「プリムラで」
「ここで意外な事実が判明! 土見君はロリコ――」
「何で投票しただけでそっちの世界に押し込まれなきゃいけないんだ!?」
麻弓は稟の反論を無視してプリムラに耳打ちしてなにやら吹き込んでいる。
プリムラは頷くと稟の前にとてとてとやってきた。
「お兄ちゃん……あの日の夜の事、忘れちゃったの……?」
すこぶる演技が上手いのか、目をウルウルとさせ、艶めかしい声で言った。
「稟くん! リムちゃんと何かあったんですか!?」
「稟様がそう言う趣味でも、私は稟さまを愛し続けます!」
「何なら、稟君の趣味に合わせて変身魔法で!」
「お前ら! 麻弓がプリムラに何か吹き込んでたの見てただろ!」
純粋な娘さんたちなんですよ。
そう責めるでない。
「土見君。そんな細かい事で……」
「お前のせいだろ!」
「それで、リムちゃんは誰になにをお願いするの?」
「命令じゃないのか?」
「バカね、土見君。リムちゃんには命令と言うより、お願いの方がしっくり来る
のですよ。リムちゃんにスクール水着がこれ以上にないってくらい似合う様
に」
「……わかりにくいようでわかりやすい例えだな」
こうやって稟はロリコンの道へと歩んでいくでした、と。
「……決めた! ネリネお姉ちゃんに!」
「え? 土見君じゃないの?」
「うん。お姉ちゃん、耳貸して」
プリムラが耳打ちし、ネリネに手を合わせてお願いする。
お願いされたネリネは少し戸惑いながら稟の前に出る。
「ネリネ?」
「あの、稟様……ごめんなさい!」
ネリネが手をかざすと稟が煙に包まれる。
その様子を見て、プリムラがわくわくしている。
で、煙の中からでてきたのは……。
「……にゃ?(は?)」
首をかしげた猫が出てきた。
……頭のいい人なら、何が起こったかわかりますよね?
「猫だ」
「猫さんですね」
「で、土見君は?」
プリムラとネリネ以外の土見ラバーズの皆さん+麻弓が顔を見合わせて、何か
の考えに至ると、現れた猫を見下ろす。
その猫はと言うと、自分の前足(手)を見てかなり驚いている。
「にゃ、にゃんにゃにゃにゃー!?(な、なんじゃこりゃー!?)」
「この猫だね」
「稟君が猫に……」
「稟ちゃん、可愛い〜♪」
プリムラが稟を抱え上げる。
「お兄ちゃん猫〜!」
「これがリムちゃんのお願い?」
「うん! お兄ちゃんを猫にして欲しかったの!」
「これはまた変化球な攻め方ね〜」
「ってことは、稟ちゃん。その姿の間はリムちゃんの玩具?」
「うん!」
「にゃ、にゃん……?(な、何……?)」
文字通り、愛玩動物。
どういう扱いを受けるのか、これから楽しみですね〜。
「と言う事で、ミスバーベナ学園コンテスト、優勝者はリムちゃんででした!
では、次は第二回ミスバーベナ学園コンテストでお会いしましょう! さよう
なら〜!」
「にゃっ、にゃにゃにゃにゃにゃ!?(って、続くのか!?)」
バーベナ学園に土見稟と土見ラバーズがいる限り、コンテストは続くのでした。
追記
本来なら司会進行を勤めるのは緑葉樹のはずでしたが、とある諸事情により、あ
る女生徒によって封印、監禁され、この結果を見ることが出来ませんでした。
無断転載厳禁です。
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