「みんな、準備できたか?」
「「「「「「はーい」」」」」」
「旅行をする」と決まってから2週間。
みんなで計画を練りに練ってついに出発の日が来た。
3日間のバカンスが始まる。
参加メンバーは水瀬家3姉妹と美坂家姉妹と秋子さん、それに俺。
------------今気づいたけどこれってハーレム状態じゃん。
やったな、俺。
後編のオチまったく考えてねーぜ、まいったかSS
爆裂!!かのん旅行記
「毛布なんていらねぇぜ、夏」編 第2話
written by woody
秋子さんはいつのまにかマイクロバスをチャーターしていた。
運ちゃんはもちろん秋子さん。まぁ、秋子さんなら大丈夫だろう。
「さっ、荷物を積んだらみなさん乗ってください」
「「「「「「はーい」」」」」」
あきらかに3日間の旅とは思えない量の荷物を積んでいく。
「祐一さんっ、旅行楽しみですねっ」
栞がとびきりの笑顔で話しかけてきた。
「そうだな、ずっと計画してきたもんな」
「・・・そしてホテルで祐一さんと熱い一夜を・・・ぐふふ」
「・・・栞?」
「あっ、なんでもないですなんでもないです」
ちょっと寒気がしたがまあ大丈夫かな。
「相沢君」
次に話しかけてきたのは香里だ。
「今日は誘ってくれてありがと」
「なに、大勢のほうが楽しいしな。それに・・・」
「それに?」
香里がなにやら期待に満ちた目をしている。
「あの3姉妹のストッパーがいないと困る」
「・・・だから私を呼んだ、と?」
な、なにやらただならぬ威圧感が・・・
「あー、うー、も、もちろん香里に来てほしかった、っつーのが本音だが」
どもりつつなんとかいい訳をづらづらと並べる。
「えっ・・・?」
香里、ぼーぜん。
お、うまくいったか・・・?
「あ、あら・・・い、いきなりそんな事いわれても・・・」
香里が突然顔を真っ赤にしてやんやん言っている。
「か、香里さん?」
「で、でも・・・栞になんていったらいいか・・・」
「おーい・・・」
手をぴこぴこ振ってみる。反応なし。
「しかたあるまい・・・」
奥の手を使うべし。
「秋子さん、ジャ・・・」
「さ、行きましょう相沢君」
香里はさっと体を翻しバスのほうへ歩いていった。いや、逃げたというべきか・・・
さて、俺も行くか・・・。
そう思ったときだった。
「あいざぁわぁぁぁぁぁ」
「な、なんだぁ!?」
声のほうを振り返ると・・・
猛ダッシュで北川が走ってきた。
「な、なにしてんだおまえ!?」
「酷いぞ相沢ぁっ!!!」
「な、なにが・・・」
「どうして俺も誘ってくれなかったんだぁっ」
・・・。
わり。忘れてた。
「一人分席余ってるんだろ?な、たのむ!!」
よく見ると北川の後ろには男物のリュック。
「な、なんで知ってんだよお前」
「何を言う、俺の美坂インフォメーションテクノロジーに不可能はなぁいっ!!」
やっぱ一回警察連れてった方がいいな、こいつ・・・。
っつーかもしこいつ連れてったらハーレムじゃなくなるな・・・。こりゃ死活問題だ。
どうすっぺ・・・。
「相沢君、何してるの?早く行くわよ」
あ、香里。
「あら、北川君じゃない」
「美坂ぁっ!!俺も行くぞぉっ!!」
「いらない」
うわ、即答。ちとかわいそうかも。
おそるおそる北川の方を見ると・・・。
北川、まっちろけ。
「さ、行きましょ」
「お、おう」
北川、放置決定。
こうして出発前からドタバタの末、なんとか車に乗り込んだ。
「ところで秋子さん」
「はい?」
「大型免許持ってるなんてすごいですね」
「・・・え?」
「・・・え?」
おもわず聞き返しちゃったよ。ま、まさか・・・。
「ひょっとして・・・?」
「普通免許じゃダメなんですか・・・?」
ダメなんですよ。マイクロバスって。
「マジですか・・・」
ちょっと愕然。
「・・・だいじょぶでしょ」
「え?」
何が大丈夫なんですか、という前に。
ギャギャギャギャ!!!
マイクロバスにふさわしくないホイルスピン(通常ありえません)。
「ちょ、ちょっと、お母、さん」
半分寝てた名雪も動揺。
「かっとばしますよぉーっ」
ああ、秋子さん壊れたよ。
ピーポくんのお世話にならないことを願った。
なのに。
なぜか何も注意される事なく順調に車は4時間ほど走り続けている。
公道で120km/h出してたのに、だ。
改めて秋子さんの凄さを知る。
そういえばイニシ○ルDの「秋名」ってまさか・・・。「秋」子と「名」雪・・・?
