「第358回水瀬家花火大会をはじめるぞー!!!」
「そんなにやった事ないでしょうが・・・」
「ナイスツッコミだ、香里。さすが俺の相方だ」
「えっ、そんな・・・
人生の相方なんて・・・いやん、こんなところで・・・」
「・・・『人生の』なんて言った覚えはないんですが、香里サン」
夜の海岸。
早いもので2日目の夜になってしまった。
最後、ということで純一たちといっしょに花火大会をしよう、ということになった。
「やっとゆーいちに本気で花火投げつけられるわねー」
「真琴、いろいろツッコむところはあるんだが・・・今まての
お礼もふくめて真琴に今日はプレゼントをやろう」
「え、なに!?なにかくれるの!?」
「うむ・・・覚悟せい!!」
ぐりぐりぐり・・・。
『おおっと、クレヨンし○ちゃん以来のグリグリ攻撃だぁ!!』←実況:美春
『ツボとなるポイントをよくおさえてますね。これは熟練の技です』←解説:美汐
「痛い痛い痛い・・・」
「人註をくだーす!!」
ぺしっ。
『あーっと!!ここで相沢祐一選手、頭をはたいてフィニッシュかぁー!?』←実況:バナナ型マイクを持った美春
『瞬間的に良心が働いたのかグーじゃないところがさすがですね』←解説:みょーに解説席が似合う美汐
「いったーい・・・うぅ・・・痛いじゃないのよぉ!!」
「ダメだよ祐一ぃ、女の子をたたいちゃ」
「そうだよ祐一くん」
「俺か!?俺が悪いのか!?」
エンディングにかなり悩んだSS
爆裂!!かのん旅行記
「毛布なんていらねぇよ、夏」編 涙(?)の完結編
written
by うっでぃ
「ま、とっととやりますか」
純一、ナイスだ。
「そだな」
すると、例の北川・杉並のバカコンビ。
「さー、皆の衆!!花火はたっぷりある!存分に遊んでくれ!」
「「「「「「「「「おおー!」」」」」」」」」
「ふっ、これで愛しの美汐さんの評価アーップ・・・」
「ふっ、これで愛しの香里様の評価アーップ・・・」
・・・。
「「ふっふっふ・・・」」
「相沢君、いっしょに花火しましょっ♪」
「相沢さん、私ともお願いします・・・(赤)」
「「ガバチョッ!!!」」
二人ともまっちろけ。
合掌。(←元はといえばこいつのせい)
「相沢君、いっしょに肩を寄せ合って青春のひとコマである線香花火をしましょう」
「違います、相沢さんは私とこれからの人生の門出に打ち上げ花火をあげるんです」
「なっ・・・!!相沢君の人生のパートナーは私よ!!」
「なにいってるんですか!!相沢さんの人生の伴侶は私です!!」
あー・・・。こーなった時口を出すとろくな目にあわん、と過去の例で証明されてるな。
っつーわけで。
「なによ!!」
「なんですか!!」
すまん、二人とも。俺の体はひとつしかないのだよ・・・(←涙ながらに)。
俺はそこから思わず走り出す。
ああ、なんて罪作りなんだ、俺・・・まさにモテ・・・。
ひゅーん・・・
ずがーん!!!
「げはぁ!?」
だ、誰だ・・・俺を爆撃とは・・・。
コレは宣戦布告とみてよろしいかな・・・?
