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 ミスバーベナ学園コンテストの巻 〜 キキョウ編 〜

                    震天 さん

「シア」
「おぉっと! 土見君はシアちゃんに入れたー!」
「いや、違うぞ」
「へ?」
「シア、チェンジ」
「え、うん」

 シアの目が少しつり上がる。
 それと同時に、シアの周りの空気が少し変わる。

「稟。何でいきなり呼び出すかなぁ〜?」
「お前に票を入れるからだ」
「え、飛び入りでいきなり優勝? マジ?」
「いいなぁ〜、キキョウちゃん。稟くんに選ばれて」
「あはは、あたしに言わないでよ。何で選ばれたのかわからないのに」
「あ、でも。私が出場しなければキキョウちゃんが選ばれる可能性はなかったの
 かな?」
「そうかも。じゃあ、半分はシアのおかげね。ありがとう♪」
「お前ら、相変わらず器用だな……」

 表情がころころ変わり、二人が変わっているのがよくわかる。
 この二人、実は不自由と感じる事はまったくないのだ。

「えっと、じゃあ、土見君。優勝はキキョウちゃんでいいの?」
「あぁ」
「と、いうことになりました〜!」
「あたしも絶対命令権はもらえるんだよね?」
「もちろんですよ」
「じゃあ、稟」

 キキョウがニヤッと口元をつり上げる。
 明らかに何か企んでそうです。

「一日あたしの奴隷ってことで♪」
「……」

 稟が頭を押さえる。
 しかし、頭痛が起きたとか、目眩がおきたという表情ではない。

「お前に言われても大して違和感ないのはなんでだ?」
「あたしが魔族だからじゃないの?」
「ネリネに言われたら物凄く違和感あるぞ?」
「……稟、あたしの言う事聞きたくないの? そういう態度とって良いの?
 あたし泣いちゃうよ?」
「……参りました」

 土下座をして即時の無条件降伏をする。
 どうやら、泣かせたら敵がどっと増える事を悟ったのでしょう。

「……ごめん、ちょっとタイム」
「なに?」
「命令、少し変更。あたし達の奴隷にってことで」
「……えっと、どこまで?」
「メインヒロイン全員の」

 しれっと答えるキキョウ。
 この変更でかなりがっくりと項垂れる稟。
 で、他のプリンセスたちはなにやら楽しそうに相談中。

「土見く〜ん。こんな可愛い娘達の奴隷になれて嬉しいか、この〜♪」
「……表裏一体って言葉知ってるか?」
「ちなみに、様子はバッチリ撮影予定なので、よろしく〜」
「……何も言う気が起きん」
「土見君の気力が著しく低下したところで、これにてお開き。ミスバーベナ学園
 コンテスト、優勝者はキキョウちゃんでした! では、次は第二回ミスバーベ
 ナ学園コンテストでお会いしましょう! さようなら〜!」
「って、続くのか!?」

 バーベナ学園に土見稟と土見ラバーズがいる限り、コンテストは続くのでした。



追記
本来なら司会進行を勤めるのは緑葉樹のはずでしたが、とある諸事情により、あ
る女生徒によって封印、監禁され、この結果を見ることが出来ませんでした。


                                           Fin.



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