「…ったく、なんでこんなことに…」

予想もしなかった展開におもわずつぶやく。

「えーっ、なによぉ祐一は私といるのイヤなのぉ?」

「いや、そういうわけじゃなくてだな・・・」

「ほんとはうれしーでしょお、ほらほら」

と、いって俺の目の前の美女はジャンボな胸を押し付けてくる。

(普段にやってくれるとうれしいんだけどなぁ…)

「あ、あははーっ」

佐祐理さんでさえあまりの彼女の変貌ぶりに声は笑っているが顔は笑っていない。

・・・・・・・・・・

…察しのいい人ならもうお分かりであろう。

そう、俺の腕にしがみついているこの積極的な美女は・・・。

「今日は特別にこの舞ちゃんがお酌しちゃおーかなっ」



舞だった。






  うっでぃ デビュー作にして衝撃の問題作

                     お酒は20歳になってからっ
                                                          written by woody



「えへへ〜、ゆういちぃ〜」

「こらっ、舞っ!!!あまりくっつくなって、いろんな意味でキツイから」

もうこの状態が20分近く続いている。

手を出したいのはやまやまだが、ここは佐祐理さんち。

しかも後ろにはすでに顔がひきつっているMyラバーの佐祐理さん。

…そろそろ目がかすんできたかも。

「?、どしたの祐一」

俺の苦しみを知ってか知らずか純粋な瞳で俺に問いかける舞。

…………かわいい。

普段の舞はとにかくクール(何を考えてるかわからないときもあるが)で、ほとんど無表情に近い。

それが魅力のひとつでもあるのだが、今日の舞は性格が変わりすぎている。

「むー、祐一の背中あったかーい」

…いうなれば「まこぴー化」とでも言えばいいだろうか。

しかし、あうーにはないダイナマイトバディと普段とのギャップが破壊力を増大させている。(あうーっ、うるさいわねーっ)


・・・というのも、3人で住んでいるアパートに舞と俺が帰ってくると今日は家にいた佐祐理さんが、

「どうぞ、飲み物です。倉田家からもってきたものなんですよ」

といって舞と俺に烏龍茶のような飲み物を出してくれた。

「ありがとうございます、佐祐理さん」

甘いにおいがするが、隠し味だと思って気にしないことにする。

・・・今思えばそれがいけなかった。

ゴクっ。

「・・・ん?、佐祐理さん、これなんです?」

烏龍茶だと思っていたが、やっぱりどこか甘さがある。これ、どこかで飲んだような・・・。

「烏龍茶ですよね、このボトルにはいってましたー」

そういって、佐祐理さんは1本のボトルを出した。

・・・ってウイスキーボトルぢゃん。

「・・・佐祐理さん、ひょっとしてわざと・・・?」

「あははーっ、ちょっとしたおちゃっぴーですよー」

・・・いや、おちゃっぴーって久しぶりに聞いたぞ、オイ。

「「…ってそういえば、舞は!?」」

佐祐理さんと同時に舞を見ると。

「・・・これ、おいしい」

ボトルをラッパ飲み。


・・・・・・そして現在に至る。



「・・・あははーっ、祐一さん浮気しちゃだめですよーっ」

(…声のトーンが低すぎですっ、佐祐理しゃん。)

「祐一は私がもらうねーっ」

(また佐祐理さんにケンカ売るようなこと言わないでください、舞さん。)

ぷちっ。

・・・なんかいまイヤな音が。

「舞っ!!いいかげん祐一さんを返してよっ!!」

「いやよぉ、あたしまだあきらめたわけじゃないもーん」

「え、えと・・・あの・・・舞も佐祐理さんも落ち着いて・・・」

「「祐一(さん)はだまっててっ!!」」

「・・・はい(泣)」

・・・もう止められない。そう悟った俺は逃げるようにベランダへ出る。

部屋の中とは裏腹に雪国らしい澄んだ夕焼け空が広がっていた。

「はぁ・・・」

ふと思う。

つい1ヶ月前はこんな風にまた3人で遊んでいられるなんて思ってもいなかった。

ついこの間まで舞も佐祐理さんも平穏とは程遠い状態にあった。肉体的にも。精神的にも。

だからこそ、今こうして3人で楽しく暮らしていられることに皆喜びを感じていた。

「幸せなんだろうな・・・」

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どのくらいの時が経っただろうか。

いつのまにか追憶にふけっていると夜になっていた。

ふと耳を澄ますと、部屋に静寂が戻ったのに気づいた。

そーっと部屋をのぞいてみると・・・。

「「すーっ、すーっ」」

二つの寝息が聞こえてきた。

横の窓からそそがれる月明かりが2人の寝顔を照らしていた。

「・・・ははっ、まいったな・・・」

そういって俺は2人に毛布をかけた。

そして二人の額にそれぞれキスをした。

確かに佐祐理さんは恋人だ。

でも、舞は失うことのできないかけがえのない家族なのだ。俺にとっても。佐祐理さんにとっても。

「・・・二人とも大好きだぞ」

そういって二人の部屋を後にした。



しかし、佐祐理さんが俺が寝てる二人になにか言うだろう、ということを見越して秘かにボイスレコーダーを

ポケットにセットしていて大騒ぎになったのはまた別の話。












〜あとがき〜

ゴメンナサイ。
まったくわけわかりませんね。
舞が酔ったらこうなるっていうのはたんなる思いつきです。
最初の文、ということなのでほのラブ系統で。
初めて書いたものだったのでへったくそな文ですが、成長して行ければいいなと思っております。
これからもどうかお願いいたします。

                              あははーっ、戻りますよーっ