「にゃははっ、ごめんね祐一くん」
「祐一くん大丈夫!?」
「ん・・・?あゆとさくらちゃんじゃないか」
ふと見るとさくらちゃんの腕にはドラゴン花火が。
・・・。
「今のは・・・もしかすると・・・?」
「にゃははっ、ごめんね祐一君」
「まさかいるとおもわなかったんだよー、こんどタイヤキおごるから、ね」
「ほほう、お前におごってもらうとは初めてだな、あゆ」
「えー、そんなことないよー」
「散々俺にたかってたヤツにいわれても説得力がない」
「うぐぅ・・・」
自覚はしてたのか・・・。
「ま、とにかくさくらちゃんもあゆも気をつけてくれよな」
「「はーい」」
「じゃ、俺行くわ」
「お兄ちゃんによろしくー」
「あ、まって祐一くん」
「ん、なんだあゆ?」
「あのね・・・こんどボクがおごるから・・・また2人でタイヤキ食べにいこーね・・・」
・・・。
「そうだな、また行こうな」
「うんっ!!」
「じゃ、またあとでな」
「うんっ」
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「にゃー、あゆちゃんデートのお誘いなんてダイタンだねぇ」
「そ、そうかな・・・」
「ボクもお兄ちゃんにデート誘ってみようかなぁ」
「うん、オンナは度胸だよっ!!」
「よしっ、他の組の本拠地に乗り込む感じだね」
例えがまるでわからない。
「よくわからないけどたぶんそうだよ」
こちらは全然理解していない。
先行き不安な2人組であった。
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「おっ、純一」
「何してんだ?祐一こそ」
「徘徊だ」
「・・・することは一緒のようだな」
「さすがは主人公どうしだ」(←爆)
「ま、いいや。一緒にまわろうぜ」
「男となんてしまらねーけどな」
「それはこっちのセリフだ(怒)」
「お、眞子と萌先輩だ」
「あら、朝倉と相沢君じゃない」
「こんばんわー、純一さんと木目沢さん」
「相沢ですっ!!相沢!!」
ネ右一にだけはなりたくない・・・。
「そ、それより2人はなにしてんだ?」
「花火を見ながら鍋を食べてましたー」
「「なべぇ!?」」
「はいー」
「ついさっき夕飯食べたばっかなのに・・・」
「眞子ちゃんも大変だね・・・」
「その心遣いだけでも嬉しいわ・・・」
「そーだ、お二人もどーですか?」
「「いえ、けっこうです」」
即答。しかもハモリ。
「残念ですー・・・」
ホントに残念そうだ・・・。
「「じゃあ、あとでー」」
ぴゅー。
「あっ、コラ!!逃げるなー!!」
後ろから眞子ちゃんの悲痛の叫びが聞こえる。
さらば、眞子ちゃん。
俺たちの分までカロリーを摂ってくれ。
しかし、萌先輩のナイズバディは鍋のおかげなのか?
今度栞やあゆにすすめてみるか。
・・・いかん、べつの所が出そうだ。
「おっ、祐一、舞先輩たちだぞ」
「本当だ。佐祐理さんと美春ちゃん、それにことりちゃんもいるのか」
めずらしいメンバーだな。
「あー!!朝倉せんぱーい!」
「おいっすー、朝倉君と祐一君っ!」
「あらー、ゆういちさーん!」
「・・・祐一だ」
「よお、めずらしいメンツだな」
俺と同じ思考とは・・・さすが主人公。
・・・いや、これなら誰でも思うか。
「祐一さん、なにしてらしたんですかー?」
「・・・朝倉君とデート?」
「なわけねーだろ!!」
「そーなんですか!?朝倉先輩・・・美春はしょっくですー!!」
「ええい、お前も信じるな!」
「たとえ・・・朝倉君がそっち方向でも私は引いたりしないですから」
とか何とか言いつつ後ずさることりちゃん。
「ことりまで・・・」
「まあ、それは冗談として」
真に迫った演技するなよ、お前ら。
「やはりことりちゃんと佐祐理さんはおしとやかだな」
「うんうん、俺も2人ほど可憐な『をとめ』は見た事ないな」
「そ、そうですかぁ・・・?」
「朝倉君たら・・・もぅ・・・うまいんだから・・・」
「それにくらべて・・・」