バカな事を考えてるうちに到着。
「うぐぅ、疲れたよ・・・」
爆走少女のあゆでさえもグッタリだ。
「あうー・・・」
まこぴーに関しては言葉も出ないようだ。
「そうだ、栞は!?」
病弱なんだぞアイツは!!
「楽しかったですね、おねーちゃん」
「そ、そうね・・・」
た、対照的だ。っていうか普通逆だろ。
・・・。
ま、いいや。
「おーい、お前らー先行くぞー」
「まってよぉ、ゆういちー」
「なっさけねーなー、名雪は」
「祐一がおかしいんだよ・・・」
「そうか?」
「相沢君、ひょっとしたら大物なのかもね・・・」
「ふっ、今頃気づいたかバカめ」
「・・・やっぱりただのバカ」
「舞、ひどい事いうなよ」
まったく・・・。
・・・・・・え?
「ま、舞!?」
「川澄先輩!?」
数少ない常識人の香里が声を上げる。
「あらあら」
いや、秋子さん知ってたよ。絶対。
「・・・祐一、気づくの遅い」
「ご、ごめん・・・じゃなくて!!」
「・・・なんでここにいるの?」
「それはこっちのセリフだっ」
舞と言い争っていると・・・。
「あははーっ、祐一さんじゃないですかーっ」
こっ、このハスキーボイスはっっ!!
「どーしたんですか、こんなところでぇ」
さっ、佐祐理さんっ!!
「佐祐理さんこそなぜここに?」
「このリゾートホテルは佐祐理のおうちが経営してるんですー」
佐祐理さん、あーたのお父さんは代議士だったよね・・・?
・・・ま、いっか。(いいのか)
「佐祐理たちも今日からなんですよー」
「そうなのかっ、じゃあいっしょに行動しませんか?」
ナイスな提案だ、俺。
「佐祐理たちもご一緒していいんですか?」
「いいよなっ?みんな」
「もちろんだよっ」
名雪が真っ先に賛同。
あゆと真琴もそれに頷く。
「あははー、よかったね舞」
「・・・うん」
「舞は祐一さんと一緒で嬉しいんだよねー」
びしっ!!
「・・・舞、なぜ俺にチョップをかます?」
「・・・なんとなく」
訴えるぞ、コノヤロー。
でも、佐祐理さんたちに会えたのが今日でよかったな。
今日はとりあえず休んで明日プールに行く、という計画だからな。
・・・ふっふっふ。
たくしゃん拝んでやる。
ゆうちんちょっと変態チック。
「じゃ佐祐理さん、あとで」
「あ、はいー。また後で会いましょうね」
「舞もな」
「・・・うん」
こうして俺は舞たちと一度別れた。
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「舞、ここまですべて計画通りだね」
佐祐理もどうやら祐一を狙っているようですな。
「・・・あとは時の流れに身をまかせ」
テレサ・テンですかあなたは。
「夜はしっぽり・・・だねー」
「・・・じゅるり」
ここは共同戦線ですか。なかなか強敵です。
「でも最後は佐祐理のものだからね」
「祐一は私だけのもの」
・・・どうやら内部抗争も近いようです。
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舞たちと話しているあいだにロビーでは秋子さんがチェックインをすませていた。
「部屋割りは2人部屋が2つと3人部屋がひとつです」
ふーん・・・ってオイ。
「秋子さん、俺は・・・?」
「この中の誰かと同室です」
びしっ
な、なんか空気が変わったぞ。
「ゆ、祐一の相部屋はゆずらないんだおー」
「なにいってるの、ボクに決まってるよっ」
「ゆーいちは真琴といっしょがいいよねー」
「しょ、しょうがないわね・・・一緒になってあげるわよ」
「祐一さんと朝方のコーヒーとアイスを過ごす・・・素敵ですぅ・・・」
なーんかこのままじゃ俺ヤバイ?
