これは、晴香と透のある休日-------------。



「ねーっ、透♪」

「ん?」

「いっしょにお買い物しよっ」

「ん、わかった」

「やった♪」

「じゃあ用意してくるからちょっと待っててくれ」

「うんっ!!晴香ちゃんはもうカンペキだよー!!」

「・・・ほう、じゃあなんだ、お前は靴下もはかずにあのちんちくりんな靴をはくのか」

「あれま」

「・・・」

「えへへ、私、ぽけぽけさんになっちった・・・」







   さよらな体験版、ようござんしたSS



                      The Happy Life Of Future



                                                            written by woody





「ふんふんふーん♪」

「なんかやけに楽しそうだな」

「うんっ、だって久しぶりに透とお買い物なんだよー」

「・・・そっか」

「うんっ!!」



俺は目の前の「少女」につられショッピングセンターへと歩いている。

もちろん誘拐のような類ではない。

この俺の肩程度の身長しかないこの「少女」はちんまいながら同い年なのだ。

だが親戚の子でもなんでもない。

なぜなら「俺はこの世界の人間ではない」のだから------------。


というのも200年ほど前。

俺は不治の病とやらになってしまい当時の医療技術では到底追いつかない。

そこで冷凍カプセルで技術が進んだ未来まで寝かされていた。

そして、200年経った今、俺は目覚め200年たったこの世界を生きている。

「少女」・・・いや、晴香は医療科学研究所かなんかの所長の娘だ。

当然ながらいきなり「あなたは200年後の世界にいます」と言われて頭がおかしくならない訳がない。

そんな時、そんな俺を晴香は親身になって助けてくれていた。

どんなに邪険にしても見ず知らずの俺に優しく接してくれた。

・・・思えば晴香がいなければ今、俺はここに存在してなかっただろう。

「おそらく」ではなく、「絶対に」---------。



「・・・透?」

「・・・え?」

「お返事しないとダメダメさんだよ、透。さっきから晴香ちゃんが話してるのにー」

「あ、ああ、悪ぃ。ちょっと考え事をな」

「考え事?」

「ああ」

「俺、さ」

「うん」



(ま、世話が焼けてちんまいが・・・やさしいいい娘だよな)



「・・・やっぱなんでもねーや」

「えー!!!教えてよー!!すっっっごい気になるよー・・・」

「教えねーよーっと」

俺はなんか気恥ずかしくておもわず走り出す。

「よーっし!!晴香ちゃん、すぐに追いついてやるんだもんねー」

「ちょ、ちょっと待て・・・その靴使うの反則だろ・・・」

「聞こえないもんねー・・・とあっ」

「のあぁっ」

晴香'sタックルをくらう。

「えへへー、つっかまえたー♪」

「お、おい・・・」

「あっれー透、顔赤いよぉー」

「う、うっせー」

スキをついて透ちゃんダッシュ。

「透ー、さっきの教えてよー」

「やだよーっと」

「もー、待たないと透だけ今日の夜ゴハンなしだよーっ」

そういって逆方向へ晴香は歩き出す。

「あー!!きったねーぞ、晴香!!」

俺は晴香に追いついて文句を言おう、とする。

その瞬間。

「えへへー、透またつっかまえたー」

「・・・ははっ、負けたよ」

「じゃー透が今日のお荷物全部持ってね♪」

「へえへえ」

「お返事は一回っ!!」

「はーい・・・」

「よろしい♪」

そういって晴香は・・・。

ちゅっ。

「今日のお荷物持つの、がんばってね♪」

ぼーぜん。なんか敗北感たっぷり・・・。






俺は別に好きでこの「未来」という世界に来たわけじゃない。

だけど俺はここに確かに存在している。

だから・・・。



「透ーっ、早く行かないと太陽さんおねんねしちゃうよぉーっ」

「ガキかお前は・・・」




「コイツ」が俺を必要としてくれる限り・・・。

俺はこの世界で生きていこうと思った。

「コイツ」といっしょに・・・。








〜あとがき〜
めっちゃ難しかったぁ・・・。(滝汗)
なんせ全体的にシリアスなゲームなんでねぇ・・・。
いいゲームなんだけど。

コレ書いてる途中で明日のSSのアイディアの方が先に思い浮かんでしまって・・・。
正直ちょっと困りました。
くそー、アンケートに答えた人はどうし(前日と同文につき以下削除)



                              透ーっ、戻るんだよーっ