ざざーん。

「海。それは男が『漢』になれる場所-----------。」

「・・・・・かん?」

・・・・・・。

「栞よ」

「はい」

「漢字のボケはやめなさい。笑えねーぞ」

「えうぅっ」

「それにしてもみんな遅いな」

「そうですね」

「・・・で、何でお前だけ早いんだ?」

「女の子には秘密が多いのです」

なんだそれ。



ダ・カーポの杉並ってアニメとゲームじゃ全然ちがうぢゃねーかSS




                            爆裂!!かのん旅行記

                             「毛布なんていらねぇよ、夏」編  後編

                                                       written by うっでぃ



今日は2日目。

みんなで1日中海で遊ぼう、ということになった。



「しかし、栞」

「なんですか?」

「そのクーラーボックスはなんだ?」

「んもー、祐一さんたら。わかってるくせにー」

「ま、99%わかってるけどな」

「アイスクリンです」

「明治生まれかお前は」

ふと栞とだべっていると。

「なにイチャついてんのよ」

後ろからかなりトゲのある声。わいわい聞こえるから全員いるようだ。

「よお、香里来たか---------」

・・・・・。

「な、なによ」

マブイぜベイベー。

「香里」

「な、なに」

「グッときた」

と同時にサムズアップ。

かあぁぁぁぁぁ。

お、香里の顔が真っ赤っかだ。

「それにしても・・・」

栞を見る。

「?」

香里を見る。

「な、なによぉ」

「栞」

「はい?」

「アイスによるたゆまぬ努力も大事だがな」

「言ってる意味がよくわかりませんが・・・」

「たまには牛乳やバストアップ体操も・・・ぐはっっ」

「えうー、そんっなこと言う人、嫌いですっっ」

だ、だからってクーラーボックスで殴らなくても・・・。

「それにしても香里が成長がよくて祐ちゃんうれしいぞ。ぜひ香里の全てを見てみた・・・ぐはっっ!!」

「『せくはら』ですよ、祐一さん」

「ゴメンナサイ。だからもう殴らないで」

「まったく・・・私だって祐一さんに私の全てを見てほしいのに・・・

「ん、なんか言ったか?」

「いーえ、なんでも」

なんで怒ってんだ、コイツ。

「ゆーいちさーん」

お、My脳内お嫁さんにしたいぜランカーのさゆりんが呼んでる。

「じゃ、香里と栞、あとで」





「ゆ、祐一君がそういうなら、つ、付き合ってあげてもいいけど・・・なんというか・・・その・・」

「えうー、おねーちゃん、暴走しないでくださいー」





佐祐理さんの声こっちの方から聞こえたと思ったんだけどな。

「ゆーいちさーん」

「あ、おーい!!さゆ------------」

きらきらきら。

俺に向かって走ってくる1人のビーナス。

か、輝いてるぜ。

「はあはあ、祐一さんおまたせしましたぁ」

「ぜんっぜん待ってないです」

「そーですかー、よかったですー」

「キレイです、佐祐理さん」

「あははーっ、そういってもらえて嬉しいですー」

ごんっ。

ものすごい音と衝撃を感じ後ろを向く。

・・・・・。

お、おおぉぉーー。

せくしーだいなまーいつ。

「舞」

「・・・あまり見ないで。恥ずかしいから」

その普段見せないウブなところがなお良し。

「あははーっ、舞照れてるー」

ぽかぽかぽか。

「・・・なぜ俺が殴られるんだ?」

ぽっ。

いや、顔を赤らめても・・・。




こうして3人で戯れていると。

「あれ?相沢君じゃないですか?」

突然旅行のメンバーのだれにも当てはまらないような声で呼ばれた(例えて言えば鳥○○音ボイス)。

「あれ、音夢ちゃんじゃんか。なにしてんの?」

実は初音島が誇る風見学園とわが華音学園は姉妹校であったりする。なんてご都合主義なんだろう。

「なんだ、今日は愛しの"兄さん"はいないのか?」

「ちょっと、いつも一緒にいるみたいに言わないでくださいっ・・・もう」

「"愛しの"ってのは否定しないんだな」

「あっ、えっ・・・」

「ははは」

すると音夢ちゃんのずっと後方に純一の姿を確認。

「よう、祐一。奇遇だな」

「やっぱいるんじゃねーか」

