活動のねらい
○郷土の良さを知る。
箱根の西麓の土は火山灰が深く積もったローム層で、水はけがよく根菜類の生育に適している。
また、冬の乾いた季節風は、たくあん作りにも適している。
土壌と気候に恵まれるこの地域は、昔からたくあん作りが盛んで、かつては全国的にも名が知られ、さらには中国にまで輸出していたほどであった。
何気なく食卓にあがっているたくあんから、気候や土壌を生かした産業を営んできた地域の良さを再発見して欲しい。
○地域の人たちとのつながりをもつ。
錦田の学区はかつては農耕地帯であったが、近年は宅地化が進み、農家も減ってきている。
それにつれて、児童の家庭からも農家が減ってきている。それでも、身近な年輩の方には多くの農業経験者がおり、大根作りにたずさわってきた方も多い。
ここ数年の社会の情報化が進み、子どもたちの中でも、調べ学習にインターネットを活用する子が見られるようになった。
しかし、どんなに簡単に情報が集められたとしても、基本としては人と人とのつながりだと考える。
大根に取り組むことによって、これまで大根作りに取り組んできた地域の人たちと、直にふれあって欲しい。
○植物を育てる経験をする。
子どもたちは生き物が大好きである。
多くの子どもが植物を栽培したり、小動物を飼ったりした経験もある。
しかし、子どもたちの話を聞くと、「カブトムシの餌はカブトムシゼリー」「鈴虫の土には鈴虫マット」「花を育てる土は園芸用の土」といったようにかなりお手軽に取り組んでいるようである。
そんな子どもたちに、土作りからこだわらせ、様々な試行錯誤を繰り返しながら、愛着を持って植物を育てる経験を積ませたい。
こうした栽培活動を通して、命をはぐくむ喜びを体験して欲しい。
○課題を発見し、解決する態度を育てる。
これまでに様々な教科において課題解決学習に取り組んできた。
子どもたちも意欲的に取り組み、多くの成果は上がってきたと思う。
しかし、最終的には知識の理解が重要視されてきたと思う。
ダイコンを育てる過程では、予期せぬことがたくさん出てくると思われる。
それらの原因を考え、解決の手だてを探す努力をさせたい。
○クラスで1つの活動をする。
自分の生活が手一杯であった低学年に比べ、少しずつ周りにも目を向けられるようなってきた中学年である。
児童会や委員会で学校全体に目を向けられる高学年になるためにも、中学年ではクラスでの活動を重視したい。
「大根を育て、たくあんを漬けよう」という1つのテーマに向けて、それぞれの考えを出し合い、まとめていく中で、集団で取り組み、達成することの喜びを味わって欲しい。

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