よし、ここはひとつ。
「よーし、わかった」
みんなが一斉に俺を見る。・・・なんか期待してる目で。
「ここはジャンケンだ!!」
「「「「「えー!?」」」」」
「だってしょうがないだろ、こうでもしないと一生決まらん」
「そ、それはそうだけど・・・」
「まあ、妥当な案じゃない?」
香里が納得してくれてよかった。
「じゃ、いくわよ。一発勝負ね。誰が勝っても文句なしよ」
「「「「はーい」」」」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ああっ、すごい不穏な空気がいっぱいですぅ。(祐一です)
「「「「「じゃーんけーんっ」」」」」
ぽいっ。
「「「「「・・・・あっ」」」」」
勝ったのは・・・。
「私が勝ちました」
秋子さんだった。
「「「「「えーっ!!!」」」」」
「ず、ずるいよ・・・お母さん」
「で、でも秋子さんならまだマシね」
「そ、そういえばそうだね」
全員しぶしぶ納得。
そして残りの部屋割りはこうなった。
香里と栞。名雪とあゆと真琴。
なんかすごい出来すぎな割りだな。
・・・でも秋子さんかぁ。
秋子さんの寝顔、かわいいだろな・・・。
「・・・祐一さん?」
「は、はいっ!!」
秋子さんに声を掛けられマジびっくり。
「私たちも行きましょう」
「そ、そうですね」
ドキドキ。
ヘンな妄想したからめっちゃ緊張するじゃんか、俺。
でも秋子さんの顔が赤いのなんでだろう。
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「じゃ、じゃんけん勝ってしまいました・・・」
秋子さん本人もビックリしているようです。
「ゆ、祐一さんと同じ部屋で寝るなんて・・・はふう」
すっかり夢心地。
「思い切って祐一さんにアタックしてみようかしら・・・」
祐一、ぴんちかも。
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そして今日の所は部屋で休憩、という事となった。
飯もそれぞれの部屋で食べる、って決まったようだ。
俺の部屋にたかってくるだろうな、と思っていたのだがどうやら本当にみんな疲れているようだ。
ま、さすがにジェットコースター4時間ぶっ通しはキツイな。
でも秋子さんはずっと運転してたのにみんなよりはピンピンしてる。
「さすがに疲れましたね祐一さん」
「そうですね」
・・・やっぱり秋子さんも疲れてたんだな。
顔に出さないけどそりゃ4時間走りっぱなしは疲れるよな。っつーか途中休憩なかったし。
・・・おつかれさま、秋子さん。
「秋子さん」
そっと秋子さんの後ろにまわる。
「なんですか?・・・きゃっ」
そのまま秋子さんの肩をもむ。
「やっぱりだいぶ固いですね」
「あっ・・・そんないきなり・・・んっ」
・・・なんかえらい色っぽい声だな。
「あっ・・・もう、ちょっと・・・そこ、んっ・・・・・いいです・・・」
「ここですか?」
「ああっ・・・気持ち・・・いいです・・・はふぅ」
・・・なんか声だけだと誤解されそうな会話だな。
い、いかんぞ祐一。俺は秋子さんとは3親等なのであって・・・。
「あっ・・・んふぅ・・・」
・・・。
こんこん
やべっ。危うく背徳の世界へ踏み込むところだった・・・。
扉をノックする音によってなんとか理性をつなぎなおすことができた。ナイス従業員さん。
「ご、御飯が来たみたいですね」
そういって秋子さんの肩から手を離す。
「あっ・・・」
そんな切ない顔で俺を見つめないでください。
「あの・・・またこんどやってくれませんか・・・?」
潤んだ目で秋子さんが訊いてきた。
「え、ええ・・・俺でよければ」
すると、目を輝かせ、
「ありがとうございますっ」
そんなに俺の肩揉みテクがよかったのかな。
こんど部活から帰ってきた名雪にもやってやるか。
そう考えつつ御飯を積んだカートを引く従業員の人を部屋の中に招いた。
-------秋子さんと部屋に2人きりで食べた御飯はどこか暖かかった。
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シャー
「はふぅ」
御飯を食べ終えた後秋子さんはシャワー中、祐一は部屋でゴロゴロしている。
「つ、ついにこの時が来ました・・・」
秋子さん、なにかを決心。
「こうなったら・・・祐一さんを大人の魅力で誘惑ですっ」
「とっておきのネグリジェも用意しましたし・・・」
「よしっ」
そして秋子さん、ネグリジェを着て部屋へ。
すると・・・。
「すー、すー」
「そ、そんな・・・先に寝るなんて・・・」
秋子さん愕然。
「うるるー、ひどいです・・・飼い殺しですぅ・・・」
「・・・でも」
秋子さんは祐一に近づき寝顔をそっと見つめる。
「ふふっ、祐一さんの寝顔、かわいいですね・・・」
「これではどうすることもできませんし・・・今日は諦めます」
「・・・でも明日こそ、ふぁいとっ、です」
おやすみなさい、祐一さん。
そんな言葉をこめて祐一の頬に軽くキスをした----。
〜あとがき〜
最近ラップにハマってます。SOFFetとかSOUL'd OUTとか。
実はこの企画が思いついたのもSOFFetの「南の島へ行きましょう」という曲だったり。
でも南の島ってほとんど行った事がないので間違った事を書きそうで恐いのでやめました。
ビビリです、うっでぃ。
今回はTVアニメの「ダ・カーポ」のネタ、パクっちゃいました。ごめんちゃい。
あははーっ、戻りますよーっ