ここは雪の街、華音。
この街では、人知れず数々の奇跡を起こした少年がいた。
その名も。
「だーっ!!もうまた遅刻だーっ!!!」
「もう、祐一ってば。もっと早く起こしてよー」
「貴様のせいじゃあー!!!!」
ぽかっ。
「うーっ、痛いよぉ・・・」
「責任転嫁という重罪を犯したお前が悪い」
「うー、努力はしてるんだよ・・・」
「つーか自覚してたのか・・・」
と、走りながらも普通に会話をする二人のうちの片割れ。
我らがトラブルメーカーでありトラブルソリューショナーである相沢祐一くんである。
「昨日の帰りのホームルームも寝やがって・・・」
「祐一も寝てたって聞いたんだけど・・・」
「・・・さて、先を急ぐか」
「これで祐一が学年トップの成績なんて信じられないよ・・・」
「なんですとぉー!!!それは聞き捨てならん!!」
「だって祐一って私と同じぐらい授業寝てるよ」
「寝てるのは認めるが・・・お前と同じぐらいというのはありえないぞ」
「ひどいよ祐一ぃ!!」
「さて、とっとと行くか」
「鬼だよ祐一・・・」
そして、この街で新たな騒動が始まる。
「やっと会えるね、ゆうちゃん・・・」
長くなりそうだ・・・SS
Love Capriccio 〜恋愛狂騒曲〜
-introduce- 〜第1話〜
written
by woody
last
updated 2003/11/24
「ふにー・・・疲れた・・・」
「ホントだよー・・・」
「あなたたち懲りないわね」
「うるせー!名雪を起こした事のない香里にこの俺の気持ちがわかってたまるか!!」
「・・・悪かったわ」
「やっぱりひどいよー!!!」
名雪が涙目になる。
そこに。
「よーし、皆の者、席につけー!!」
最近、時代劇に凝っていて口調がおかしい石橋ティーチャーが登場。
「昨日言ったとおり、今日から転入生が参上する」
「そんな事言ってたか?」
「相沢君、きのう寝てたじゃない」
「はっ!そういえば」
「だめだよ祐一。人の話聞かなきゃ」
「名雪。お前が言うセリフか?それ」
「あー、そこの水瀬たち。話を続けていいか?」
「あ、すみません」
そのとき。
「ん?」。
「どうしたの、祐一」
「いや、メールが入ってた」
「だれから?」
「ちょっと待て、今見てみるから」
「ん?相沢、何をしている」
「ああ、なんでもありません」
基本的にケータイは禁止という校風なのでポケットからこっそり見る。
そこには。
「
はーい!!ゆうちゃん元気ー?
ひさしぶりだねー!有希ちゃんでーっす♪
いますぐあなたの元へ行くから待っててねー!!
あなたの有希ちゃんより
」
以上。
・
・
・
祐一は固まった。
苗字は書いてなかったがテンションと名前の2本柱ですぐにわかった。
そして、同時に悟った。
------コイツぁ危険だと。
コイツだけは名雪たちに見せてはいけない存在だ、と。
そして、物事は悪い方向へ向かうのがこの世のお約束である。
「よーし、ということで転入生。入って来い」
この石橋の言葉は祐一にとって悪魔の一言であったに違いない。
がらっ。
「こんにちはーっ!!」
転入生らしからぬこのテンション。
やはり、と祐一は頭を抱えた。
転入生の女の子はチラリと祐一を見た後、大きく息を吸い、言った。
「アメリカからきました、篠原有希でーすっ!よろしくお願いいたしまーす!!」
これが全ての始まり、恋愛狂騒曲の開演である---------。
〜あとがき〜
らぶかぷ、スタートです。
第1話、短っ!!
ちょっとあまりにも短すぎるので次からはもっと長くします。
では、オリキャラ自己紹介から。
「篠原 有希」
・アメリカから来たが、じつは祐一の幼馴染。
・祐一激ラブ。大胆に露骨に祐一にアピールする。
・なにげに鈍感。
・テンションの高さをウリに友達作りのエキスパート。
祐一と同様、トラブルメーカーでトラブルソリューショナー。
・顔はキレイというよりカワイイ。
・チョコ大好き。バレンタインは手作りしてるといつのまにか自分の口に入ってるタイプ。
ゆうちゃんーっ、戻るのーっ