プラネタリウムの製作・「ミルキーウェイ」

ご要望のプラネタリウムの説明です〜
なんつーか、親が手を出した部分が多くて・・・これでも本人がやりたかったことの一部分しか実現できてないんですけどね。
まぁ、小学生の科学作品や発明工夫なんて、親子でやってこそ意味があるとは思ってますけど。

全体はこんな感じ。こりゃ見たよねw
足の足りないバクテリオファージって感じです。
 <クリックするとでかくなるかも?

恒星球は黒い画用紙に、星図をプリントした型紙をのりで貼って、それを組み立てただけ。
でも、その星図は結構苦労しました・・・
はじめは、天文年鑑の星図を拡大、裏焼きでコピーし、それを組み立てれば済むと思っていたんだよね。
ところが、組み立ててみると、天の北極方向の星図と、外周の星図が合わない・・・
まるっきり考え違いをしていますた。図面屋としてちょっと恥ずかしいかもw

で、ちょっとキレました。ちょっとメーリングリストでも書いたけど、個人でプラネタリウムを作られている大平さんという方のウェブページにピンホール式のヒントがたくさん載ってたんですよ。それを参考に、恒星球の展開図を作り始めたんです。
まず、仕様の決定から。

表現する恒星の等級は6等星まで。1等星の投影したときの星像は1度以下。ちょっと大きい気もするけど・・・
ためしに画用紙とコピーした星図を張り合わせた物に穴をあけてみると、小さい穴の限界が直径0.3mm。
この0.3mmの穴を6等星としたとき、1等星は明るさで100倍、直径で10倍の大きさにしなきゃならない。
とすると恒星球表面で3mmの穴、これを1度以下にするとなると、恒星球の直径は344mmにもなっちゃう。
色画用紙を使ってその大きさで作るとなると、0.3mmの穴ですら穴をあけるときの力に耐えられなくなっちゃってる。

ここで1等級違いを約2.5倍の明るさの違いにすることができなくなっちゃったわけ。
色画用紙で作った場合、実験(失敗した天文年鑑の星図のやつ)で、限界が250mm程度だってわかったんで
それから逆算して、1等星の穴径を2mm、6等星の穴径を0.3mm、1等級違うと明るさが約2倍ってのが決まったのよ。

いちおう穴の大きさなど・・・
   〜1.5等:2.0mm
1.5〜2.5等:1.5mm
2.5〜3.5等:1.0mm
3.5〜4.5等:0.7mm
4.5〜5.5等:0.5mm
5.5〜6.0等:0.3mm

このへんが説明不足だったんだよね。恒星球を大きくできないし、といって穴を小さくもできない。6等星までしか投影できないのはその辺が理由なんだよね。まぁ、6等星まででも恒星数は約5000個。これ以上だと小4には穴あけでキレる可能性が出てくるw

 

恒星の位置と明るさのデータは、100万個を誇るヒッパルコス衛星のカタログを使おうとしたんだけど、マシンのメモリ不足で簡単にはできなかった・・・それで6等星までならということでイェール輝星カタログっていうパブリックドメインなデータがあるんで、それを使って作図した。

方法はぜんぶCADのマクロでやろうとしたけど、けっこうめんどくさい。一気にやるのをやめて、中間のデータファイルを作ることに。VBで6等星までのデータを抜き出し、意味不明なレコードを削除し、赤経、赤緯、等級だけの簡単なテキストに変換、それをCADのマクロで5つの投影面に分けて展開図を作った。赤緯-67.5度よりも南は軸が来るし、ここからじゃ見えないので省略。つーか、ピンホール式の恒星球1個じゃ不可能なんだよね。
 

 

上は恒星球をはずしたところ。パイプのフレームにくるくる回るリングがついていて、パイプの先端にはミニマグ用の電球がついているだけ。その周りには地平線以下に星を映さないように、地平カバーが付いてる。これがあると、投影したときのリアルさが違う気がするw
ミニマグの電球は、フィラメントが小さくて、配光が比較的いいので使った。ただし、他メーカーの電球だと、ガラスがレンズになっちゃって、フィラメントが投影されちゃうなんてのもあった。配光はいいんだけど、すぐに黒くなってくるのがいまいち・・・
ソケットは、ICソケットを切り取って使ってみた。横向きで接着して、電球の足を90度曲げてある。位置はちゃんと計算されてる。角度とかw

これは日付と時間を合わせる目盛り。どうってこと無いけど・・・

で、投影してみたところ。
写真で見ると、かなりきれいに投影されてるように見えるけど、実際は1等星なんて月よりでかい!w
あんまりスクリーンまでの距離を取らずに投影するほうが大きさが気にならないね。おもしろい効果だと思う。

投影する前はこんな感じ  電気を消すとこんな感じ
 
左下のぐちゃぐちゃしてるのは恒星球。

では、あちこち撮ってみたので、ギャラリーなんぞ・・・
 
 

↑夏の大三角形。右上にこと座、その左にはくちょう、下に行ってわし。
デネブでかすぎw
 
 

恒星球も写っちゃってるけど、北の空。
北斗とカシオペアが北極星の両側にきてる。あれ?こぐまの一部が無いなぁ?

 

 

冬の空、代表格のオリオンとおうし、ぎょしゃあたり。カペラもでかすぎ〜!
 
 
 

チトぶれたけど、これも冬の空。
右上よりもちょっと下で、冬の大三角形が写ってる。ファインダーでほとんど見えないんで、アングルがいまいちなのはご勘弁・・・
 

こっちは秋の空。ペガススの四辺形が写ってる。天井に映ってるんだけど、真上じゃなかったんでそうとう歪んでますなぁ・・・
 
 

沈むさそり。アンタレスより右側は壁が違うんで明るさがいまいち暗くなっちゃってる。アンタレスが赤いのはそのせいで、わざと赤くしたんじゃないよw
 
 

彼女が言うには、モータードライブが欲しいんだと。あと、南の星も映せるようにしたいとか・・・
恒星数ももっと欲しくて、星像はもっともっと小さく。 星像をちっちゃくしたいのは激しく同意!
惑星投影や月までも欲しくなったみたいだけど、一番難しい提案は専用のドームw

あ、富士ニュースにたまたま載りました!けっこうラッキーかもw

来年は違うことやるんだと思うけど、なんとなく不安なのは気のせいか・・・w