「朝倉先輩、美春は可憐じゃないんですか?このキュートでプリチーな美春を可憐と言わずして・・・」
「・・・オナカすいた」
ムードのかけらもねぇな、こいつら。
「あ、そうそう」
不意にことりちゃんがなにかを思い出したようだ。
「さっき秋子さんと音夢がお2人を探してましたよ」
「え、俺たち?」
「はい」
「??なんだろ」
「とりあえずいってみっか?」
「そだな、あんまり待たせると後が怖いし」
「じゃ、4人とも。そゆことなんで」
「朝倉先輩っ!!」
「ん、なんだ美春?」
「音夢先輩になんかしたらただじゃすまないですからねー!」
「するかっ!」
俺たちは音夢ちゃんたちのいるであろう場所へ向かった。
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「さーて、続きやりましょうかー」
しかし、ことりは黙って純一たちの方を見ている。
「ん?どーしたんですか?白河先輩」
「ことり・・・どうしたの?」
今回、まったく出番のなかった舞も不思議がる。
「音夢、今回は譲ってあげますけど・・・」
「次は負けないよっ♪」
「「「???」」」
結局3人は意味がわからずじまいだった。
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「ここらへんじゃないか?」
「うーん、たぶんな・・・」
姿をゆうちんアンテナでサーチしていると・・・。
「にいさーん、祐一くーん!」
「祐一さーん、こっちですー!」
2人は小さな岬のようなところにいた。
「やっといたか・・・」
「で、なんだよ人を呼び出して」
すると。
秋子さんと音夢ちゃんはお互い顔を見合った後--------。
「兄さん、ちょっとお散歩にいきませんか?」
「え、ああ、いいけど・・・」
「じゃあいきましょっ♪」
「お、おいおい・・・」
そういって音夢ちゃんと純一は行ってしまった。
「祐一さん」
突然秋子さんに声を掛けられた。
「な、なんですか?」
「・・・ちょっと休んでいきましょう」
「え、ああ、いいですけど・・・」
なにがなんだか、という状態でおもわず純一と同じ反応をしてしまう。
「で、どうしたんですか?」
「・・・なんかやっとほんとに2人っきりになれた気がします」
「・・・え?」
秋子さんの叔母とは思えない幼い表情にドキッとする。
俺と秋子さんは岬の先のところに座り込んで一緒に海を眺めている。
「・・・すごく今幸せです・・・」
「・・・そうですね」
「・・・仕事、頑張った甲斐がありました」
「そうですね、お疲れ様です。券をくれた人にも感謝しないと」
「あら、ほんとは違うんですよ」
「え?」
「知り合いから安く譲ってもらったんですよ」
「でも・・・どうして?」
「祐一さんと・・・こういう場所に2人で来たかったですから・・・」
「え・・・?」
そういうと秋子さんはこちらを向いて唇を突き出して目をつむった。
・・・。
えーと・・・。
落ち着けー。いろいろ考えてみろ祐一。
秋子さんは叔母だ。
ちらっ。
秋子さんを少し見てみる。
秋子さんはそのまま俺の返答を待っている。
か、かわいい・・・。
確かに秋子さんは魅力的だし・・・。
・・・どうすっぺ。
・・・・・・・・・。
はっ!!
そ、そうか!!
ここは2人きり!
秘密にしておけば大丈夫だっ!
「あの・・・祐一さん・・・」
「はっ、秋子さん・・・」
「もしかして・・・イヤ・・・ですか・・・?」
秋子さんの目は潤んでいる。
「ま、まさか!そんなわけ・・・!」
すると、秋子さんは何も言わず目をつむりまた唇を突き出す。
据え膳食わずはなんとやら、って言うしな。
・・・ここはひとつ。
不肖相沢祐一、いかせていただきますっ!
秋子さんの肩に手を置く。
その刹那、秋子さんの体がぴくっと震えた。
「いきますよ、秋子さん・・・」
「はい・・・」
そして・・・。
2人の影が序々に近づき・・・。
「あー!!!!」
びくぅっ!
