「ネリネ、かな。やっぱり」
「稟さま……」
「勝負あった〜! 優勝はネリネちゃ〜ん!」
どこからともなくゴングを取り出し、鳴らす司会の麻弓。
って言うか、格闘技?
「いやぁ、接戦でしたが、今の感想は?」
「はい。稟さまに選んでいただけた。それだけで、胸が張り裂けそうです」
「ネリネ……」
「稟さま……」
お互い見つめ合う稟とネリネ。
愛し合う二人の間にはラブラブ空間が展開されているのです!
さらに、その周りには嫉妬空間も展開されております!
「はいはいはい。今はそのくらいにして、リンちゃん。絶対命令権、誰になにを
命令しますか?」
「それはもう、最初から決めていました。稟さま!」
「は、はい!」
ネリネの気合いの入った眼差しを受け、気をつけ、をする稟。
ネリネの頬は少し、いや、かなり赤くなっていた。
ま、それもそうでしょう。
次の発言聞いたら、納得しますって。
「わ、私と稟さまで……子供を作りましょう!」
「は?」
「へ?」
「「「「え?」」」」
「「「「「なぁぁぁにぃぃぃぃぃっ!?」」」」」
「これはとても大胆な命令が出てしまったのですよ! なんと、土見君とリンち
ゃんの子作りです! ●●●して■■■した後に――」
「具体的に言うなー!」
もう大混乱な舞台上ですね。
そう言えば、こんなおめでたい時に魔王様はどうしたんでしょうね。
「では、ネリネちゃん。ベッドの用意は既に出来ているよ」
「おわっ!? どっから湧いて出たんですか?」
「どこからでも湧くさ。私は魔界の王だよ?」
どこからでも……。
(考え中……)
こわっ!!
「って、先にそこ突っ込んでしまったけど、ベッドの用意って……」
「あ、心配しなくても邪魔なんかしないさ。他の干渉も出来ないようにしっかり
結界は張っておくから。安心して、子作りに励んでくれたまえ」
魔王様が指を鳴らすと稟とネリネが消える。
……淡い色の空間、かな?
「と言う事で、ミスバーベナ学園コンテスト、優勝者はネリネちゃんでした!
では、次は第二回ミスバーベナ学園コンテストでお会いしましょう! さよう
なら〜!」
「って、続くのか!?」
「稟さま……」
「ちょ、ネリネ……そんな格好で迫られたら、俺の理性が……」
バーベナ学園に土見稟と土見ラバーズがいる限り、コンテストは続くのでした。
追記
本来なら司会進行を勤めるのは緑葉樹のはずでしたが、とある諸事情により、あ
る女生徒によって封印、監禁され、この結果を見ることが出来ませんでした。
無断転載厳禁です。
show flame