「かぁ・・・」

音夢ちゃんは顔が真っ赤だ。

「なんだよ、いちゃ悪いのか?」

「んなこといってねーって。よくこんなとこまで来たな」

「ああ。眞子んちのコネでな」

「ってことはあの娘たちみんないんのか?」

「ああ、あそこだ」

そういって純一が指で方向を示す。

「お前らんとこもみんないるんだろ?みんな呼んでこいよ。大勢であそぶのもいいだろ?」

ふむ。それもいいかもな。

「じゃあみんなに聞いてくるよ」

「おう」


--------------------------------------------

「きゃー栞ちゃーんっ!!ひさしぶりーっ」

「美春ちゃんも元気だったーっ!?」

似たもの2人が騒いでいる。まぁ、気持ちはわかるが。

「香里さんも元気そうね」

「水越さんもね」

香里と眞子ちゃんか。この2人も似てるかもな。

ってことは・・・。

「萌さんっ、萌さんっ、起きてくださーい」

ことりちゃんが寝ている萌先輩を起こしている。

「あうー、なゆきおねーちゃーん起きてよぉ」

・・・やっぱ名雪か。

でもことりちゃんと真琴は似てねーな。まこぴーとあゆあゆがタッグを組んでもことりちゃんのおしとやかさには勝てんな。

「うぐぅ、そんなことないもん」

「・・・俺、口に出して喋ってた?」

「うん。ふだん祐一君がどんな事考えてるかよくわかったよ」

怒ってる?怒ってるよね?絶対怒ってるよねぇ??

「ゴメンナサイ」

「わかればいいんだよ」

「しかし純一」

『誰か』と話している純一に話しかける。

「なんだよ」

「お前はいつからメイド属性がついた」

そう。

なぜかメイド+ネコミミな女の子が純一にしがみついている。なかなか強敵だ。

「あぅぅぅぅ・・・」

俺が怖いのかな?

「頼子さん、大丈夫だよ。こいつは一応親友だから」

なんだ一応って。

「にゃは♪祐一君だにゃー」

「あ、さくらちゃん」

「お兄ちゃんは取っちゃダメだよ。ボクのなんだから」

「安心してくれ。俺にそんな趣味はないから」

っていうか俺を何だとおもっとるんだこの娘は。

「お兄ちゃんー、あそぼー」

「ガキかお前は」

しがみつくさくらちゃんを振り払おうとする純一。

「はあ。まぁ好きにしてくれ」

「お、おい!!助けてくれって・・コラ離れろっつーの」

「にゃはは、一生離さないもーん」

お熱いことで。

「ゆーいちー、あそぼーっ」

真琴にガッチリホールドされた。

チッ、油断した。

「コラ暑い!!離れろって」

「やーだよーだ。・・・えへへー」

「動けねーだろがっ、はなれろってばさ」

・・・・・・。





「結局祐一もオレたちと変わらないじゃねーか」

「にゃはは、そうだねぇ。それより早くボクの熱ーい接吻をおうけあそばせー」

「どこの人間だお前は・・・ってやめろぉ!!」





「「これより第1回ジャンボスイカ割り大会を始めまーす」」

なぜか置いてきたはずの北川と杉並の声が海岸中に響く。

「ルールは簡単。直径3mのこのスイカを完全に割った人が優勝でーす」

「はーいはーい、質問ですぅ」

「はい、栞ちゃんどーぞ」

「優勝したらなんか賞品はあるんですか?」

「「ふっふっふ」」

2人で不気味笑いをハモらせるのやめれ。

「優勝賞品は4つのうちから一つ選ぶことができます」

「おおー、これはなんとステキなシステム!!!」

美春ちゃんがTVショッピングよろしく相槌を打つ。

「賞品は相沢、朝倉兄、杉並、そしてオレ様北川の中から好きに持っていってくれ、ということだ」

・・・・・・。

「「ってチョット待てぇぇぇぇーーー!!!!!」」

思わず純一とハモる。

「ちなみにもう宣言してしまったのでルール変更は認めません」

「「そ、そんな・・・」」

頭が痛くなってきた・・・。

「で、でも俺ら目当てで参加するやつなんていないって・・・」

「そ、そうだよな・・・」

純一とムリヤリ自分を納得させる。

「「「「「「「「「やりますっっ!!!」」」」」」」」」」

「「えっ・・・?」」



「祐一君が私のモノに・・・」

「ゆーいちがあたしの子分に・・・」

「祐一がわたしのダンナさまに・・・7年待ったよ・・・」

以下略。

・・・・。

見たくない見たくない。

そういえば純一側はどうなった・・・?

