<<HOME

■「障害者自立支援法」が全面施行―利用一割負担に不安広がる  (2006.10.11)

子どもを犠牲にしない
これまでどうりの負担を続けて欲しい
―障がい児の母親からの切実な訴え―
 「地域での自立と就労をめざす」とした『障害者自立支援法』が十月一日から本格的に動き出しています。施行日の四月一日からは、福祉サービスの利用に対する一割負担が先行して始まり、十月からは身体、知的、精神の障害別ごとに分かれていたサービスを一元化した新しい事業に移行します。 しかし、これまでにない大きな「法改定」だけに、「これまでどうりサービスが受けられるのか」「定率一割の利用料はとても払えない」など、障がい者と家族のなかに戸惑いと不安が広がっています。

一割負担の実施で、年に28万円もの負担増に
こうした状況のなか、今月四日、知的障がい児をもつ親御さんから、十月一日からの通所施設の利用者負担料の大幅引き上げについて、訴えと要望がありました。
 お話では、Aさんは、これまで月額一四,五〇〇円の利用料が三二,七一四円へ、一八,二一四円の増加。Bさんは月額九,三〇〇円が三二,七一四円へと引き上げられ、一挙に二三,四一四円もの負担増になりました。この方は、年額にして二八〇,九六八円もの負担増になります。

「応益負担」の導入は、発達を阻害
こうした大幅な負担増は、障がい児の発達をささえる「療育」の立場ではなく、自民党・公明党政府がすすめる社会保障基礎構造改革の一環としての、負担の公平や制度の持続などの名目による応益負担の導入によるものです。結局のところ、保護者の収入の範囲内での通所しかできなくなってしまいます。
 この施設の利用料は、基本料金と食費で一日あたり一,四八七円です。先のBさんは、「これまでの措置の金額でやってほしい」とおっしゃっていました。Bさんがいう従来の利用料の範囲とすると、Bさんの子どもは一ヶ月にわずか六日しか通所できないことになります。一ヶ月のうちの十六日間は、自宅で過ごさねばなりません。国の行為が、知的障がい児の発達を阻害しているのです

自民党と公明党が悪法を強行可決
障がい児いじめのこの法律を、昨年年十月三十一日の特別国会で、日本共産党などの反対を押し切って強行可決したのは自民党と公明党です。「福祉の党」と自認する公明党は、自らの理念に反するこの行為を、この党の支持者にどう説明しているのでしょうか。
 日本共産党の『障害者自立支援法実施にむけての緊急要求』は、こう言います。
「(障害者自立支援法は)身体・知的・精神の三障害にたいする福祉サービスの提供の一元化など関係者の声を反映した部分もあります。しかし、障害者福祉にも、“自己責任”と“競争原理”を徹底して、国の財政負担の削減をおしすすめようとする小泉「構造改革」のもとで、多くの問題点を抱える制度となっています。とりわけ重大な問題は、利用料は能力に応じて負担するという「応能負担」原則を、利用したサービス量に応じて負担するという「応益負担」へと転換したことです。障害者が人間としてあたりまえの生活をするために必要な支援を、「益」とみなして負担を課すという「応益負担」は、憲法や福祉の理念に反します。」(二〇〇六年二月二十二日)

自治体の負担軽減策求めます
法律は施行されましたが、国や自治体には、憲法第二十五条が保障する、障がい者が人間らしく生きる権利をまもる責任があります。
 私たちは、国にたいして「応益負担」を撤回することを引き続き要求すると同時に、重い利用料負担のためにサービスが受けられなくなる事態が起きないよう、自治体に負担軽減策の実施や拡充を求めます。
 二人の若い母親(保護者)の真剣な要請を受けて、私たちは全力で応援しようと考えています。