■「静岡県後期高齢者医療広域連合規約案」に対する反対討論

「静岡県後期高齢者医療広域連合規約案」に対する反対討論

 

20061213日 11月議会

日本共産党市議会議員 下山かずみ

 

 私は、日本共産党議員団を代表して、『静岡県後期高齢者医療広域連合の設立』について、反対討論を申し上げます。

反対する第一の理由は、75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度の創設が、保険料負担増とともに、高齢者への差別医療をもたらすものであるからです。

保険料について、実施時点の2008年度の推計が示され、全国平均で応益割月額3,100円、応能割月額3,100円、合計月額6,200円、年間で74,000円となっています。低所得者への軽減措置も予定されていますが、75歳以上のすべての高齢者から保険料を徴収し、滞納者からは保険証を取り上げることまで法定化されています。現役世代の保険料、これは制度上「支援金」と呼ばれますが、「現役向け」と「高齢者向け」に明示的に区分することともあいまって、介護保険と同様に給付の抑制につながり、現役世代と高齢者との差別意識を強くもたらすものだからです。

第二に、国民健康保険制度のもとで、特別な理由なくして、一年以上保険料を滞納したとして「資格証明書」の発行を受けた被保険者の多くが、受診を控え、医療から遠ざけられており、健康悪化を引き起こすなど大きな社会問題になっています。この措置が国保では資格証明書の発行対象から除外されていた高齢者について、新たな後期高齢者医療制度ではその対象とされるなど、憲法第25条にうたわれた生存権を否定する重大な問題をはらんでいるからです。

第三に、広域連合議会は、住民から直接選ばれない議員により、保険料や保険料の減免の有無、財政方針、給付計画など、高齢者の生活にかかわる重要な問題を決定されます。三島市の国保には、住民の長い間の運動によって低所得者に対する保険税の減免制度が作られています。この制度自身まだ不十分さがありますが、後期高齢者医療制度を運営する広域連合では、独自の財源を持たないために、一般財源の繰り入れによる保険税減免が困難になり、これまでの低所得者への措置を講ずることが予定されていません。

全国市議会議長会は、本年1月に『後期高齢者医療制度に関する緊急要望』を発表し、その中で、「広域連合の運営にあたっては、構成する市町村議会の意見等が的確に反映されるような仕組みとすること」を求めています。しかし、予定される広域連合議会の定数は20名で、市議会議員からの選出は、その内わずか6名しかありません。県下631名の市議会議員の0.95%では、三島市からの選出は当初から望めないのです。これでは、三島市民の声の反映はまったく保証されないからです。

第四に、国保制度には、国保運営協議会があり、被保険者などの意思が反映される仕組みがありますが、当規約案には示されていません。本年613日の参議院厚生労働委員会の『「健康保険法等の一部を改正する法律案及び良質な医療を提供する体制の確立のための医療法等の一部を改正する法律案」に対する付帯決議』では、「政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。」として、その第二項で「後期高齢者支援金を負担する保険者等の意見が広域連合の運営に反映されるよう、保険者協議会の活用等について指導を行うとともに、意見を聞く場の設定について検討を進めること。」が決議されています。しかし、政府の示したモデル規約に基づく本規約案には、「保険者協議会」の規定はなく、まして、被保険者である市民の声を広域連合の運営に反映する仕組みも想定されておらず、このことは、とりもなおさず、国や県などの方針が色濃く反映されることになり、地方分権に反する中央集権の非民主的な運営になる恐れがあるからです。

幾つかの問題点を挙げましたが、危機に直面している医療保険制度の改革案としての性格をはらみながらも、それを、医療抑制や制裁措置を含む高齢者への負担増として行うなど、後期高齢者医療制度をすすめる広域連合の設立は、容認できるものではないことを改めて申し上げ、反対討論といたします。