「・・・・・・。」
・・・相沢さんはまだでしょうか。
今日は恋人になって初めてのデートです。
それにしても・・・。
暑いです。
雪国とはいっても夏は暑いですから今日はだいぶ薄い服装で来たはずなのに・・・
ジリジリ
あっせだくです。
・・・しかし、せっかくのデートです。
相沢さんにだらしない姿をさらすわけにはいけませんね。
思いつき度100%SS
LOVER SOUL
written
by Woody
しかし今年の夏は本当に暑いですね。
陰がなかったら私のお肌を確実に蝕んでいくことでしょう。
でももしそうなったら相沢さんに責任とってもらいますけど。
それにしても浅はかでした。
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〜昨日の学校〜
栞さんに今日のデートのことを伝えたら、
「いいですか、美汐ちゃん。デートは『
どらまちっく』なモノなんです」
「はぁ・・・」
「そのためには、『影の苦労』というものが必要不可欠なんですっ!!!」
「・・・」
「そーだ!!私が『どらまちっく』なデート、というのをレクチャーしてあげましょう!!」
・・・というより、栞さんの
妄想ゲフンゲフン、想像なだけなのでは・・・。
「まずは待ち合わせの場面ですね。」
「ってもうレクチャー始まってるんですかっ!?」
「『おーい、美汐、待ったかい?』『いいえ、私も今来たところよ』。そう美汐ちゃんは答えます」
「はぁ・・・。」
「しっかーしっ!!!じつは1時間前には現場入りしていたのですっ!!!」
現場入りって・・・私を女優かなんかと勘違いしてるんでしょうか。
「そこで祐一さんが安心します、『そう、ならよかった』『ええ、ほんの1時間ほどだか・・・あっ』ここで場面はクライマックスーっ!!」
待ち合わせの時点ですでにクライマックスですか・・・。
「『なっ!!そ、そんなにまっててくれたのか!?』『ごめんなさい・・・。だってあなたを想うと待ちきれなくて・・・』。だーっ、浪漫だねぇ」
浪漫だねぇ、って・・・飲んだくれのおやじですか、あなたは。
「『そんなに俺のことを・・・。ごめん美汐っ!!』『祐一さんっ!!』ここで愛の抱擁っ!!」
・・・栞さん将来シナリオライターにでもなったらどうでしょうか。いかにも昼間の奥様方が喜びそうなシナリオですし。
「『美汐・・・』『祐一さん・・・』二人みぃつめあってぇー、そこで
熱ーいチッスを・・・」
・・・・・。
・・・・いいかもしれません。
ハッ。
栞さんワールドに飲み込まれるところでした。
・・・でもそのシチュエーションはいいですね。
明日は待ち合わせ場所に早くいってみましょうか。
そう決意して学校を後にしました。
「そこで二人の愛はヒートアップ!!もはや二人の愛を引き裂くものは・・・」
後でどなたか騒いでるような気がしますが気のせいでしょう。
というか、気のせいにしないといけませんね。
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〜そして現在〜
誤算でした。
今日は30度ぐらいまで上がるそうです。
30度、という言葉を甘く見た私がバカでした。
それにしても、なかなか相沢さんが来ませんね。
どうしたのでしょうか。
ぴとっ
「ひゃあっ!!」
「おっ、可愛い反応」
思わず後を見ると手に2本の缶を持った相沢さんが。しかも、草むらから。
・・・・・・。
「・・・なんでそんなところにいるんですか?」
「いやぁ、天野を驚かそうと思ってな。可愛い反応だったぞ」
ぽんっ
かわいい、だなんていわれちゃいました・・・。ずるいです。
で、でもっ、ここで負けたらだめですよ、美汐。
顔を無理やり引き締めて・・・。ふぁいと、おー。
「酷い人ですね。」
「そうか?無理やり早く来て「おそいですよ」なんて言うような方がひどいと思うけどな」
「ずっといたの見てたんですかっ!?」
「まぁな。ソワソワしててなかなかおもしろかったぞ」
「・・・こんな酷なことはないでしょう」
ほんっと、酷い人ですね。
いくら菩薩様のような私でもこれはビシッといわなければなりませんねっ。
「相沢さ「天野」・・・え?」
突然真剣な顔になった相沢さん。
「どーせ栞かなんかに妙なこと聞いたんだろうけどさ」
・・・図星です。
「他のやつらの作ったシチュエーションなんかもいいんだろうけど・・・」
「そういうのに憧れるんだったら俺たち自身でそういうのを作ったほうがいいだろ?」
・・・・。
「・・・なんか余計顔が暑くなった気がします」
「ははっ、俺もだ。ほれ」
「きゃっ。」
そういって相沢さんがジュースをまたほっぺたにくっつけてきました。
「もう、相沢さんっ!!」
「うわっ、こえーこえー」
他人から見ればまだ「恋人」には見えないかもしれないけど。
他人から「似合わない」なんて言われるかもしれないけど。
あなたがこんな私を「恋人同士」といってくれるのなら。
あなたが私にずっと頬笑んでくれるのなら。
他人からなんと言われようと私はどこまでも付いて行く。
このどこまでも広がる青空のように-----------。
〜あとがき〜
何なんですか、この文は。
もっと綺麗にまとめようとしたのですが、失敗気味・・・。
まぁ、青二才の若造の文だと思って許してください。まじで。
戻りたいんですか? 了承