声のする方向を見ると・・・。
「お母さん!!なにやってんの!」
「な、名雪・・・」
今回ここまで影をひそめていた名雪がいた。
「ど、どうしてここが・・・?」
「なんかおかしいと思って祐一の後をつけてたんだよ」
「な、名雪・・・お前眠くないのか・・・?」
「祐一のためなら!例え火の中夢の中!!だおー!」
『だおー』がつくあたりだいぶムリをしているようだ。
「さて、お母さん、祐一。話をたっぷり聞かせてもらうよ!」
「あ、あはは・・・おてやわらかに・・・」
俺と秋子さんは顔を見合わせて。
「「はぁー・・・」」
ため息をついた。
その夜、みんなが俺たちを警戒し、秋子さんは名雪たちの部屋で寝る事となった。
どうやら後で聞いた話によると純一たちも同じ状況らしい。
それにしても、秋子さんはどうして俺とキスしようと思ったんだろう。
雰囲気かな、やっぱり。(←ヴァカがつくほどの鈍感、発揮)
いろいろ考えながら俺は1人となった部屋で眠りについた。
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所代わって、ここは名雪たちの部屋。
「お母さん、おやすみ」
語意を強めて名雪が言う。
「うぅ・・・」
「言っとくけど抜け出したりしたらお母さんでも許さないからね」
どうやらライバルとわかった以上母親であろうと名雪は容赦はしないようだ。
「どーしてこーなるの・・・?」
その夜、秋子さんは
別の意味で枕を涙で濡らしつつ眠りにつくのであった。
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そして次の日。いよいよチェックアウト。
「みんな、忘れ物はないなー?」
「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」」
「じゃ、バスに早く荷物つんじゃって下さい」
そういって秋子さんがエンジンの調整をはじめる。
なんかコワい・・・。
「・・・んで?」
「はい?」
「なんで天野もバスに荷物積んでんだ?」
「いいじゃありませんか、別に」
「俺はかまわんがな、イスがあまってなかったような気が・・・」
「それなら大丈夫です」
「なにが?」
「秋子さんがイスを増やしてくれました」
思わず駆け足でバスに乗り込むと。
「ホントだ・・・」
あたかも最初からあったようなイスが3つ。
「3つ・・・?」
ということは。
後ろを見る。
「あははー、舞、祐一さんと一緒に帰れて嬉しいね」
「・・・めいぷるべあー」
・・・英語?
「あははー、舞も最上級に嬉しいんだね」
舞は赤くなってこくっと首を振る。
「そろそろ行くわよ、相沢君」
香里に呼ばれる。
「おう」
「祐一さん、また来ましょうね」
「そうだな・・・」
栞の問いにいろいろな思い出をのせて答える。
なんだかんだいっておもしろかったな。
それに・・・。
秋子さんと寄り添って海見れたし。
「あ、そうそう祐一」
「なんだ名雪、人がせっかく追憶にふけっているときに」
「昨日のこと、帰ったらじっくり聞かせてね♪」
・・・また帰ったら疲れそうだ。
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「あうぅ・・・『祐一さんとらぶらぶ大作戦』失敗してしまいました・・・」
「祐一さぁん・・・」
「冬こそ!冬の旅行こそは!」
意気込みもバッチリのようだ。
「よおし、冬に祐一さんとらぶらぶになるためにしっかり働きますよー!」
秋子さんの仕事に対する意欲、380%アップ(当社比)。
「待っててくださいね、祐一さん!!」
またも邪魔が入ったが秋子さんの恋は止まらない!
次回、「雪山で遭難でーと♪編」、乞うご期待!!
〜 つづく 〜
〜あとがき〜
ふぃー。やっと終わりました。初長編。
まさかここまで苦労するとは・・・。
クロスオーバーがかなり悩みました。
次回は冬ですね。
ちょっとストーリーが短絡的だったので次回からは善処します。
なお、「毛布なんていらねえよ、夏」編の朝倉家アフターストーリーを執筆予定。
期待しないで気長に待っててくださいね。
ではでは。
あははーっ、戻りますよーっ