なぜ大根・たくあんなのか
中学年団では「郷土を知ろう」というテーマで総合的な学習に取り組むことになった。
低学年の生活科で「自分」「身の回り」「家族」「学校」をテーマに取り組んできた子どもたちにとって、次に広がる世界は「錦田の学区」「我が街・三島」である。
よく『国際理解教育』を語るときに、『まずは自分の国・日本を知る。
そして、日本を好きになる。』と言われるが、それ以前に『自分の住む郷土を知る。
そして、郷土を好きになる。』ことが大切だと思う。
子ども達の暮らす錦田学区は、豊かな自然(箱根山・竹倉川等)・歴史(古墳・妙法華寺・中島飛行場跡等)・施設(老人ホーム・遺伝学研究所・すこやかセンター等)など、様々な特色が見られるが、近年は、情報化や人口の流入などで、その特色も薄れつつあると思われる。
そこで、かつての錦田を思い出してみることにした。20年ほど前、錦田はまだ宅地化も進んでおらず、たくさんの農地が広がっていた。
錦田中学校から下ってくる坂の周辺にも、住宅は少なく、畑にはたくさんの大根が干されていた。
子ども達の祖父母にも大根を作っていたという人も多い。
また、JA三島の隣には大きなたくあん工場があり、3年生の社会科見学で、見学をしたいたという話を聞き、『錦田=大根・たくあん』というつながりが深く頭の中に残っていた。
また、大根という野菜は、日本中の誰もが知っている野菜である。
さらに形も何となくユーモラスであり、愛着が湧いてくる。
土の中で育つので栽培中は見ることができないが、だいこんをスポンと抜くことを想像すると、ワクワクしてくる。
さらに、その野菜が「たくあん」になるというのは、まさに意表をつくような変身である。
これらのことから、『大根』が、子どもの好奇心を十分に刺激することができる物だと考えた。
また、今回の研修にあたって、自分なりに大根のことを調べてみると、品種・ルーツ・料理法など、実に奥が深く、子どもたちが興味・関心を広げ、調べていくことができるテーマだと感じた。
「大根」をテーマに子ども達が考えそうな事柄をあげ、国立研修所の那須政裕氏によるウェブ図(蜘蛛の巣)にまとめてみた。
教師の支援によっては、「環境」(箱根山の自然・有機農法)「福祉」(老人との交流)「国際理解」(原産地)等の様々な展開が予想される。
今後、総合的な学習の時間が拡大していく中でも、十分に取り組んでいけるテーマだと考えた。