてラストシーンの緊張感が凄い!長い 「間」の中で、緊張のあまり息ができませんでした。何度見返しても面白い作品です。 | |||
評価 | S | 執筆者 | 飼い主【06/11/14掲載】 |