「兄さんがようやく私の・・・」

「お兄ちゃんがボクの亭主に・・・」

「暦お姉ちゃんみたいな子供を純一君と・・・」

以下略。

あ、純一がまっちろけ。

「ふっ、これで美坂はオレを選んでバンバンザイだっ・・・ふっふっふ」

やはり北川、お前・・・。

「私も参加しますっ!!!」

後ろから声が聞こえた。みんな前にいるはずなのに。

「・・・って天野!?」

「はい」

「なにしてんだこんなとこで」

「真琴から『一人旅に出る』、と聞いてませんでしたか?」

「んでここにきたのか」

「はい」

なんつー・・・。

「むむっ・・・」

杉並が横から出てきた。

「な、なんと可憐な・・・」

ま、まさか・・・。

「こちらは・・・?」

「あ、ああ。杉並だ。風見の生徒なんだが・・・」

「天野美汐さんですねっ!?」

「は、はいっ・・・」

さすがの天野もちょっと引いてる。

「なんて美しいんだ・・・。まさに大和撫子の・・・」

はいはい。






「ねえ、順番は・・・?」

眞子ちゃんが問う。

「そりゃ先にやったほうが有利よね」

「ジャンケンだな」

ぴしっ。

空気が変わったぞ・・・。

そうして30分後----------。

落ち込む人あれば喜ぶ人あり、って感じだな。





「では、スタートです!!!!」

「まずは美春からですっ」

「見よ、ばななんぱわー!!」

ぽこんっ。

「あわわわー、全然効かないですー」

「つぎはあたしねー」

つづいて真琴。

「妖狐の力ぁみせてやるわ!!!」

漫画読みすぎだって。

ぱっこーん。

・・・・ダメか?

しーん。

うーむ・・・強いな。このスイカ。

「じゃあ私ね」

つぎは眞子ちゃん。

眞子ちゃんならいけそうかも。

「おっらぁ!!」

どごーん。どごーん。どごーん。

「音が響いてるよ・・・」

なんという破壊力だ・・・。

しーん。

「な、なぜなの!?」

なんと。あれでも耐えるか。

「私の番ですね」

おっ、天野か。

天野は見た目華奢だしちょっとムリだろ。

「いきます・・・はあっ!!!」

ずんっ。

おおっ!!

眞子ちゃん以上のパワーだ・・・。なぜだ・・・?

「古武道を少々」

さいですか。

しーん。

おお。耐えますか。

「・・・もしかしてこのSSわたしの出番これで終わりですか?」

いや、わからんぞ。

「そうですか。良かったです」

そんな事気にしてたのか。




こうして次々と挑戦するが・・・。

「あっれー??どーして?」

残りは2人にして誰もクリアならず。

「次は私ですね。待っててね、兄さん♪」

ま、裏音夢ちゃんじゃないからムリかな。

「えいっ」

ぽこんっ。

音がちゃちいな。

すると・・・。

ぼっかーん。

おおっ!!

「やったーっ!!!」

「なぜ!?どうして!?」

眞子が信じられない、といった顔で言う。

「おそらくみんなの1撃1撃が蓄積されて一気に音夢ちゃんので割れたのね」

香里が冷静に状況分析している。

・・・が、顔は悔しそうだ。

「兄さんっ、やったよっ♪」

「あ、ああ。そうだな」

純一もびっくり。

「じゃ、このゲームはおしまいってことで」

「あのー、私が残ってるんですけど・・・」

・・・え?

あ、秋子さん!?なんか忘れてたかも。ゴメンナサイ秋子さん。

「で、でもスイカは割れちゃったし・・・」

「スイカならあるぞ」

そういって背中からまたスイカを取り出す。

・・・どっからでてくんだ、それ。

「ま、まあ最後だしやっときますか?」

とりあえず聞いてみる。

「はいっ」

そんな笑顔で答えられても・・・。

まあ、新しいスイカだし香里たちでもムリだったんだから大丈夫だろ。

「あきこ、ふぁいとっ・・・いきますっ」

か、かわいい・・・。

「えいっ」

ずがーんっ。

ええええええっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「やったぁ、やりましたよ祐一さん」

「そ、そうですね・・・はは」

こ、こっえーー。

一撃かよ。

謎が深まったな。

「じ、じゃあ祐一さん」

「は、はい」

「今日も一緒に寝ましょうか♪」

「「「「「「「「「「「「「「えええええええええええっっっ!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」

ちょっと待てぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!




その後誤解を解くのに3時間かかった。

もうカンベンして・・・。






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「やっぱり愛の力ですね♪今日こそ祐一さんと・・・ぽっ」

もはや前の夫のことなどわすれているかのように祐一にお熱のようだ。

がんばれ秋子さん!!!



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〜あとがき〜
ようやく仕上げました。
けっこうクロスオーバーって難しいですね。
完結編は近々公開予定。


(8/19追記)

ゴメンナサイ。
旅行に出たのが15日だったんですがてっきりUPしたものだとおもって安心してました。
そしたらUPされてなかったのです。
ということでめっちゃ遅くなってしまいました。
完結編はすぐ書くかんね。



                              あははーっ、戻りますよーっ